HerokuでPHPアプリケーションを公開する方法について、完全かつ包括的なガイドをお届けします。Herokuは、クラウドプラットフォームとして人気があり、簡単にアプリケーションをデプロイできるサービスを提供しています。PHPを使用している場合でも、Herokuを活用することで、スムーズにアプリケーションをホストすることができます。
1. Herokuアカウントの作成
まずはHerokuの公式サイトにアクセスし、アカウントを作成します。Herokuでは、無料で使えるプランも提供されていますが、商用利用の場合は有料プランを選択する必要があります。アカウントを作成した後、Heroku CLI(コマンドラインインターフェース)をインストールします。これにより、ターミナルからHerokuにアプリケーションをデプロイすることができます。

Heroku CLIのインストール方法は以下の通りです:
- macOSの場合:
brew install heroku
コマンドを使います。 - Windowsの場合: Herokuの公式ウェブサイトからインストーラーをダウンロードしてインストールします。
- Linuxの場合:
sudo snap install heroku --classic
コマンドでインストールします。
インストールが完了したら、ターミナルを開いて、heroku --version
と入力して、インストールが成功したか確認します。
2. PHPアプリケーションの準備
HerokuでPHPアプリケーションを公開するためには、いくつかのファイルを準備する必要があります。
composer.json
の作成
HerokuはPHPアプリケーションを自動的に検出するために、composer.json
ファイルを使用します。このファイルは、アプリケーションの依存関係を管理するために必要です。以下は基本的なcomposer.json
ファイルの例です。
json{
"name": "your-app-name",
"description": "A simple PHP app on Heroku",
"require": {
"php": "^7.4",
"ext-mbstring": "*"
}
}
このcomposer.json
ファイルは、HerokuがPHPのバージョンを認識し、必要な拡張モジュール(ここではext-mbstring
)をインストールするために必要です。
アプリケーションのコード
次に、PHPのコードを準備します。例えば、シンプルなindex.php
ファイルを作成します。
php
echo "Hello, Heroku!";
?>
このファイルは、Herokuのサーバーで実行され、ブラウザでアクセスすることで、”Hello, Heroku!”と表示されるシンプルなアプリケーションです。
3. Gitの設定
HerokuはGitを使用してアプリケーションをデプロイするため、まずはGitを設定します。もしまだGitをインストールしていない場合は、公式サイトからインストールしてください。
次に、ターミナルで以下のコマンドを実行して、リポジトリを初期化します。
bashgit init
git add .
git commit -m "Initial commit"
4. Herokuアプリケーションの作成
Heroku CLIを使って新しいアプリケーションを作成します。以下のコマンドを実行して、Herokuアカウントにログインします。
bashheroku login
ログインが成功したら、以下のコマンドで新しいHerokuアプリケーションを作成します。
bashheroku create your-app-name
your-app-name
は任意のアプリケーション名に変更してください。Herokuは自動的にGitリモートを設定してくれるので、リモートリポジトリを追加する手間は省けます。
5. PHPアプリケーションのデプロイ
アプリケーションをHerokuにデプロイするには、以下のコマンドを実行します。
bashgit push heroku master
このコマンドを実行すると、Herokuがcomposer.json
を読み込み、PHPの環境をセットアップし、アプリケーションをデプロイします。デプロイが完了すると、HerokuからURLが表示され、ブラウザでアクセスできるようになります。
6. アプリケーションの確認
デプロイが成功したら、以下のコマンドでアプリケーションのURLを表示することができます。
bashheroku open
これにより、デフォルトのブラウザが開き、アプリケーションが表示されます。成功した場合、”Hello, Heroku!”と表示されるはずです。
7. アプリケーションの更新
アプリケーションのコードを変更した後は、再度Gitでコミットを行い、Herokuにプッシュすることで更新を反映させることができます。
bashgit add .
git commit -m "Updated the app"
git push heroku master
このようにして、HerokuにデプロイされたPHPアプリケーションを簡単に更新することができます。
8. Herokuのデータベースの利用
Herokuでは、無料で使えるPostgreSQLのデータベースも提供されています。データベースを使うためには、Heroku CLIを使って追加する必要があります。
bashheroku addons:create heroku-postgresql:hobby-dev
このコマンドを実行すると、HerokuのPostgreSQLデータベースがアプリケーションに追加されます。データベースに接続するためのURLや認証情報は、Herokuが自動的に設定してくれます。
9. ログの確認
Herokuでアプリケーションが正常に動作しているか確認するために、ログを確認することができます。以下のコマンドでログを表示できます。
bashheroku logs --tail
このコマンドは、リアルタイムでアプリケーションのログを表示します。エラーメッセージが表示された場合は、それを元に問題を解決します。
結論
Herokuを使ってPHPアプリケーションをデプロイする方法は、非常に簡単で効率的です。Herokuの管理画面やCLIツールを活用することで、コードの更新、データベースの管理、ログの確認などをスムーズに行うことができます。無料プランを活用し、手軽にクラウド環境でアプリケーションをホスティングしたい場合には、Herokuは非常に有力な選択肢です。