Node.js は、サーバーサイドのアプリケーションを開発するためのオープンソースのJavaScript実行環境です。Debian 8(Jessie)に Node.js をインストールして、アプリケーションを実行するための環境を整える手順を、初心者向けにわかりやすく説明します。
1. Debian 8の準備
まず、Debian 8(Jessie)に最新のパッケージ情報を更新しましょう。ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行します。
bashsudo apt-get update sudo apt-get upgrade
これでシステムのパッケージが最新の状態に更新されます。
2. Node.js のインストール
Node.js をインストールするには、いくつかの方法がありますが、最も一般的で信頼性の高い方法は公式の Node.js リポジトリを使用することです。
2.1 NodeSource リポジトリの追加
まず、NodeSource の公式リポジトリを追加します。これにより、Node.js の最新の安定版をインストールできます。
- リポジトリを追加するために必要なパッケージをインストールします。
bashsudo apt-get install -y curl gnupg
- NodeSource のリポジトリを追加します。ここでは、Node.js 14.x のバージョンをインストールしますが、必要に応じてバージョン番号を変更できます。
bashcurl -sL https://deb.nodesource.com/setup_14.x | sudo -E bash -
- リポジトリが正しく追加されたら、Node.js をインストールします。
bashsudo apt-get install -y nodejs
これで、Node.js と npm(Node Package Manager)がインストールされます。
2.2 バージョンの確認
インストールが完了したら、Node.js と npm のバージョンを確認して、正常にインストールされていることを確認します。
bashnode -v npm -v
これで、Node.js と npm のバージョンが表示されれば、インストールは成功です。
3. 必要なツールのインストール
Node.js でアプリケーションを開発するためには、いくつかのツールやライブラリをインストールすることがあります。以下のコマンドで一般的な開発ツールをインストールしましょう。
bashsudo apt-get install -y build-essential
これにより、Node.js アプリケーションをコンパイルする際に必要なツールが揃います。
4. アプリケーションの作成
Node.js をインストールしたら、実際にアプリケーションを作成してみましょう。以下は、基本的な “Hello, World!” アプリケーションを作成する手順です。
- 任意のディレクトリに移動します。
bashmkdir myapp
cd myapp
- 新しい Node.js アプリケーションのエントリーポイントである
app.js
ファイルを作成します。
bashnano app.js
- 以下のコードを
app.js
ファイルに書きます。
javascriptconst http = require('http');
const hostname = '127.0.0.1';
const port = 3000;
const server = http.createServer((req, res) => {
res.statusCode = 200;
res.setHeader('Content-Type', 'text/plain');
res.end('Hello, World!\n');
});
server.listen(port, hostname, () => {
console.log(`Server running at http://${hostname}:${port}/`);
});
このコードは、HTTP サーバーを作成し、ポート 3000 でリクエストを待機し、アクセスすると「Hello, World!」と表示します。
- アプリケーションを実行するために、以下のコマンドを実行します。
bashnode app.js
これで、ブラウザで http://127.0.0.1:3000/
にアクセスすると、「Hello, World!」と表示されるはずです。
5. npm を使用したパッケージの管理
Node.js では、npm(Node Package Manager)を使用して、ライブラリやパッケージを簡単に管理できます。例えば、外部ライブラリをインストールするには、以下のようにコマンドを実行します。
bashnpm install express
これで、Express フレームワークがインストールされ、アプリケーション内で使用できるようになります。
6. PM2 を使ったプロセスマネージメント
Node.js アプリケーションを本番環境で運用する場合、プロセスマネージャー(PM2)を使用すると便利です。PM2 を使うと、アプリケーションのクラッシュ時に自動的に再起動したり、バックグラウンドでアプリケーションを実行したりできます。
6.1 PM2 のインストール
bashsudo npm install pm2@latest -g
6.2 アプリケーションの起動
bashpm2 start app.js
これで、アプリケーションがバックグラウンドで実行されます。
6.3 アプリケーションの監視
bashpm2 monit
このコマンドで、PM2 が管理しているアプリケーションの状態を監視できます。
6.4 サーバー再起動後に自動起動設定
bashpm2 startup
このコマンドを実行すると、PM2 がサーバーの再起動後に自動で起動するように設定されます。
7. セキュリティ対策
Node.js アプリケーションをデプロイする際には、セキュリティ対策を講じることが重要です。特に、以下の点に注意しましょう。
-
ファイアウォールの設定
必要なポートのみを開放し、不要なサービスやポートを閉じることが重要です。 -
HTTPS の使用
本番環境では、HTTP ではなく HTTPS を使用することで、通信内容を暗号化できます。 -
依存パッケージの脆弱性確認
アプリケーションに使用するライブラリには脆弱性が含まれている可能性があります。npm audit
コマンドを使って脆弱性を確認しましょう。
bashnpm audit
まとめ
Debian 8 に Node.js をインストールして、簡単なアプリケーションを実行する方法について説明しました。これで、Node.js のアプリケーション開発環境が整いました。PM2 を使用して、アプリケーションの管理やプロセスマネジメントを行い、セキュリティ対策を行うことで、安定した運用が可能になります。
Node.js の環境をさらにカスタマイズしたり、モジュールを追加したりすることで、さまざまな Web アプリケーションを開発できます。