プログラミング

Jinja フィルタの活用法

Jinjaは、Pythonで広く使用されているテンプレートエンジンで、特にFlaskなどのWebフレームワークでよく使われます。Jinjaのパワフルで柔軟なフィルタ機能は、テンプレート内でのデータ処理を簡素化し、視覚的な調整を行うために欠かせません。今回は、Jinjaテンプレートエンジンで使用できる主要なフィルタについて、前回に引き続き紹介します。

1. default

defaultフィルタは、指定した変数が未定義またはNoneである場合にデフォルトの値を提供します。これにより、値がない場合でもエラーを回避できます。

使用例:

jinja
{{ variable | default('デフォルト値') }}

この例では、variableNoneまたは未定義の場合に「デフォルト値」が表示されます。

2. length

lengthフィルタは、リスト、文字列、辞書などのオブジェクトの長さを取得します。文字列の文字数やリストの要素数を確認するのに役立ちます。

使用例:

jinja
{{ ['apple', 'banana', 'cherry'] | length }}

この例では、リストに含まれる要素数(3)が出力されます。

3. join

joinフィルタは、リスト内の要素を指定した区切り文字で結合します。例えば、カンマで区切ったリストを作りたい場合に使用します。

使用例:

jinja
{{ ['apple', 'banana', 'cherry'] | join(', ') }}

この例では、'apple, banana, cherry'という文字列が出力されます。

4. replace

replaceフィルタは、指定した文字列の一部を別の文字列に置き換えます。文字列の編集に非常に便利です。

使用例:

jinja
{{ "Hello, World!" | replace('World', 'Jinja') }}

この例では、「Hello, Jinja!」という結果が得られます。

5. sort

sortフィルタは、リスト内の要素を昇順に並べ替えます。降順に並べたい場合はreverseフィルタを組み合わせて使用します。

使用例:

jinja
{{ [3, 1, 2] | sort }}

この例では、[1, 2, 3]という並び順が出力されます。

6. slice

sliceフィルタは、リストや文字列の一部を取り出します。インデックスを指定して、部分的なデータを取得するのに使用します。

使用例:

jinja
{{ [1, 2, 3, 4, 5] | slice(1, 4) }}

この例では、リストのインデックス1から3まで(2, 3, 4)が出力されます。

7. tojson

tojsonフィルタは、PythonオブジェクトをJSON形式の文字列に変換します。これを使用することで、テンプレート内でJSON形式のデータを扱うことができます。

使用例:

jinja
{{ {'name': 'John', 'age': 30} | tojson }}

この例では、{"name": "John", "age": 30}というJSON形式の文字列が出力されます。

8. capitalize

capitalizeフィルタは、文字列の最初の文字を大文字に変換します。タイトルや見出しでよく使用されます。

使用例:

jinja
{{ "hello world" | capitalize }}

この例では、「Hello world」が出力されます。

9. lowerupper

lowerフィルタは文字列をすべて小文字に、upperフィルタはすべて大文字に変換します。文字列のフォーマットを統一する際に便利です。

使用例:

jinja
{{ "Hello World" | lower }} {{ "Hello World" | upper }}

それぞれ「hello world」と「HELLO WORLD」が出力されます。

10. intfloat

intおよびfloatフィルタは、文字列や他の型を整数または浮動小数点数に変換します。計算や数値の処理を行う際に使用します。

使用例:

jinja
{{ "42" | int }} {{ "3.14" | float }}

この例では、それぞれ数値42と3.14が出力されます。

11. urlencode

urlencodeフィルタは、URLに適した形式で文字列をエンコードします。URLパラメータを作成する際に役立ちます。

使用例:

jinja
{{ "hello world" | urlencode }}

この例では、「hello+world」という結果が出力され、URLエンコードされた文字列が得られます。

12. reverse

reverseフィルタは、リストや文字列の順序を逆にします。リストの要素順を反転させたい場合に便利です。

使用例:

jinja
{{ [1, 2, 3] | reverse }}

この例では、[3, 2, 1]が出力されます。

13. unique

uniqueフィルタは、リストの中から重複する要素を取り除きます。ユニークな要素のみを表示したい場合に使用します。

使用例:

jinja
{{ [1, 2, 2, 3, 4, 4] | unique }}

この例では、[1, 2, 3, 4]が出力されます。

14. dictsort

dictsortフィルタは、辞書のリストを特定のキーで並べ替えます。辞書のリストを整理して表示したい場合に便利です。

使用例:

jinja
{{ [{'name': 'John', 'age': 30}, {'name': 'Jane', 'age': 25}] | dictsort(attribute='age') }}

この例では、年齢で並べ替えた辞書のリストが出力されます。

15. xmlattr

xmlattrフィルタは、辞書をXML形式の属性文字列に変換します。XML出力を生成する際に非常に有用です。

使用例:

jinja
{{ {'name': 'John', 'age': 30} | xmlattr }}

この例では、name="John" age="30"という結果が出力されます。


Jinjaのフィルタは、データを視覚的に魅力的に整形したり、データの型変換やリスト操作を簡単に行うために非常に有用です。これらのフィルタを適切に活用することで、テンプレートの柔軟性と効率性を大幅に向上させることができます。テンプレートエンジンを使う際には、これらのフィルタをうまく組み合わせて、さらに強力な機能を発揮させることができます。

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