Excel 2019における「ワークブックとワークシートの保護」について詳しく説明します。この機能は、特定の範囲やセルをロックして、意図しない変更からデータを保護するために使用されます。ワークシートやワークブックを保護することで、他のユーザーがシートやセルを変更できないように制限することができます。以下はその具体的な手順と方法です。
1. ワークシートの保護
ワークシートを保護するには、以下の手順を実行します。

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シートの編集をロックする
Excelでは、デフォルトで全てのセルが「ロック」状態になっています。しかし、ワークシートの保護を有効にする前に、特定のセルを編集可能にすることができます。編集可能にするセルを選択し、「右クリック」→「セルの書式設定」を選択します。
その後、「保護」タブを選び、「ロック」のチェックを外します。 -
ワークシートの保護を有効にする
編集可能なセルを設定した後、次にシート自体を保護します。上部メニューの**「校閲」タブをクリックし、「シートの保護」**を選びます。
ここで、シートを保護するためのパスワードを設定することもできます。パスワードを設定すると、他のユーザーがワークシートを編集できないようにすることができます。 -
特定の操作を制限する
「シートの保護」ダイアログボックス内で、特定の操作(セルの選択、列の削除、行の削除など)を制限するオプションも設定できます。必要なオプションにチェックを入れて、**「OK」**をクリックします。
2. ワークブックの保護
ワークブック全体を保護することで、シートの追加や削除、名前の変更を防ぐことができます。ワークブックの保護手順は以下の通りです。
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ワークブックの保護を開始する
「校閲」タブを開き、**「ブックの保護」**を選択します。 -
パスワードを設定する
必要に応じてパスワードを設定します。パスワードを設定すると、他のユーザーはワークブックに対して操作を行うことができなくなります。 -
オプションを設定する
ワークブックに関する操作(シートの挿入、削除、名前の変更など)を制限するオプションを選択できます。必要な制限を選んだ後、**「OK」**をクリックして保護を適用します。
3. セル範囲の保護
特定のセル範囲を保護したい場合も、Excelでは簡単に設定できます。次の手順でセル範囲を保護します。
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保護する範囲を選択する
保護したいセル範囲を選択します。 -
セルのロックを解除する
先ほどと同じように、「セルの書式設定」ダイアログボックスで、「保護」タブを開き、「ロック」のチェックを外します。 -
ワークシートを保護する
ワークシート全体を保護した後、選択した範囲だけが編集可能な状態になります。これにより、他の範囲は変更できなくなります。
4. 保護の解除
保護を解除するには、パスワードを入力する必要があります。解除方法は次の通りです。
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ワークシート保護の解除
「校閲」タブから「シート保護の解除」を選択し、設定したパスワードを入力します。 -
ワークブック保護の解除
同様に、「校閲」タブから「ブックの保護の解除」を選び、パスワードを入力します。
5. ワークシートとワークブックの保護を活用するメリット
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データの保護
意図しない変更を防ぐため、データを守ることができます。 -
共同作業時の安心感
複数のユーザーで作業する際に、重要なセルやシートが変更されるリスクを軽減できます。 -
セキュリティの向上
パスワードを設定することで、特定のユーザーにのみ編集を許可し、データのセキュリティを強化できます。
Excel 2019のワークシートやワークブックの保護機能は、特にデータを他の人と共有する際に非常に役立ちます。これらの機能を適切に使うことで、意図しない操作やデータ損失を防ぐことができます。