猫の体温が高くなる原因はさまざまで、健康を守るためには早期の発見と適切な対応が必要です。この記事では、猫の発熱に関する知識、原因、症状、そしてその治療法について詳しく解説します。
猫の体温の正常範囲
まず、猫の正常な体温は約38.0〜39.2℃の範囲です。これを超えると発熱とみなされますが、猫が発熱を示す理由はさまざまです。猫は自分で熱を感じることが難しいため、飼い主が異常を早期に発見することが重要です。

猫の発熱の原因
猫が発熱する原因には、以下のようなものがあります。
1. 感染症
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ウイルス性の感染症(例:猫風邪、猫免疫不全ウイルス(FIV)、猫白血病ウイルス(FeLV))
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細菌感染症(例:尿路感染症、呼吸器感染症、歯周病など)
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寄生虫(例:猫の内部寄生虫や外部寄生虫)
2. 炎症
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内臓や関節の炎症(例:関節炎、膀胱炎など)
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外傷や手術後の炎症
3. 腫瘍や癌
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腫瘍や癌による発熱は、免疫系の反応として体温が上昇することがあります。
4. 中毒
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有害な物質を摂取した場合、例えば人間の薬品や毒性の植物、化学物質などが原因で発熱することがあります。
5. 免疫疾患
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自己免疫疾患やその他の免疫関連の疾患が発熱を引き起こすこともあります。
6. ストレスや過剰運動
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猫が非常にストレスを感じる環境にいたり、激しい運動をしたりした場合にも、一時的に体温が上昇することがあります。
発熱の症状
猫が発熱している場合、以下のような症状が見られることがあります。
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元気がない、または普段より動きが少ない
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食欲不振
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呼吸が速くなる、または深くなる
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震えやふるえ
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耳が熱い、または手触りがいつもと違う
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目が赤くなる、または涙が多くなる
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毛が逆立つ、または体が湿っぽく感じる
もしこれらの症状が見られる場合は、すぐに体温を測り、必要に応じて獣医師に相談することが重要です。
猫の発熱の治療法
1. 体温測定
最初に猫の体温を測定します。獣医師が推奨する方法は、直腸での測定です。これが最も正確な結果を得る方法です。もし猫の体温が40℃以上であれば、緊急の処置が必要です。
2. 水分補給
発熱に伴って猫は脱水症状を起こすことがあります。新鮮な水を常に提供し、猫が飲みやすいように工夫します。飲みたがらない場合は、少しずつシリンジで水分を与えることも検討します。
3. 冷却処置
猫の体温が非常に高い場合は、冷たいタオルや氷嚢を体に当てて冷却します。しかし、急激に冷やしすぎないよう注意が必要です。冷却処置を行う場合は、慎重に温度の変化を見守りながら行ってください。
4. 薬の投与
発熱の原因に応じて、獣医師が抗生物質や抗ウイルス薬を処方することがあります。また、解熱剤が処方されることもありますが、猫に人間用の薬を与えるのは絶対に避けてください。必ず獣医師の指導の下で薬を使用するようにしましょう。
5. 感染症への対応
発熱が感染症によるものであれば、感染源を特定し、適切な治療を行います。例えば、ウイルスや細菌に感染している場合には、それに特化した治療が必要です。
6. 栄養管理
発熱中は猫が食欲を失うことが多いですが、栄養補給はとても大切です。猫の食欲がない場合、流動食や特別な療法食を試してみましょう。
7. 環境調整
猫のストレスが発熱の原因となっている場合は、静かな環境を提供し、リラックスできる空間を作ってあげることが大切です。
獣医師への相談
猫の発熱が続く場合や、体温が高すぎる場合は、速やかに獣医師に相談することが必要です。獣医師は血液検査や画像診断を行い、正確な診断を下し、適切な治療を施します。
予防方法
猫の発熱を予防するためには、以下のことが重要です。
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定期的な健康診断を受ける
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予防接種を受けさせる
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清潔な環境を保つ(トイレや寝床の清掃)
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猫のストレスを軽減する
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バランスの取れた食事を与える
結論
猫の発熱は軽度な症状から命に関わる深刻な状態までさまざまな原因で起こります。発熱を見逃さないよう、飼い主は日頃から猫の体調に注意し、異常を感じたら早めに獣医師に相談することが重要です。正しい知識と適切な対応で、猫の健康を守りましょう。