GitHubにパスワードなしで接続する方法について、完全かつ包括的な記事を日本語でお届けします。GitHubは、ソースコードのバージョン管理やチームでの共同作業において非常に便利なツールですが、その利用にはセキュリティを確保するための認証が必要です。従来、GitHubにアクセスする際には、ユーザー名とパスワードを入力して認証を行うのが一般的でした。しかし、GitHubではパスワードなしで接続する方法がいくつかあります。ここでは、最も一般的で安全な方法をいくつか紹介します。
1. SSHキーを使ってGitHubに接続する
SSH(Secure Shell)は、リモートサーバーへの安全な接続を確立するためのプロトコルです。GitHubでも、SSHキーを使ってパスワードなしでリポジトリにアクセスできるようにすることができます。この方法は、GitHubの認証において非常に一般的かつ安全です。

SSHキーの作成方法
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SSHキーの生成
最初に、SSHキーを生成します。ターミナルを開き、以下のコマンドを入力します。このコマンドは、RSAアルゴリズムを使用して4096ビットのSSHキーを生成します。「[email protected]」はあなたのGitHubアカウントに関連付けられたメールアドレスに置き換えてください。
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SSHキーの保存
コマンド実行後、キーを保存する場所を尋ねられます。デフォルトの場所(~/.ssh/id_rsa
)で問題なければ、そのままEnterキーを押します。 -
パスフレーズの設定
SSHキーにパスフレーズを設定することを推奨します。これはセキュリティを高めるためですが、パスフレーズなしでも接続できます。パスフレーズを設定する場合は、2回入力を求められます。 -
公開鍵をGitHubに登録する
SSHキーが生成されると、公開鍵(id_rsa.pub
)と秘密鍵(id_rsa
)が作成されます。次に、公開鍵をGitHubに登録します。-
公開鍵をコピーするには、以下のコマンドを使用します。
bashcat ~/.ssh/id_rsa.pub
これで表示された公開鍵をコピーします。
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GitHubのウェブサイトにログインし、右上のプロフィールアイコンをクリックして「Settings」を選択します。
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左側のメニューから「SSH and GPG keys」を選び、「New SSH key」をクリックします。
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コピーした公開鍵を「Key」フィールドに貼り付け、「Title」に任意の名前を入力して「Add SSH key」をクリックします。
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SSH接続をテストする
GitHubへのSSH接続が成功するか確認するため、以下のコマンドを実行します。初回はGitHubから接続を確認するメッセージが表示されますが、
yes
と入力して続行します。接続が成功すると、「Hi [username]! You’ve successfully authenticated, but GitHub does not provide shell access.」というメッセージが表示されます。
SSHを使用してGitHubにアクセスする
SSHキーを設定すると、GitHubにパスワードなしでアクセスできるようになります。リポジトリをクローンする場合、HTTPSの代わりにSSHのURLを使用します。例えば、以下のようにします。
これで、パスワードを入力することなくリポジトリにアクセスできます。
2. GitHub Personal Access Token(PAT)を使って接続する
GitHubは、2021年8月13日以降、パスワードを使用した認証を廃止し、代わりに「Personal Access Token(PAT)」を利用するようにしています。このPATを使うことで、HTTPS経由でパスワードなしでGitHubに接続できます。
Personal Access Tokenの作成方法
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GitHubにログイン
GitHubにログインし、右上のプロフィールアイコンをクリックして「Settings」を選択します。 -
Personal Access Tokenの作成
左側のメニューから「Developer settings」を選び、「Personal access tokens」をクリックします。「Generate new token」をクリックし、トークンに必要な権限を設定します。-
通常、
repo
(リポジトリの操作)やworkflow
(GitHub Actionsの操作)などのスコープを選択します。
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トークンのコピー
トークンが生成されると、その値が表示されます。このトークンをコピーして、安全な場所に保存してください。再度表示されることはないため、後で確認することができません。 -
GitHubへの接続
GitHubにアクセスする際に、パスワードの代わりにこのトークンを使用します。例えば、リポジトリをクローンする際に、以下のように入力します。bashgit clone https://github.com/username/repository.git
その際、パスワードの代わりに生成したPersonal Access Tokenを入力します。
3. Git Credential Managerを使って接続する
Git Credential Manager(GCM)は、GitHubにアクセスする際の認証情報を管理するツールです。GCMを使用すると、Personal Access TokenやSSHキーを簡単に管理できます。
Git Credential Managerのインストール方法
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インストール
Git Credential Managerは、Gitのインストールとともにインストールされている場合が多いですが、もしインストールされていない場合は、公式のインストールガイドに従ってインストールします。 -
GitHubの認証情報を保存
Gitの操作を行うと、GCMが自動的に認証情報を保存します。これにより、次回以降の操作で認証情報を再入力することなく、GitHubにアクセスできます。
結論
GitHubへの接続方法は、パスワードなしでも安全に行うことができます。SSHキーを使用する方法や、Personal Access Tokenを使う方法、さらにGit Credential Managerを利用する方法などがあり、それぞれの方法にはメリットがあります。自身の利用環境に合わせて、最適な方法を選んでGitHubのリポジトリに安全にアクセスしましょう。