Arduinoは、さまざまなセンサーを活用して、環境や物理的な変化を検知し、それに応じた処理を行うことができます。これらのセンサーは、Arduinoボードと接続することで、温度、湿度、圧力、光、音など、さまざまなデータを測定することが可能です。以下に、代表的なArduinoのセンサーの種類とその機能について説明します。
1. 温度センサー
温度センサーは、周囲の温度を測定するために使用されます。Arduinoでは、一般的に「LM35」や「DHT11」などが使用されることが多いです。

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LM35: このセンサーはアナログ出力を提供し、温度に比例した電圧を出力します。出力電圧は1度あたり10mV増加します。
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DHT11: 温度と湿度を同時に測定できるセンサーです。デジタル出力を提供し、比較的低価格で簡単に使用できます。
2. 湿度センサー
湿度センサーは、周囲の湿度を測定するためのセンサーです。これにより、湿度の変化に対応したアクションをArduinoに指示することができます。
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DHT11/DHT22: 前述の通り、これらのセンサーは温度と湿度を同時に測定できます。DHT22は、DHT11よりも精度が高く、測定範囲が広いです。
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HIH-4030: より高精度な湿度測定を行うためのセンサーで、アナログ出力を持っています。
3. 光センサー
光センサーは、周囲の光の強さを測定するために使用されます。これにより、明るさに応じてシステムが動作することが可能になります。
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LDR(Light Dependent Resistor): 照度に応じて抵抗が変化する部品で、アナログ入力を使って光の強さを測定できます。簡単に使えるセンサーです。
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TCS3200: 色の識別が可能なカラーセンサーで、RGBの成分を測定することができます。
4. 圧力センサー
圧力センサーは、気圧やその他の圧力を測定するためのセンサーです。天候予測や高度計測などで使用されます。
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BMP180/BMP280: 大気圧を測定できるセンサーで、気圧と高度を計算できます。精度が高く、Arduinoとの相性も良いです。
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MPX5700AP: より広範囲の圧力を測定できるアナログ圧力センサーです。
5. 距離センサー
距離センサーは、物体までの距離を測定するために使用されます。主にロボットの障害物回避などで活用されます。
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HC-SR04: 超音波センサーで、物体までの距離を測定します。超音波の反射時間を計測して距離を算出します。
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VL53L0X: ToF(Time of Flight)技術を使用したレーザー距離センサーで、精度が高く、小型のセンサーです。
6. 音センサー
音センサーは、音の大きさや音の発生を検知するセンサーです。音の変化に反応することができるため、音をトリガーにしたアクションを設定することができます。
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KY-037: 音の強さをアナログで出力するマイクロフォンモジュールです。音量に応じて出力電圧が変化します。
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LM393: 音を検出するための比較器として使用され、簡単に音の発生を検知できます。
7. 加速度センサー
加速度センサーは、物体の加速度や動きを測定するセンサーです。ロボットやモバイル機器の動き検出に利用されます。
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ADXL345: 3軸加速度センサーで、加速度の変化を検出できます。高精度で、Arduinoと簡単に接続できます。
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MPU6050: 加速度とジャイロを測定できるセンサーで、3軸の動きや回転を検出することができます。
8. ガスセンサー
ガスセンサーは、特定のガスの存在を検出するセンサーです。空気の質やガス漏れの検出に使用されます。
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MQシリーズ: 特定のガス(例: メタン、CO2、煙)を検出できるセンサーです。代表的なものとしては、MQ-2(煙・可燃ガス検出)やMQ-7(CO検出)があります。
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CCS811: CO2およびTVOC(揮発性有機化合物)を測定できるセンサーです。
9. 土壌湿度センサー
土壌湿度センサーは、土壌の湿度を測定するためのセンサーで、農業やガーデニングに役立ちます。
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YL-69: 土壌の水分量を測定するアナログセンサーで、農業分野での使用に適しています。
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DFRobot Capacitive Soil Moisture Sensor: 高精度な土壌湿度センサーで、容量性技術を利用して土壌の湿度を正確に測定できます。
10. 磁気センサー
磁気センサーは、磁場の強さや方向を測定するためのセンサーです。主にコンパスや地磁気を測定するために使用されます。
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HMC5883L: 3軸デジタルコンパスで、地磁気を測定し、方向を計算できます。
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ACS712: 電流を測定するためのホール効果センサーですが、磁場の強さも検出できます。
11. 心拍センサー
心拍センサーは、心臓の拍動を測定するためのセンサーです。ウェアラブルデバイスや健康管理に利用されます。
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MAX30100: 赤外線と可視光を使用して心拍数と血中酸素濃度を測定するセンサーです。
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Pulse Sensor: 指先や耳たぶに取り付けて、心拍数を簡単に測定するセンサーです。
まとめ
Arduinoのセンサーは、その多様性と使いやすさにより、非常に多くのプロジェクトで利用されています。これらのセンサーは、さまざまなデータを取得し、それに基づいてArduinoがアクションを起こすことを可能にします。各センサーの特徴を理解し、プロジェクトに最適なものを選ぶことが、Arduinoを効果的に活用する鍵となります。