Djangoは、Pythonで作られたウェブフレームワークで、効率的にウェブアプリケーションを構築できるため、多くの開発者に愛用されています。本記事では、Ubuntu 16.04にDjangoをインストールし、適切な開発環境を整える方法について、完全かつ包括的に説明します。
必要な前提条件
Djangoをインストールする前に、以下の要件を確認してください。

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Ubuntu 16.04 がインストールされていること
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Python 3.xがインストールされていること
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pip(Pythonパッケージ管理ツール)がインストールされていること
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基本的なターミナル操作に慣れていること
これらが整っていない場合、まずはそれらのインストールを行ってください。
ステップ1:Ubuntuのパッケージを最新に更新する
まず、ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行して、Ubuntuのパッケージリストを最新の状態に更新します。
bashsudo apt update sudo apt upgrade
これにより、システムのパッケージが最新のものに更新されます。
ステップ2:Python3 と pip のインストール
Ubuntu 16.04には、デフォルトでPython 3.xがインストールされているはずですが、念のため以下のコマンドでPython 3がインストールされていることを確認します。
bashpython3 --version
もしPython 3がインストールされていなかった場合は、以下のコマンドでインストールできます。
bashsudo apt install python3
次に、pip
(Pythonのパッケージ管理ツール)をインストールします。pip
は、Djangoをインストールするために必要です。
bashsudo apt install python3-pip
インストール後、以下のコマンドでpip
のバージョンを確認できます。
bashpip3 --version
ステップ3:仮想環境の作成
Djangoをインストールする前に、Pythonの仮想環境を作成することを強くお勧めします。仮想環境を使用することで、プロジェクトごとに異なるパッケージバージョンを管理できるため、依存関係の問題を避けることができます。
まず、virtualenv
というツールをインストールします。
bashsudo apt install python3-venv
次に、プロジェクト用のディレクトリを作成し、その中で仮想環境を作成します。
bashmkdir myproject
cd myproject
python3 -m venv venv
これで、myproject
ディレクトリ内に仮想環境が作成されました。
仮想環境を有効にするためには、以下のコマンドを実行します。
bashsource venv/bin/activate
仮想環境が有効になると、プロンプトに(venv)
と表示されます。この状態でDjangoをインストールします。
ステップ4:Djangoのインストール
仮想環境が有効になった状態で、Djangoをインストールします。以下のコマンドを実行してください。
bashpip install django
インストールが完了したら、Djangoが正しくインストールされているか確認します。
bashdjango-admin --version
バージョン番号が表示されれば、Djangoのインストールは成功しています。
ステップ5:Django プロジェクトの作成
Djangoのインストールが完了したら、新しいDjangoプロジェクトを作成します。以下のコマンドを実行して、新しいプロジェクトを作成します。
bashdjango-admin startproject mysite
これで、mysite
という名前のディレクトリが作成され、その中にDjangoの基本的な設定ファイルが生成されます。
作成されたディレクトリに移動します。
bashcd mysite
ステップ6:開発サーバーの起動
Djangoのプロジェクトが作成されたので、次に開発サーバーを起動して、プロジェクトが正常に動作するか確認します。
以下のコマンドを実行します。
bashpython manage.py runserver
これで、Django開発サーバーが起動します。ターミナルに表示されるアドレス(通常は http://127.0.0.1:8000/
)にブラウザでアクセスして、Djangoの初期画面が表示されれば成功です。
ステップ7:データベースの設定
DjangoはデフォルトでSQLiteを使用しますが、他のデータベース(例えばMySQLやPostgreSQL)を使用する場合は、settings.py
を編集して設定を変更する必要があります。
まず、SQLiteデータベースの初期化を行います。
bashpython manage.py migrate
これにより、Djangoのデータベースが作成されます。
ステップ8:Django管理者ユーザーの作成
Djangoには管理画面が組み込まれており、これを利用することでデータベースの内容を管理することができます。管理者ユーザーを作成するために、以下のコマンドを実行します。
bashpython manage.py createsuperuser
プロンプトに従って、ユーザー名、メールアドレス、パスワードを入力します。
ステップ9:Django 管理画面へのアクセス
管理者ユーザーの作成が完了したら、再度開発サーバーを起動します。
bashpython manage.py runserver
ブラウザで http://127.0.0.1:8000/admin/
にアクセスし、先ほど作成した管理者ユーザーでログインします。
これで、Djangoの管理画面にアクセスできるようになり、データベースやモデルの管理ができます。
ステップ10:仮想環境の終了
開発が終わったら、仮想環境を終了することができます。
bashdeactivate
これで仮想環境が無効になり、元のシステムの状態に戻ります。
結論
DjangoをUbuntu 16.04にインストールし、基本的なプロジェクトを立ち上げる方法について説明しました。仮想環境を利用することで、プロジェクトごとに依存関係を管理でき、安定した開発環境を作成することができます。Djangoの強力な機能を活用して、効果的にウェブアプリケーションを開発できるようになります。