Adobe Illustratorを使用して、映画やテレビ制作でよく見かける「クレジットボード(カチカチボード)」のアイコンを描く方法について、完全かつ包括的なガイドをお伝えします。このアイコンは、撮影現場でカメラが回る前にシーン番号やテイク番号を記入するために使用される道具です。以下のステップに従って、Illustratorでこのアイコンを作成していきましょう。
1. 新しいドキュメントを作成
まず、Adobe Illustratorを開きます。新しいドキュメントを作成するために、「ファイル」>「新規作成」を選択します。サイズは任意ですが、通常のアイコン作成の場合、幅500px、高さ500px程度のサイズが適当です。

2. 長方形ツールを使ってベースを作成
次に、アイコンのベースとなる部分を作成します。
- ツールバーから「長方形ツール(M)」を選択します。
- アートボード上でクリックして、幅150px、高さ100pxの長方形を描きます。これがカチカチボードの本体となります。
- この長方形に適切な色をつけます。例えば、背景色に暗めの色(黒やダークブルーなど)を選びます。
3. 枠線を追加
カチカチボードには枠線があり、その部分を作成します。
- 先ほど作成した長方形を選択した状態で、「効果」>「パス」>「パスのオフセット」を選びます。
- 「オフセット量」に5px程度の値を設定し、OKを押します。この操作で新たに内側の枠線が作成されます。
- 作成された枠線を選択し、色を変更して、ボードの内側の部分と区別できるようにします。
4. 「クレジット」の文字を追加
カチカチボードには、通常「クレジット(撮影中のシーン番号など)」が記入されている部分があります。この部分を作成します。
- 「文字ツール(T)」を選び、ボードの上部にテキストボックスを配置します。
- 任意のフォント(例えば、太めのゴシック体など)を選び、「SCENE」や「TAKE」と入力します。文字のサイズや位置は、ボード内に収まるように調整します。
- 文字の色は、ボードの背景色と対照的な色にすると見やすくなります。例えば、白や明るい色が適しています。
5. 数字やテイク番号を追加
次に、シーン番号やテイク番号を追加します。
- 文字ツールを再度選択し、ボードの下部に新たなテキストボックスを作成します。
- ここには「1」や「2」、「A」などの番号を入力します。映画のシーンに応じた数字を入力してください。
- 数字の大きさや位置も調整して、ボード内でバランスよく配置します。
6. 取っ手部分の作成
カチカチボードには取っ手がついています。この取っ手部分も忘れずに作成します。
- 「楕円形ツール(L)」を使って、小さな円を描きます。これが取っ手になります。
- 取っ手の円をボードの上部中央に配置し、適切なサイズに調整します。
- 取っ手の色は、他の部分と区別するために少し明るい色(例えば、金属感のあるグレーやシルバー)を選びます。
7. シャドウやハイライトを追加
アイコンに立体感を出すため、シャドウやハイライトを追加します。
- 「効果」>「スタイライズ」>「ドロップシャドウ」を選択します。これにより、カチカチボードに影がつき、奥行き感が増します。
- ドロップシャドウの設定で、影の色や角度、距離などを調整し、自然な影を作ります。
- ハイライトを追加するには、再度長方形ツールを使って、ボードの上部に白い帯状の矩形を描きます。この部分を透明度を下げて、光の反射を表現します。
8. 仕上げとエクスポート
最後に、全体のバランスを確認して、必要であれば微調整を加えます。色や位置が適切であるかを再確認し、アイコンが完成したら、エクスポートします。
- 「ファイル」>「書き出し」>「書き出し形式」を選択します。
- ファイル形式は、Web用の場合「PNG」や「SVG」がおすすめです。高解像度のPNG形式で書き出すと、細部まできれいに表示されます。
結論
以上で、Adobe Illustratorを使用してカチカチボードのアイコンを作成する方法が完了です。これで映画やテレビ制作に使われる象徴的なアイコンを、デジタル形式で表現することができます。ぜひ、この手順を使って、他のアイコンやデザインにも応用してみてください。