PostgreSQLをDjangoアプリケーションと組み合わせて、Debian 8上で動作させるための完全かつ包括的な手順について説明します。このガイドでは、PostgreSQLのインストールからDjango設定まで、すべての重要なステップをカバーします。
1. 必要なパッケージのインストール
まず、Debian 8システムにPostgreSQLとDjangoに必要な依存関係をインストールします。以下のコマンドを使って、必要なパッケージをインストールしてください。

bashsudo apt update sudo apt install postgresql postgresql-contrib python3-pip python3-dev libpq-dev
これにより、PostgreSQLデータベースシステムと、PythonからPostgreSQLに接続するために必要なライブラリ(libpq-dev
)がインストールされます。また、Djangoのインストールにも必要なpython3-pip
とpython3-dev
もインストールされます。
2. PostgreSQLデータベースのセットアップ
次に、PostgreSQLの設定を行い、Djangoが接続できるようにデータベースを作成します。
2.1 PostgreSQLのユーザーとデータベースを作成
まず、PostgreSQLのデータベースにアクセスするために、PostgreSQLのコマンドラインツールを使用します。
bashsudo -u postgres psql
次に、Django用のユーザーとデータベースを作成します。以下のコマンドを入力します。
sqlCREATE USER django_user WITH PASSWORD 'your_password';
CREATE DATABASE django_db OWNER django_user;
django_user
はデータベースへの接続に使用されるユーザーで、django_db
はDjangoアプリケーションで使用するデータベースです。your_password
は適切なパスワードに置き換えてください。
2.2 データベースのアクセス権を設定
次に、作成したユーザーにデータベースの適切な権限を付与します。
sqlGRANT ALL PRIVILEGES ON DATABASE django_db TO django_user;
これで、django_user
はdjango_db
データベースに対する完全なアクセス権を持つようになります。
2.3 PostgreSQLを終了
PostgreSQLのセッションを終了します。
sql\q
3. Djangoプロジェクトのセットアップ
次に、Djangoプロジェクトを作成して、PostgreSQLをデータベースとして使用できるように設定します。
3.1 Djangoのインストール
pip
を使ってDjangoをインストールします。
bashpip3 install django
また、PostgreSQLとの接続をサポートするためにpsycopg2
パッケージもインストールします。
bashpip3 install psycopg2
3.2 Djangoプロジェクトの作成
次に、Djangoプロジェクトを作成します。以下のコマンドを実行します。
bashdjango-admin startproject myproject
cd myproject
これで、myproject
という名前のDjangoプロジェクトが作成され、そのディレクトリに移動します。
3.3 データベース設定の変更
Djangoプロジェクトの設定ファイルを編集して、PostgreSQLをデータベースとして使用するように設定します。myproject/settings.py
を開き、DATABASES
の設定を以下のように変更します。
pythonDATABASES = {
'default': {
'ENGINE': 'django.db.backends.postgresql',
'NAME': 'django_db',
'USER': 'django_user',
'PASSWORD': 'your_password',
'HOST': 'localhost',
'PORT': '5432',
}
}
ここで、NAME
には先ほど作成したデータベース名、USER
にはPostgreSQLのユーザー名、PASSWORD
にはそのパスワードを設定します。
4. データベースのマイグレーション
データベースが設定できたら、Djangoのマイグレーションを実行して、必要なデータベーステーブルを作成します。
bashpython3 manage.py migrate
これにより、Djangoがデータベーススキーマを作成し、必要なテーブルがPostgreSQLデータベースに作成されます。
5. サーバーの起動と確認
最後に、Django開発サーバーを起動して、アプリケーションが正しく動作するか確認します。
bashpython3 manage.py runserver
ブラウザを開き、http://127.0.0.1:8000
にアクセスして、Djangoの初期画面が表示されれば、正常にセットアップされています。
6. デプロイと本番環境での設定
開発環境ではrunserver
コマンドを使って簡単にサーバーを起動できますが、本番環境では、gunicorn
やuWSGI
などのWSGIサーバーを使用するのが一般的です。また、NginxやApacheなどのリバースプロキシサーバーを設定することを検討してください。
bashpip3 install gunicorn
Gunicornを使ってDjangoアプリケーションを起動するには、次のコマンドを実行します。
bashgunicorn myproject.wsgi:application
これで、本番環境用のDjangoアプリケーションが実行されます。
7. まとめ
このガイドでは、Debian 8システム上にPostgreSQLとDjangoをセットアップし、DjangoアプリケーションがPostgreSQLデータベースと連携する方法を詳しく説明しました。これで、Debian 8サーバー上で堅牢なWebアプリケーションを構築する準備が整いました。