Concourse CIは、継続的インテグレーションおよび継続的デリバリーをサポートするオープンソースのツールです。これを使用すると、ソフトウェアの開発・デプロイメントプロセスを自動化し、チームがより効率的に作業できるようになります。Concourse CIのインストールと設定を行うために、Ubuntuシステム上での手順を以下に示します。
必要な前提条件
Concourse CIをUbuntuにインストールするためには、以下の条件を満たす必要があります:
- Ubuntu 18.04以上のバージョン
- Docker(Concourseはコンテナベースのサービスを利用するため)
- コンソール操作に慣れていること
1. Dockerのインストール
Concourse CIはDockerコンテナ上で動作しますので、まずDockerをインストールする必要があります。
Dockerのインストール手順
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パッケージリストを更新します。
bashsudo apt-get update
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必要な依存関係をインストールします。
bashsudo apt-get install apt-transport-https ca-certificates curl software-properties-common
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Docker公式のGPGキーを追加します。
bashcurl -fsSL https://download.docker.com/linux/ubuntu/gpg | sudo apt-key add -
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Dockerの安定版リポジトリを追加します。
bashsudo add-apt-repository "deb [arch=amd64] https://download.docker.com/linux/ubuntu $(lsb_release -cs) stable"
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パッケージリストを再度更新します。
bashsudo apt-get update
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Dockerをインストールします。
bashsudo apt-get install docker-ce
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Dockerのインストールを確認します。
bashsudo systemctl status docker
2. Concourse CIのインストール
Concourse CIをインストールするためには、公式のDockerイメージを使用します。以下の手順でインストールします。
ConcourseのDockerイメージを使用
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Concourse CIのDockerコンテナを実行するために、次のコマンドを実行します。
bashsudo docker pull concourse/concourse
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次に、ConcourseのWebインターフェースとWorkerコンテナを設定するために必要なコマンドを実行します。
Concourse CIは「Web」サービスと「Worker」サービスという2つの主要なコンポーネントで構成されています。これらを個別に起動する必要があります。
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Webサービスの起動:
bashsudo docker run -d \ --name concourse-web \ -p 8080:8080 \ -p 2222:2222 \ -v /concourse/db:/concourse/db \ concourse/concourse
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Workerサービスの起動:
bashsudo docker run -d \ --name concourse-worker \ --link concourse-web \ concourse/concourse worker
これで、WebインターフェースとWorkerがそれぞれ起動します。
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3. Concourseの初期設定
Webインターフェースにアクセスして、Concourse CIの初期設定を行います。ブラウザで以下のURLにアクセスしてください。
cpphttp://:8080
初めてアクセスすると、ログイン画面が表示されます。デフォルトでは、admin
というユーザー名と空のパスワードが設定されていますので、そのままログインできます。
ログイン後、パイプラインの設定を開始できます。Concourseでは、パイプラインをYAML形式で定義し、タスクを自動化します。
4. パイプラインの作成
Concourse CIのパイプラインは、ソフトウェアのビルド、テスト、デプロイメントを管理するための重要な単位です。パイプラインの作成には、以下の手順を実行します。
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fly
CLIツールをインストールします。bashsudo apt-get install fly
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fly
を使ってConcourseにログインします。まず、次のコマンドでWebインターフェースに接続します。bashfly -t tutorial login -c http://localhost:8080
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ログイン後、パイプラインを設定します。例えば、次のコマンドでパイプラインを定義します。
bashfly -t tutorial set-pipeline -p my-pipeline -c pipeline.yml
ここで、
pipeline.yml
は自分で作成したYAMLファイルです。
5. Concourse CIの利用
パイプラインが設定された後は、ビルド、テスト、デプロイなどのタスクを自動化できます。Concourse CIは、高度にカスタマイズ可能で、さまざまなツールやサービスと統合できます。パイプラインの設定を通じて、リポジトリの変更が検出されると自動的にビルドとテストが行われ、変更が本番環境にデプロイされます。
まとめ
Concourse CIのインストールは、Ubuntuシステムで簡単に実行できます。Dockerを使用してコンテナとして動作するため、システムリソースを効率的に活用し、柔軟にスケーラブルなCI/CD環境を提供します。基本的なインストール手順を踏むことで、強力で自動化されたパイプラインの構築が可能です。