開発運用

Cronによるタスク自動化

最終更新： 2月 21, 2025
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Cron（クロン）は、Unix系のオペレーティングシステムにおいて、定期的なタスクやスクリプトを自動的に実行するための強力で便利なツールです。これを使うことによって、特定の時間や日付に指定したコマンドを自動的に実行させることができます。たとえば、バックアップの作成やログの削除、システムメンテナンスのスクリプトを毎日、毎週、または特定の時間帯に実行することができます。この記事では、Cronの基本的な概念、設定方法、使用例、注意点などを詳しく解説します。

1. Cronとは何か？

Cronは、Unix系オペレーティングシステム（Linux、Mac OS X、BSDなど）で使用されるスケジューリングツールです。Cronは、特定の時間にコマンドやスクリプトを自動的に実行するために使われます。Cronによって、手動での介入なく、決められたタスクを定期的に実行することができます。

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Cronは、通常はシステム管理者によって利用され、バックアップやログのローテーション、システムの監視など、自動化された作業を行うために使用されます。Cronは「cron daemon」（クロンダイモン）というサービスによって管理されており、指定されたスケジュールに従ってタスクを実行します。

2. Cronジョブとcrontabファイル

Cronでタスクをスケジュールするためには、Cronジョブを定義する必要があります。これを行うのが「crontab」（クロントラブ）という設定ファイルです。crontabファイルは、ユーザーごとに設定され、そのユーザーに関連するCronジョブが記述されています。

crontabの編集

Cronジョブを追加・編集するには、コマンドラインで次のように入力します。

bash
crontab -e

これを実行すると、指定したエディタ（例えば、viやnano）が開き、crontabファイルの編集が可能になります。このファイルに、実行したいコマンドやスクリプトを、スケジュールと共に記述します。

crontabファイルの構造

crontabファイルは、次のような形式で記述されます。

分 時 日 月 曜日 コマンド

各項目の意味は以下の通りです。

  • 分（0-59）：コマンドを実行する分
  • 時（0-23）：コマンドを実行する時間
  • 日（1-31）：コマンドを実行する日
  • 月（1-12）：コマンドを実行する月
  • 曜日（0-7）：コマンドを実行する曜日（0または7は日曜日）
  • コマンド：実行するコマンドやスクリプト

例えば、毎日午前3時にバックアップを取る場合、次のように記述します。

pgsql
0 3 * * * /path/to/backup.sh

この例では、毎日午前3時（3:00）に/path/to/backup.shというスクリプトが実行されます。

3. Cronの時間設定の詳細

Cronでの時間設定は、非常に柔軟で、詳細なスケジュールを組むことができます。以下に、各項目の記述方法について説明します。

・アスタリスク（*）

アスタリスク（*）は「すべての値」という意味です。たとえば、「* * * * *」と記述すれば、毎分、毎時間、毎日、毎月、毎曜日という意味になります。

・カンマ（,）

カンマ（,）は複数の値を指定するために使います。たとえば、「1,15 * * * *」と書けば、1分と15分に実行されることになります。

・ダッシュ（-）

ダッシュ（-）は範囲を指定するために使います。たとえば、「1-5 * * * *」と書けば、1分から5分まで、毎分実行されることになります。

・スラッシュ（/）

スラッシュ（/）は間隔を指定するために使います。たとえば、「*/5 * * * *」と書けば、5分ごとに実行されることになります。

4. Cronジョブの実行例

以下にいくつかのCronジョブの例を示します。

  • 毎日午前2時にバックアップを取る 
    pgsql
    0 2 * * * /path/to/backup.sh
  • 毎週月曜日の午前5時にログを削除する 
    pgsql
    0 5 * * 1 /path/to/log_cleanup.sh
  • 毎月1日にシステムのレポートを作成する 
    pgsql
    0 0 1 * * /path/to/report.sh
  • 1時間ごとにディスク使用量を記録する 
    bash
    0 * * * * df -h > /path/to/disk_usage.txt

5. Cronジョブの確認と管理

Cronジョブは、crontab -lコマンドを使って現在のユーザーのCronジョブを確認できます。また、特定のユーザーのCronジョブを確認するには、crontab -u ユーザー名 -lと指定します。

Cronジョブを削除したい場合は、crontab -rコマンドを使います。このコマンドで、すべてのCronジョブが削除されますので、注意が必要です。

6. Cronのエラーログと通知

Cronで実行したジョブにエラーが発生した場合、その情報は通常、システムのメールに通知されます。エラーメッセージが送信される先のメールアドレスは、MAILTO環境変数で指定できます。

例えば、次のように設定すれば、エラーが発生した場合に指定したメールアドレスに通知されます。

perl
MAILTO="[email protected]"
0 3 * * * /path/to/backup.sh

Cronジョブのエラーログは、/var/log/syslogや/var/log/cronなどのログファイルに記録されることがあります。

7. Cronの注意点とベストプラクティス

  • 環境変数の設定
    Cronジョブはシステムの環境変数を引き継がないため、ジョブ内で必要な環境変数を明示的に設定する必要があります。たとえば、PATH環境変数を指定して、コマンドの実行に必要なパスを追加することが一般的です。

    bash
    PATH=/usr/local/bin:/usr/bin:/bin
0 3 * * * /path/to/backup.sh

  • ジョブの実行ログを記録する
    ジョブの結果やエラーをログとして記録しておくと、後でトラブルシューティングがしやすくなります。>>でログファイルに追記することができます。

    pgsql
    0 3 * * * /path/to/backup.sh >> /path/to/logfile.log 2>&1

  • ジョブが実行される時間帯に注意
    Cronはシステム時間に基づいて実行されるため、サーバーが異なるタイムゾーンに配置されている場合、そのタイムゾーンも考慮に入れてスケジュールを設定する必要があります。

結論

Cronは、定期的なタスクの自動化に非常に便利なツールです。システム管理者にとって、バックアップやログの管理、システムメンテナンスなどの作業を自動化す

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