ネットワーク

CCNA 200-125 と 200-301 の違い

CCNA 200-125 は、シスコシステムズが提供するネットワーク関連の認定資格の一つであり、ネットワーク技術における基礎的な知識とスキルを認証するための重要な試験です。しかし、シスコはその認定資格体系を定期的に更新しており、CCNA 200-125 から新しい CCNA 200-301 への移行が行われました。この移行により、いくつかの重要な変更が加えられ、削除された内容もあります。この記事では、CCNA 200-125 から新しい CCNA 200-301 における変更点、削除された内容、および新たに追加された内容について、詳細に説明します。

1. CCNA 200-125 の概要

CCNA 200-125 は、ネットワークの設計、設定、管理、トラブルシューティングなどの基本的なスキルを習得するための資格です。この試験では、以下のようなテーマが扱われていました:

  • ネットワーキングの基礎

  • IP アドレッシングとサブネット化

  • ルーティングとスイッチング

  • WAN テクノロジー

  • ネットワークのセキュリティ

  • トラブルシューティング技法

  • IPv6 の理解

  • ネットワークの管理

これらの内容は、主に企業ネットワークの設計と運用に必要な基本的なスキルをカバーしていました。

2. CCNA 200-125 から CCNA 200-301 への変更

2020年2月、シスコは CCNA 200-125 の後継として、新しい試験「CCNA 200-301」を導入しました。この変更は、技術の進化と新しいネットワーク技術の登場に対応するために行われました。CCNA 200-301 は、より現代的なネットワーク技術に焦点を当て、より幅広いスキルセットを求める内容となっています。

3. 削除された内容

CCNA 200-125 から CCNA 200-301 に移行する際、いくつかの古い技術や内容が削除されました。主な削除内容は以下の通りです:

3.1 Routing Protocolsの詳細

CCNA 200-125 では、RIP、EIGRP、OSPF などのルーティングプロトコルが詳細に扱われましたが、新しい CCNA 200-301 では、これらのプロトコルに関する詳細な知識は必要なくなりました。代わりに、よりシンプルなルーティングの概念と、SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)の理解が求められます。

3.2 スイッチング技術

CCNA 200-125 では、スイッチングに関する詳細な知識(例えば、VLAN、VTP、STP など)が要求されましたが、CCNA 200-301 ではこれらのトピックが簡略化され、より基礎的なスイッチングの概念に焦点が当たっています。

3.3 WAN テクノロジー

CCNA 200-125 では、フレームリレーやATM などの古い WAN テクノロジーが取り上げられていましたが、CCNA 200-301 ではこれらの技術は削除され、代わりにクラウドコンピューティングやインターネットVPN、SD-WANなど、現代的なネットワーク技術に焦点が当てられています。

4. 新たに追加された内容

CCNA 200-301 では、現代的なネットワーク技術やトレンドに対応するために、新たに以下の内容が追加されました:

4.1 クラウド技術

クラウドコンピューティングは、現在のネットワークインフラストラクチャにおいて非常に重要な役割を果たしています。CCNA 200-301 では、クラウドサービスの理解が求められるようになり、AWS や Azure などのクラウドベースのサービスがネットワークの一部として扱われるようになりました。

4.2 ネットワークセキュリティ

ネットワークセキュリティの重要性が増している現在、CCNA 200-301 では、基本的なセキュリティ対策やツールの使用方法が新たに追加されました。具体的には、ファイアウォール、VPN、アクセス制御リスト(ACL)の使用方法などが重要なトピックとなっています。

4.3 自動化とネットワークプログラミング

ネットワークの自動化やプログラミングに関する内容も新たに追加されました。これには、Python を使用したネットワークの自動化や、API を使ったネットワーク管理が含まれます。特に、ネットワーク機器を自動化するスクリプトや、SDN(Software-Defined Networking)の概念についても学びます。

4.4 IPv6 の重要性

IPv6 の導入が進む中で、CCNA 200-301 では IPv6 に関する知識が強化されました。IP アドレッシングの基本や、IPv6 の構成、トラブルシューティングの方法について深く学ぶことが求められます。

4.5 SD-WAN と新しい WAN テクノロジー

旧試験ではあまり重視されていなかった SD-WAN(Software-Defined Wide Area Network)が、新しい CCNA 200-301 では重要なトピックとなりました。SD-WAN は、クラウド時代のネットワークにおいて非常に重要な技術であり、その概念と設定方法が試験の中で取り上げられています。

5. CCNA 200-125 と 200-301 の比較表

項目 CCNA 200-125 CCNA 200-301
ルーティングプロトコル RIP, EIGRP, OSPF 基本的なルーティング概念、SD-WAN
スイッチング技術 VLAN, VTP, STP 基本的なスイッチング、VLAN
WAN テクノロジー フレームリレー, ATM SD-WAN, VPN
セキュリティ 基本的なセキュリティ VPN, ファイアウォール, ACL
自動化 なし Python を使ったネットワーク自動化
IPv6 IPv6 基本知識 IPv6 の深い理解とトラブルシューティング
クラウド技術 なし クラウドサービス(AWS, Azure)

6. 結論

CCNA 200-301 は、旧試験である CCNA 200-125 の内容を進化させ、現代的なネットワーク技術に対応した内容が盛り込まれています。特にクラウド、ネットワークセキュリティ、SD-WAN、自動化といった最新技術が追加されたことにより、より実践的なネットワークエンジニアとしてのスキルを証明することができます。これからネットワーク分野でキャリアを築こうとしている方にとって、CCNA 200-301 は非常に有用な資格となるでしょう。

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