CentOS 7にPython 3をインストールし、その開発環境を設定する方法について、以下のステップに沿って詳しく解説します。
1. CentOS 7のパッケージを最新に更新する
Python 3をインストールする前に、システムのパッケージを最新の状態に保つことが重要です。以下のコマンドを実行して、CentOS 7のパッケージを更新します。

bashsudo yum update -y
2. 必要なパッケージのインストール
Python 3をインストールするためには、まずいくつかの依存パッケージをインストールする必要があります。これには、開発ツールやライブラリが含まれます。次のコマンドでこれらをインストールします。
bashsudo yum groupinstall "Development Tools" -y
sudo yum install gcc openssl-devel bzip2-devel libffi-devel zlib-devel -y
3. ソースコードからPython 3をインストール
CentOS 7の標準のパッケージリポジトリには最新のPython 3が含まれていないため、ソースコードからインストールします。まず、Pythonの最新バージョンをダウンロードします。以下の手順に従ってください。
3.1 Pythonのソースコードをダウンロード
Pythonの公式ウェブサイトから、最新の安定版Python 3.xのソースコードをダウンロードします。ここでは、Python 3.9.7を例にしますが、必要に応じてバージョンを変更してください。
bashcd /usr/src
sudo wget https://www.python.org/ftp/python/3.9.7/Python-3.9.7.tgz
3.2 ソースコードを解凍する
次に、ダウンロードしたアーカイブを解凍します。
bashsudo tar xzf Python-3.9.7.tgz
3.3 Pythonをコンパイルしてインストール
解凍したディレクトリに移動し、Pythonをコンパイルしてインストールします。以下のコマンドでインストールを開始します。
bashcd Python-3.9.7
sudo ./configure --enable-optimizations
sudo make altinstall
make altinstall
を使用する理由は、make install
を使用すると、python
コマンドがシステムのデフォルトのPythonバージョンに上書きされる可能性があるためです。これにより、システムの依存関係が壊れるのを防ぎます。
4. Python 3の確認
インストールが完了したら、次のコマンドでPython 3が正常にインストールされたことを確認します。
bashpython3.9 --version
これにより、インストールしたPython 3のバージョンが表示されます。
5. Python 3用のパッケージ管理ツール「pip」のインストール
Python 3にはpip
というパッケージ管理ツールが含まれていますが、場合によっては手動でインストールする必要があります。次のコマンドでpip
をインストールします。
bashsudo /usr/local/bin/python3.9 -m ensurepip --upgrade
インストール後、pip
のバージョンを確認して、正常にインストールされていることを確認します。
bashpython3.9 -m pip --version
6. 仮想環境の設定
Pythonでの開発作業を効率的に行うために、仮想環境を使用することが推奨されます。仮想環境を使用することで、プロジェクトごとに独立したパッケージを管理でき、システムのPython環境を汚すことなく開発を行えます。
6.1 仮想環境用パッケージのインストール
まず、仮想環境を作成するために必要なvirtualenv
パッケージをインストールします。
bashpython3.9 -m pip install --user virtualenv
6.2 仮想環境を作成
次に、仮想環境を作成します。仮想環境は任意の場所に作成できますが、ここではmyproject
という名前の仮想環境を作成します。
bashmkdir ~/myproject
cd ~/myproject
python3.9 -m venv venv
6.3 仮想環境をアクティブにする
仮想環境を有効にするには、次のコマンドを実行します。
bashsource venv/bin/activate
仮想環境が有効になっている間は、システムのPythonとは異なるパッケージが使用されます。仮想環境を終了するには、次のコマンドを実行します。
bashdeactivate
7. 開発ツールのインストール(任意)
Pythonでの開発をスムーズに行うために、いくつかの開発ツールをインストールすることができます。例えば、Flask
やDjango
などのWeb開発フレームワークをインストールすることができます。
bashpip install flask pip install django
8. トラブルシューティング
-
yum
コマンドが見つからない場合:
CentOS 7がインストールされていない場合、yum
が使えないことがあります。この場合は、CentOS 7をインストールするか、必要なパッケージを手動でインストールしてください。 -
make
コマンドでエラーが発生する場合:
コンパイル時にエラーが発生した場合、必要な依存関係(特に開発ツールやライブラリ)が不足している可能性があります。その場合、依存関係を再度インストールし、コンパイルを再試行してください。
まとめ
CentOS 7にPython 3をインストールする手順を説明しました。Python 3は、ソースコードからインストールし、仮想環境を使用して効率的な開発環境を構築することが推奨されます。これにより、異なるプロジェクト間でのパッケージの競合を避けることができます。