ウェブページの設計は、インターネットの利用が一般的になった現代において、非常に重要な技術です。特にCSS(Cascading Style Sheets、カスケーディングスタイルシート)は、ウェブページのデザインやレイアウトを決定するために使用されます。本記事では、CSS2を使用した伝統的なウェブページ設計の方法について、包括的に解説します。CSS2は、ウェブデザインの基本的なルールを提供し、HTMLの構造を視覚的に強化するための強力なツールです。
1. CSS2の基本概念
CSSはウェブページのスタイルを制御するための言語です。CSS2は、その基本的なバージョンであり、現在でも多くのウェブサイトで使用されています。CSS2の目的は、HTMLで定義されたコンテンツの見た目(レイアウト、色、フォントなど)を管理することです。CSSを使用することで、HTMLとスタイルを分離することができ、コードの可読性や再利用性が向上します。

CSS2では、スタイルシートを使用して、以下の要素を制御することができます:
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フォントの種類、サイズ、色
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要素の配置(位置指定)
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ボーダー、背景色、パディングなどの視覚的なスタイル
これらのスタイルは、HTML文書内の特定の要素に適用されます。CSSの記述は、主にセレクタとプロパティ・値のペアで構成されています。
2. CSS2の構文
CSS2では、スタイルシートは通常、以下のような構文で記述されます。
cssセレクタ { プロパティ: 値; }
セレクタ
セレクタは、スタイルを適用したいHTML要素を指し示します。例えば、p
タグにスタイルを適用したい場合、p
をセレクタとして使用します。
プロパティと値
プロパティは、変更したいスタイルの属性を指定します。例えば、フォントのサイズや色などです。値は、そのプロパティに設定する具体的な値を指します。
例
cssp {
color: red;
font-size: 16px;
}
上記の例では、すべてのp
タグに対して、文字色を赤にし、フォントサイズを16pxに設定するスタイルが適用されます。
3. レイアウトと配置
CSS2では、ウェブページのレイアウトや配置を調整するための基本的な技術が提供されています。これには、ボックスモデル、フロート、ポジショニングなどの技術が含まれます。
ボックスモデル
ボックスモデルは、ウェブページの要素が矩形のボックスとして扱われるという概念です。各要素は、以下の部分に分かれています:
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コンテンツ領域
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パディング(コンテンツとボーダーの間)
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ボーダー(要素の枠)
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マージン(ボーダーと他の要素との間)
これらを使って、要素の大きさやスペースを調整できます。
フロート
フロート(float
)は、要素を左または右に寄せて、他のコンテンツと並べるために使用します。例えば、画像をテキストの横に並べたい場合に便利です。
cssimg {
float: left;
margin-right: 10px;
}
上記の例では、画像が左に浮かび、右側に10pxの間隔が設けられます。
ポジショニング
ポジショニング(position
)を使用すると、要素を特定の位置に配置することができます。static
、relative
、absolute
、fixed
など、さまざまな位置指定方法があります。
cssdiv {
position: absolute;
top: 50px;
left: 100px;
}
この例では、div
要素が親要素から50px上、100px左の位置に絶対配置されます。
4. カラースタイルと背景
CSS2では、ページや要素に色や背景画像を追加することができます。これにより、視覚的に魅力的なデザインを作成することができます。
色の指定
色は、色名、RGB値、HEXコードで指定できます。例えば:
cssbody {
background-color: #f0f0f0;
color: blue;
}
上記の例では、背景色が薄い灰色(#f0f0f0)になり、テキスト色が青になります。
背景画像
背景画像は、background-image
プロパティを使って設定できます。画像の繰り返しや位置も調整できます。
cssbody {
background-image: url('background.jpg');
background-repeat: no-repeat;
background-position: center;
}
この例では、ページの背景に指定した画像が中央に配置され、繰り返し表示されません。
5. フォントとテキストスタイル
CSS2では、フォントやテキストのスタイルも管理できます。これには、フォントファミリー、フォントサイズ、文字間隔、行間などが含まれます。
フォントの指定
font-family
でフォントを指定し、font-size
で文字の大きさを設定します。
cssp {
font-family: Arial, sans-serif;
font-size: 14px;
}
この例では、p
タグ内のテキストにArialフォントが適用され、文字の大きさが14pxに設定されます。
テキストの装飾
テキストに装飾を加えるために、text-decoration
やfont-weight
を使用できます。
cssa {
text-decoration: none;
font-weight: bold;
}
この例では、リンクのテキストに下線がなく、太字が適用されます。
6. ユーザーインターフェースのデザイン
CSS2では、フォーム要素やボタンなど、ユーザーインターフェースをカスタマイズすることも可能です。input
やbutton
のスタイルを変更することで、ウェブページのインタラクティブな部分を魅力的にすることができます。
ボタンのスタイル
cssbutton {
background-color: #4CAF50;
color: white;
padding: 10px 20px;
border: none;
border-radius: 5px;
}
この例では、ボタンに緑色の背景、白い文字、10pxの上下パディング、20pxの左右パディングが適用され、角が丸くなります。
7. メディアクエリ(CSS2未対応)
CSS2では、メディアクエリによるレスポンシブデザインには対応していませんが、CSS3で対応されています。メディアクエリを使用すると、異なる画面サイズに応じてスタイルを変更することができます。例えば、スマートフォン向けにレイアウトを変更することができます。
結論
CSS2は、ウェブデザインの基盤を築いた重要な技術であり、現代のウェブデザインの多くに利用されています。基本的なスタイルの適用から、複雑なレイアウトまで、CSS2はウェブデザインに欠かせないツールです。現在ではCSS3やその他の新しい技術が普及していますが、CSS2の基本的な知識を理解しておくことは、ウェブデザインを学ぶ上で重要です。