Excelにおける「合計(SUM)」機能は、データを迅速に集計するために非常に役立つツールです。この機能を使うことで、手動で数値を足す手間を省き、エラーを減らすことができます。この記事では、Excelで合計を計算するための基本的な方法から、応用的な使い方まで、詳細に説明します。
基本的な合計の計算
Excelで合計を求める最も基本的な方法は、「SUM」関数を使用することです。SUM関数は、選択したセル範囲内の数値を合計します。

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セル範囲を指定して合計を求める方法
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まず、合計を表示したいセルをクリックします。
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次に、「数式」タブから「合計」ボタンをクリックするか、セルに「=SUM(範囲)」と入力します。範囲には合計したいセルの範囲を指定します。
例えば、A1からA10までのセルの合計を求めたい場合、セルに「=SUM(A1:A10)」と入力します。 -
入力が完了したら、Enterキーを押すと、指定した範囲内の数値の合計が表示されます。
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複数の範囲を指定して合計を求める方法
SUM関数では、複数のセル範囲を同時に指定することもできます。例えば、A1からA10までの範囲と、B1からB10までの範囲の合計を求めたい場合、「=SUM(A1:A10, B1:B10)」と入力します。 -
個別のセルを指定して合計を求める方法
複数の特定のセルの合計を求める場合、セルをカンマで区切って指定します。例えば、A1、A3、A5の合計を求める場合、「=SUM(A1, A3, A5)」と入力します。
オートサム機能を使った合計の計算
Excelには「オートサム」機能が搭載されており、この機能を使うと合計を簡単に求めることができます。オートサムは、選択したセル範囲の直前にあるセルに自動的にSUM関数を挿入してくれる便利な機能です。
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合計を求めたいセルを選択します(通常、数値のある列の下または行の右側の空白セルを選びます)。
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「ホーム」タブにある「オートサム」ボタン(Σのアイコン)をクリックします。Excelが自動的に合計する範囲を選択し、合計を求めます。
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範囲が正しいことを確認したら、Enterキーを押します。これで簡単に合計が求められます。
特定の条件に基づく合計
Excelでは、条件を指定して合計を求める「SUMIF」関数や、複数の条件を指定して合計を求める「SUMIFS」関数を使用することができます。
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SUMIF関数
SUMIF関数は、指定した条件を満たすセルの合計を求める関数です。構文は「=SUMIF(範囲, 条件, 合計範囲)」です。
例えば、A1からA10までのセルのうち、B1からB10までのセルの値が「100」を超えるものの合計を求める場合、「=SUMIF(B1:B10, “>100”, A1:A10)」と入力します。 -
SUMIFS関数
SUMIFS関数は、複数の条件を指定して合計を求める関数です。構文は「=SUMIFS(合計範囲, 範囲1, 条件1, 範囲2, 条件2, …)」です。
例えば、A1からA10までのセルのうち、B1からB10までのセルが「100」を超え、かつC1からC10までのセルが「50」を超えるものの合計を求める場合、「=SUMIFS(A1:A10, B1:B10, “>100”, C1:C10, “>50”)」と入力します。
合計の計算におけるエラー処理
Excelで合計を求める際にエラーが発生することがありますが、これを回避する方法もいくつかあります。
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エラーチェックを無視する
Excelで計算した結果がエラーになることがあります。例えば、セルに文字列やエラー値が含まれている場合です。このような場合、SUM関数はエラーを返すことがあります。エラーを無視するためには、「IFERROR」関数を使います。例えば、「=SUM(IFERROR(A1:A10, 0))」と入力することで、エラー値が0として処理され、合計に含まれます。 -
条件付きでエラーを除外する
SUMIFやSUMIFS関数を使用することで、条件に合ったセルのみを合計することができます。これにより、エラーを含むセルを除外して合計を求めることができます。
結論
Excelでの合計計算は、数式を駆使することで非常に効率よく行えます。SUM関数をはじめ、SUMIFやSUMIFS関数を使えば、条件に基づいた合計も簡単に求められます。オートサム機能を使えば、数式の入力をせずに合計を求めることも可能です。これらの基本的な機能を使いこなすことで、日常的なデータ処理の効率を大幅に向上させることができます。