JavaScriptにおける「for」ループは、繰り返し処理を行うための基本的な構文です。このループは、指定した回数だけ処理を繰り返したい場合に使用されます。ここでは、「for」ループの構文、使い方、そしてさまざまな例を通して、その機能を完全かつ包括的に解説します。
1. 基本的な構文
JavaScriptの「for」ループは、以下のような構文で記述されます:

javascriptfor (初期化; 条件式; 変化式) {
// ループ内で実行する処理
}
-
初期化: ループを開始する前に1度だけ実行される部分で、通常はループカウンタを設定します。
-
条件式: ループが繰り返される条件を定義します。この条件が
true
である限り、ループが実行されます。 -
変化式: ループが1回実行されるごとに更新される部分で、通常はカウンタを増加または減少させます。
2. 基本的な「for」ループの例
以下のコードは、1から5までの数値を順番に出力する「for」ループの例です。
javascriptfor (let i = 1; i <= 5; i++) {
console.log(i); // 1, 2, 3, 4, 5 と出力される
}
このコードでは、i
が1から5までの値を取り、各値がconsole.log()
を使用して出力されます。i <= 5
という条件がfalse
になるとループは終了します。
3. ループの初期化、条件式、変化式の詳細
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初期化:
初期化は、ループが開始される前に一度だけ実行される部分です。通常はカウンタを初期化します。例えば、let i = 0
のようにカウンタを0に設定します。 -
条件式:
条件式は、各ループの実行前に評価されます。この条件がtrue
の場合にのみ、ループの本体が実行されます。条件式がfalse
になった時点でループは終了します。 -
変化式:
変化式は、ループの各反復の最後に実行される部分で、通常はカウンタを変更します。i++
(インクリメント)やi--
(デクリメント)がよく使われます。
4. 逆方向にカウントするループ
カウントが逆方向である場合、例えば10から1まで数値を出力する場合も「for」ループを使用できます。以下のコードを見てみましょう。
javascriptfor (let i = 10; i >= 1; i--) {
console.log(i); // 10, 9, 8, ..., 1 と出力される
}
この場合、i--
を使用して、カウンタi
を1ずつ減少させています。
5. 多重ループ
「for」ループを使って、複数のループを入れ子にすることも可能です。以下のコードは、2次元配列を使って、行と列を順番に出力する例です。
javascriptlet array = [
[1, 2, 3],
[4, 5, 6],
[7, 8, 9]
];
for (let i = 0; i < array.length; i++) {
for (let j = 0; j < array[i].length; j++) {
console.log(array[i][j]); // 1, 2, 3, 4, 5, 6, 7, 8, 9 と出力される
}
}
この例では、外側の「for」ループが行(array.length
)を、内側の「for」ループが列(array[i].length
)をそれぞれ処理します。
6. 無限ループ
「for」ループを使って無限ループを作成することもできますが、これは注意深く使う必要があります。無限ループは、条件式を常にtrue
に保つことで発生します。以下はその例です。
javascriptfor (let i = 1; i <= 10; ) {
console.log(i); // iは更新されず、無限に1が出力され続ける
}
このコードでは、i
を更新しないため、i <= 10
の条件が常に真となり、無限に1
が出力されます。無限ループを避けるためには、条件や変化式を適切に設計する必要があります。
7. 「for」ループとbreak
やcontinue
の使い方
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break
: 「for」ループを途中で終了するためにbreak
を使うことができます。
javascriptfor (let i = 1; i <= 10; i++) {
if (i === 5) {
break; // iが5の時、ループを終了
}
console.log(i); // 1, 2, 3, 4 と出力される
}
-
continue
:continue
を使うと、現在の反復をスキップし、次の反復に進むことができます。
javascriptfor (let i = 1; i <= 5; i++) {
if (i === 3) {
continue; // iが3の時、処理をスキップ
}
console.log(i); // 1, 2, 4, 5 と出力される
}
8. まとめ
JavaScriptの「for」ループは、非常に強力で柔軟な繰り返し処理の手段です。基本的な使い方から応用まで、さまざまなシーンで活躍します。初期化、条件式、変化式を適切に設定することで、あらゆる種類の反復処理を行うことができます。無限ループや入れ子のループも可能で、break
やcontinue
といった制御構文を使うことで、より複雑なロジックにも対応できます。
これらの基本的な使い方を理解することで、JavaScriptでの繰り返し処理をより効率的に行えるようになります。