iPhoneのフォーマット方法について、完全かつ包括的に解説します。iPhoneのフォーマット(工場出荷時の設定に戻す)を行うことは、iPhoneのデータを完全に消去し、デバイスを初期状態に戻す作業です。これにより、すべてのアプリ、設定、個人データ(写真、連絡先、メッセージなど)が削除されます。通常、iPhoneを売却する前や、システムに重大な問題が発生した場合にフォーマットを行います。
1. フォーマット前の準備
iPhoneをフォーマットする前に、いくつかの準備が必要です。
1.1 バックアップの作成
フォーマット後にデータが完全に消去されるため、バックアップを取ることを強くお勧めします。バックアップには以下の方法があります。
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iCloudを使う方法
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設定アプリを開き、「自分の名前」をタップします。
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「iCloud」を選択し、「iCloudバックアップ」をタップします。
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「今すぐバックアップ」を選択して、バックアップを開始します。
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iTunes(Finder)を使う方法
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iPhoneをコンピュータに接続し、iTunesまたはFinderを開きます。
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デバイスアイコンをクリックし、「バックアップ」を選択して、ローカルバックアップを作成します。
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1.2 Apple IDからサインアウト
iPhoneをフォーマットする前に、Apple IDからサインアウトすることが推奨されます。これにより、iCloud、Apple Music、iMessage、FaceTimeなどの関連するサービスに問題が発生するのを防げます。
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設定アプリを開き、「自分の名前」をタップします。
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一番下にスクロールして、「サインアウト」を選択します。
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Apple IDのパスワードを入力し、「オフ」をタップします。
1.3 「探す」をオフにする
iPhoneの「探す」機能をオフにすることで、iCloudからのリモートロックが解除され、フォーマット後に新しいオーナーが使用できるようになります。
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設定アプリを開き、「自分の名前」をタップします。
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「iCloud」を選択し、「探す」を選択します。
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「探す」をオフにします。
2. iPhoneをフォーマットする方法
iPhoneをフォーマットする方法は、iPhoneの設定から簡単に実行できます。以下の手順を順番に行ってください。
2.1 設定アプリからフォーマット
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設定アプリを開きます。
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「一般」を選択します。
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「リセット」をタップします。
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「すべてのコンテンツと設定を消去」を選択します。
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iPhoneを初期化するための確認画面が表示されますので、「iPhoneを消去」をタップします。
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Apple IDのパスワードを入力して、確認します。
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iPhoneが自動的に再起動し、フォーマットが開始されます。このプロセスには数分かかることがあります。
2.2 iTunes(またはFinder)からフォーマット
iPhoneが起動しない場合や、設定アプリからフォーマットできない場合は、iTunes(またはmacOS Catalina以降のFinder)を使用してフォーマットすることができます。
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iPhoneをコンピュータに接続し、iTunesまたはFinderを開きます。
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デバイスアイコンをクリックします。
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「概要」を選択し、「iPhoneを復元」をクリックします。
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確認ダイアログが表示されるので、「復元」を選択します。
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iTunesまたはFinderがiPhoneを工場出荷時の設定に戻します。この作業も数分かかります。
3. フォーマット後の手順
iPhoneのフォーマットが完了した後、デバイスは初期化され、まるで新品のような状態になります。以下の手順で再設定を行うことができます。
3.1 iPhoneのセットアップ
iPhoneをフォーマットした後、最初に表示される画面は初期セットアップ画面です。言語、地域、Wi-Fiネットワークなどを設定します。
3.2 バックアップの復元
フォーマット前にバックアップを取っていた場合、iCloudまたはiTunes(Finder)からバックアップを復元できます。
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iCloudバックアップを復元する方法
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初期セットアップ中に「iCloudバックアップから復元」を選択します。
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Apple IDでサインインし、バックアップを選択します。
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iTunes(Finder)バックアップを復元する方法
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iPhoneをコンピュータに接続し、iTunesまたはFinderを開きます。
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「バックアップの復元」を選択し、復元したいバックアップを選びます。
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4. フォーマット後の注意点
4.1 データの完全消去
フォーマット後、iPhoneのデータは完全に消去されます。通常、AppleはiPhoneのデータを復元不可能にするために暗号化技術を使用しているため、データが復元されるリスクは非常に低いです。
4.2 新しいオーナーに譲渡
iPhoneを他の人に譲渡する前に、設定の初期化が完了したことを確認し、新しいオーナーが自分のApple IDでログインできるようにしておきます。
4.3 連絡先とアプリの再設定
バックアップから復元した場合、連絡先やアプリは元通りに復元されますが、場合によっては手動で一部設定をやり直す必要があるかもしれません。
以上が、iPhoneをフォーマットするための完全かつ包括的な手順です。データのバックアップとApple IDのサインアウトを忘れずに行い、慎重に作業を進めてください。

