C++(シー・プラス・プラス)は、汎用的で強力なプログラミング言語で、特にソフトウェア開発やシステムプログラミング、ゲーム開発などで広く使用されています。この言語は、複雑なソフトウェアシステムの構築を可能にし、パフォーマンスに優れたコードを提供するために設計されています。C++における重要なキーワード(Keywords)とその意味について、ここでは詳細に説明します。
1. int
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意味:整数型を表すデータ型を指定します。
intは、C++で最も基本的なデータ型の一つで、主に整数値を格納するために使用されます。 -
例:
cppint a = 5; int b = -3;
2. float
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意味:浮動小数点型を表すデータ型です。実数を表すために使用され、精度が限られているため、非常に大きな数値や非常に小さな数値を取り扱う場合には、
double型の方が推奨されます。 -
例:
cppfloat pi = 3.14f;
3. double
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意味:
floatと同じく浮動小数点型ですが、より高精度な数値を格納することができます。計算精度が要求される場合に使用されます。 -
例:
cppdouble e = 2.718281828459045;
4. char
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意味:文字型を表すデータ型で、単一の文字を格納します。C++では、文字は
char型として格納され、通常は1バイトで表現されます。 -
例:
cppchar letter = 'A';
5. bool
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意味:論理型を表し、
true(真)またはfalse(偽)の値を取る変数を宣言するために使用されます。 -
例:
cppbool isActive = true;
6. void
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意味:戻り値がない関数の返却型として使用されます。また、ポインタの型を示す場合にも使用されます。
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例:
cppvoid displayMessage() { cout << "Hello, World!" << endl; }
7. if / else
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意味:条件分岐を実行するためのキーワードです。
if文は条件式がtrueの時に実行され、else文はifの条件式がfalseの時に実行されます。 -
例:
cppif (x > 0) { cout << "Positive" << endl; } else { cout << "Non-positive" << endl; }
8. for
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意味:繰り返し処理を行うためのキーワードです。
forループは、繰り返し回数があらかじめわかっている場合に便利です。 -
例:
cppfor (int i = 0; i < 10; i++) { cout << i << endl; }
9. while
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意味:
whileループは、条件式がtrueである限り繰り返し処理を行います。繰り返し回数が決まっていない場合に使用します。 -
例:
cppint i = 0; while (i < 10) { cout << i << endl; i++; }
10. break
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意味:ループや
switch文から即座に抜け出すために使用します。条件を満たすと、繰り返し処理を中断することができます。 -
例:
cppfor (int i = 0; i < 10; i++) { if (i == 5) { break; // iが5になったらループを終了 } }
11. continue
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意味:現在のループの反復処理を終了し、次の反復に進むために使用されます。
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例:
cppfor (int i = 0; i < 10; i++) { if (i % 2 == 0) { continue; // 偶数の時はその反復をスキップ } cout << i << endl; }
12. switch
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意味:複数の条件分岐を行うためのキーワードです。
switch文は、if-else文に比べて複数の条件を扱う場合に便利です。 -
例:
cppint x = 2; switch (x) { case 1: cout << "One" << endl; break; case 2: cout << "Two" << endl; break; default: cout << "Default" << endl; }
13. class
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意味:クラスを定義するためのキーワードです。C++のオブジェクト指向プログラミングの中心となる構造です。
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例:
cppclass Car { public: string brand; int year; void displayInfo() { cout << brand << " " << year << endl; } };
14. public / private / protected
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意味:クラスのメンバー(変数や関数)のアクセス制御を行います。
publicは外部からアクセス可能、privateは外部からアクセス不可、protectedは派生クラスからアクセス可能です。 -
例:
cppclass Example { private: int secret; public: void setSecret(int s) { secret = s; } int getSecret() { return secret; } };
15. new / delete
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意味:動的メモリ管理を行うためのキーワードです。
newはメモリを動的に割り当て、deleteはそのメモリを解放します。 -
例:
cppint* ptr = new int(10); delete ptr;
16. try / catch / throw
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意味:例外処理に関連するキーワードです。
tryブロック内でエラーが発生した場合、catchブロックでそのエラーを処理します。throwは例外を投げるために使用されます。 -
例:
cpptry { throw 404; } catch (int e) { cout << "Error: " << e << endl; }
17. namespace
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意味:名前空間を定義するためのキーワードです。同じ名前の識別子を衝突させないように名前を区別するために使用します。
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例:
cppnamespace MyNamespace { int x = 10; }
18. virtual
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意味:仮想関数を定義するためのキーワードです。仮想関数は、派生クラスでオーバーライドされることができます。
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例:
cppclass Base { public: virtual void display() { cout << "Base Class" << endl; } };
19. friend
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意味:クラスの外部にある関数やクラスに対して、クラスのプライベートメンバーへのアクセスを許可するためのキーワードです。
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例:
cppclass MyClass { private: int secret = 42; public: friend void showSecret(MyClass&); }; void showSecret(MyClass& obj) { cout << obj.secret << endl; }
C++は、これらのキーワードを駆使することで、複雑なプログラムを効率的に作成することができます。各キーワードは、プログラムの設計や動作において重要な役割を果たし、開発者が柔軟で効率的なコードを書くための強力なツールを提供します。
