CMD(コマンドプロンプト)は、Windowsのオペレーティングシステムにおいて、ユーザーがシステム操作を直接実行できる強力なツールです。これにより、さまざまなシステム設定やファイル操作、ネットワーク管理がコマンドラインインターフェース(CLI)を通じて実行できます。本記事では、CMDで使用される最も重要なコマンドを詳しく解説します。
1. dir コマンド
dir
コマンドは、指定されたディレクトリの内容(ファイルとフォルダ)を一覧表示するために使用します。このコマンドを使用することで、ユーザーは現在のディレクトリ内のファイルとフォルダを素早く確認できます。

例:
cmddir
これにより、現在のディレクトリ内に存在するすべてのファイルとフォルダが表示されます。
オプション:
-
/p
: ページごとに表示 -
/s
: サブディレクトリ内のファイルも表示 -
/b
: 単純なリスト形式で表示
2. cd コマンド
cd
(Change Directory)コマンドは、現在の作業ディレクトリを変更するために使用されます。これにより、ユーザーはファイルやフォルダの場所を移動できます。
例:
cmdcd C:\Users\Username\Documents
上記のコマンドは、「Documents」フォルダに移動するためのものです。
オプション:
-
cd..
: 1階層上のディレクトリに移動 -
cd\
: ルートディレクトリに移動
3. copy コマンド
copy
コマンドは、ファイルをコピーするために使用します。指定したソースからターゲット場所にファイルをコピーすることができます。
例:
cmdcopy file1.txt D:\Backup\
このコマンドは、file1.txt
を D:\Backup\
フォルダにコピーします。
オプション:
-
/v
: コピーしたファイルの内容を確認 -
/y
: コピーの際に確認メッセージを表示しない
4. del コマンド
del
コマンドは、ファイルを削除するために使用します。慎重に使用しないと、重要なデータを誤って削除してしまう可能性があるため注意が必要です。
例:
cmddel file1.txt
これにより、file1.txt
が削除されます。
オプション:
-
/f
: 読み取り専用ファイルも削除 -
/s
: サブディレクトリ内のファイルも削除
5. mkdir コマンド
mkdir
(Make Directory)コマンドは、新しいディレクトリを作成するために使用されます。このコマンドを使うことで、指定した場所に新しいフォルダを作成することができます。
例:
cmdmkdir new_folder
これにより、「new_folder」という名前の新しいフォルダが作成されます。
オプション:
-
/p
: 上位のディレクトリが存在しない場合にそのディレクトリも作成
6. rmdir コマンド
rmdir
コマンドは、空のディレクトリを削除するために使用します。ディレクトリ内にファイルが存在する場合、このコマンドでは削除できません。
例:
cmdrmdir old_folder
これにより、「old_folder」という名前の空のフォルダが削除されます。
オプション:
-
/s
: サブディレクトリも含めて削除 -
/q
: 削除確認のプロンプトを表示せずに削除
7. ping コマンド
ping
コマンドは、ネットワーク接続が正常であるかどうかを確認するために使用されます。指定したIPアドレスまたはドメイン名にパケットを送信し、応答があるかどうかをチェックします。
例:
cmdping google.com
これにより、Googleのサーバーへの接続がテストされ、応答時間が表示されます。
オプション:
-
/t
: 無限にpingを繰り返す -
/n
: 指定した回数だけpingを実行
8. ipconfig コマンド
ipconfig
コマンドは、コンピュータのIPアドレスやネットワークインターフェースの設定情報を表示するために使用されます。
例:
cmdipconfig
これにより、コンピュータに関連するネットワーク設定(IPアドレス、サブネットマスク、デフォルトゲートウェイなど)が表示されます。
オプション:
-
/all
: 詳細なネットワーク設定を表示 -
/release
: DHCPからのIPアドレスを解放 -
/renew
: 新しいIPアドレスを取得
9. tasklist コマンド
tasklist
コマンドは、現在実行中のプロセスをリスト表示するために使用されます。これにより、システムで実行されているプログラムを確認できます。
例:
cmdtasklist
これにより、現在実行中のプロセスの一覧が表示されます。
10. taskkill コマンド
taskkill
コマンドは、実行中のプロセスを終了させるために使用されます。プロセスID(PID)またはプロセス名を指定して、システムから特定のプロセスを停止できます。
例:
cmdtaskkill /im notepad.exe
これにより、「notepad.exe」プロセスが終了します。
オプション:
-
/f
: 強制的にプロセスを終了 -
/pid
: プロセスIDを指定して終了
11. systeminfo コマンド
systeminfo
コマンドは、コンピュータのシステム情報を表示するために使用されます。これにより、OSのバージョンやメモリ、ビルド番号など、さまざまな情報を確認できます。
例:
cmdsysteminfo
これにより、システムに関する詳細情報が表示されます。
12. chkdsk コマンド
chkdsk
コマンドは、ディスクのエラーチェックを行い、問題があれば修復します。ディスクの健全性を保つために定期的に実行すると良いでしょう。
例:
cmdchkdsk C: /f
これにより、C:
ドライブのエラーを検出し、自動的に修復します。
オプション:
-
/f
: エラーを修復 -
/r
: 不良セクタを検出し、回復
13. exit コマンド
exit
コマンドは、CMDを終了するために使用します。作業が完了した後、コマンドプロンプトを終了したい場合に利用します。
例:
cmdexit
これにより、CMDウィンドウが閉じます。
結論
CMDは、Windows環境でシステム管理やファイル操作、ネットワーク設定などを行うために非常に強力なツールです。上記のコマンドを覚えておくことで、日常的な作業を効率的に行うことができ、さらにシステムに関する詳細な操作やトラブルシューティングにも役立ちます。コマンドラインでの操作に慣れることは、PCの管理やメンテナンスをより効率的に行うための重要なスキルとなります。