Excelにおける日付の扱いは、データ管理や分析の基本的な部分となります。日付や時間を適切に処理することで、効率的に仕事を進め、データの正確性を保つことができます。この記事では、Excelで使用される主な日付関数とその活用方法について、完全かつ包括的に解説します。
1. 日付の基本的な形式
まず、Excelにおける日付の基本的な形式について理解しておきましょう。Excelは内部で日付をシリアル番号として処理します。具体的には、1900年1月1日を「1」として扱い、以降1日ずつシリアル番号を増加させていきます。例えば、2025年3月18日はシリアル番号「44899」として表されます。

日付を入力する際、Excelは以下の形式を認識します。
- yyyy/mm/dd(例:2025/03/18)
- yyyy-mm-dd(例:2025-03-18)
- mm/dd/yyyy(例:03/18/2025)
これらの形式を使って日付を入力することができ、Excelは自動的にそれを日付として認識します。
2. 日付関数の基礎
Excelには日付に関連する多くの関数があります。以下は、基本的でよく使われる日付関数です。
2.1. TODAY関数
TODAY()
関数は、現在の日付を返します。たとえば、セルに=TODAY()
と入力すると、その時点の日付が表示されます。この関数は日付の計算に便利で、例えば毎日のレポート作成に使用することができます。
2.2. NOW関数
NOW()
関数は、現在の日付と時刻を返します。=NOW()
と入力すると、現在の日付と時刻が表示されます。これは、時刻も含めてリアルタイムの情報を取得したいときに使用します。
2.3. DATE関数
DATE()
関数は、指定した年、月、日をもとに日付を作成します。書式は=DATE(年, 月, 日)
です。例えば、=DATE(2025, 3, 18)
と入力すると、「2025年3月18日」という日付が返されます。これにより、文字列としての日付ではなく、Excel内部で処理できる日付として設定されます。
2.4. YEAR、MONTH、DAY関数
YEAR()
、MONTH()
、DAY()
関数は、それぞれ日付から年、月、日を抽出する関数です。
=YEAR(A1)
は、セルA1に入力された日付の年を返します。=MONTH(A1)
は、セルA1に入力された日付の月を返します。=DAY(A1)
は、セルA1に入力された日付の日を返します。
これらの関数は、日付データから特定の情報を抽出するのに役立ちます。
2.5. DATEDIF関数
DATEDIF()
関数は、2つの日付の差を計算します。書式は=DATEDIF(開始日, 終了日, 単位)
で、単位として「Y」(年)、「M」(月)、「D」(日)などを指定できます。たとえば、=DATEDIF("2025/01/01", "2025/03/18", "D")
と入力すると、2つの日付の差を日数で表示できます。
3. 日付の計算
日付同士の計算は、Excelで非常に便利に扱うことができます。日付の加算や減算を行う場合、日数を加える、または減らすことで、簡単に計算が可能です。
3.1. 日付に日数を加える
日付に特定の日数を加算したい場合、シンプルに日付と数値を足すことができます。たとえば、2025年3月18日に10日を加えたい場合、次のように入力します。
=DATE(2025, 3, 18) + 10
この場合、2025年3月28日が結果として表示されます。
3.2. 日付から日数を引く
同様に、日付から日数を引く場合も、日付から数値を引くだけで簡単に計算できます。例えば、2025年3月18日から10日を引く場合、次のように入力します。
=DATE(2025, 3, 18) - 10
この場合、2025年3月8日が結果として表示されます。
3.3. 2つの日付の差を求める
2つの日付の差を求めるには、単純に引き算を行うことができます。例えば、2025年3月18日と2025年1月1日の差を求める場合、次のように入力します。
=DATE(2025, 3, 18) - DATE(2025, 1, 1)
結果として、日数(例:77日)が返されます。
4. 日付の書式設定
Excelでは、日付の表示形式を簡単に変更することができます。これにより、ユーザーのニーズに合わせて日付の形式を変更することが可能です。
4.1. 日付書式の変更方法
- 日付が入力されたセルを選択します。
- 右クリックして「セルの書式設定」を選択します。
- 「日付」を選択し、希望する形式を選びます。
Excelには標準で多くの日付形式が用意されており、「yyyy/mm/dd」や「mm/dd/yyyy」など、地域ごとに最適な形式を選べます。また、カスタム形式を使ってさらに詳細な設定も可能です。
4.2. カスタム書式の設定
日付書式をカスタマイズすることもできます。例えば、「yyyy年mm月dd日」や「yyyy-mm-dd」の形式で表示することができます。カスタム書式の設定は、「セルの書式設定」→「ユーザー定義」で行います。
5. 結論
Excelにおける日付の取り扱いは非常に多機能で柔軟です。TODAY()
やNOW()
などの基本的な関数を活用すれば、リアルタイムの日付や時刻を取得できますし、DATE()
関数を使って任意の日付を作成することもできます。さらに、日付同士の計算や書式変更も簡単に行え、データの整理や分析に役立ちます。日付に関するこれらの基本的な機能を理解し、日々の業務やデータ分析に活用することで、より効率的に作業を進めることができるでしょう。