LibreOffice Calcでは、データの可視化に多くのグラフやチャートを使用できますが、その中でも「軸が中心に配置されたグラフ(軸中心グラフ)」と「条件付き書式を使用したグラフ(条件付きグラフ)」は、データの分析や視覚化において非常に強力なツールです。これらのグラフは特定のデータの特徴を強調したり、視覚的に目立たせるために活用されます。本記事では、LibreOffice Calcでの「軸中心グラフ」と「条件付き書式を使用したグラフ」の作成方法とその活用方法について、完全かつ包括的に解説します。
1. 軸中心グラフ(Polar Chart)の作成方法
軸中心グラフは、特にデータの方向性や分布を視覚的に示すのに適したグラフです。通常、円形のグラフの中にデータポイントが表示され、その中心から各データポイントに向かって放射状に線が引かれます。これは、天候データや市場のシェア、方向性に関連するデータの可視化に適しています。

1.1 軸中心グラフの作成ステップ
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データの準備
最初に、使用するデータをLibreOffice Calcに入力します。例えば、各方向ごとの風速データや月ごとの売上データなどが考えられます。データは、2列以上に分けて配置します。1列目はカテゴリ(例:方向や月)、2列目はそのデータの数値です。 -
データ範囲の選択
データ範囲を選択します。選択範囲には、カテゴリ名と対応する数値が含まれている必要があります。 -
グラフの挿入
選択したデータ範囲に基づいてグラフを作成します。メニューから「挿入」→「グラフ」を選択します。次に「グラフの種類」ウィンドウが表示されるので、「軸中心グラフ(Polar)」を選択します。 -
グラフのカスタマイズ
グラフが作成されたら、軸やラベルの設定を行います。軸のスケールや範囲、ラベルのフォントサイズ、グラフの色などをカスタマイズできます。
1.2 軸中心グラフの活用例
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天候データの可視化
例えば、ある地域での風速データを月別に示す際に、軸中心グラフを使って方向別の風速を示すと、季節ごとの風の傾向が一目で分かります。 -
市場シェアの比較
市場シェアや競合の状況を円形で示すと、どの企業が市場でどのような割合を占めているかを視覚的に簡単に理解することができます。
2. 条件付き書式を使用したグラフ(Conditional Formatting Charts)
条件付き書式を使うことで、特定の条件に基づいてデータを強調表示することができます。これをグラフに適用することで、異常値や重要なデータポイントを視覚的に際立たせることができます。例えば、数値が特定の閾値を超えた場合に色を変えるなどの設定が可能です。
2.1 条件付き書式の設定方法
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データの準備
条件付き書式を適用するデータを入力します。例えば、売上データや温度データなどが考えられます。 -
データ範囲の選択
条件付き書式を適用したいデータ範囲を選択します。 -
条件付き書式の設定
メニューから「書式」→「条件付き書式」→「条件付き書式の管理」を選択します。「新規」をクリックして、適用する条件を設定します。たとえば、売上が1000円以上のデータには赤色を設定し、1000円未満には緑色を設定することができます。 -
グラフの作成
条件付き書式を適用したデータを基にグラフを作成します。「挿入」→「グラフ」を選択し、作成したグラフに条件付き書式を反映させます。
2.2 条件付き書式を使用したグラフの活用例
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売上データの強調表示
売上が目標額に達しているかどうかをグラフで示し、達成した場合に緑色、未達の場合に赤色で表示することで、視覚的に成果を一目で把握できます。 -
異常値の検出
温度データや在庫データなど、通常の範囲を超える異常値をグラフ上で目立たせることで、問題が発生している箇所をすぐに見つけることができます。
3. 複数の条件付き書式の使用
条件付き書式を複数使用することで、さらに細かい視覚的な強調が可能になります。例えば、売上が目標額の150%を超えた場合には緑色、100%未満の場合には赤色、そして目標額に近い場合には黄色にするなど、複数の条件を設定して段階的に色を変化させることができます。
3.1 複数の条件付き書式の設定方法
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条件の設定
複数の条件を設定するためには、条件付き書式の設定画面で「新規条件」を追加します。例えば、「売上が150%を超える場合には緑色」と設定し、「売上が100%未満の場合には赤色」を設定することができます。 -
グラフの反映
設定した条件に基づいて、グラフを作成します。グラフに色分けが適用され、視覚的にわかりやすい表示がされます。
4. まとめ
LibreOffice Calcでは、軸中心グラフと条件付き書式を使用したグラフは、データの可視化において強力なツールです。軸中心グラフを使用することで、方向性や分布に関連するデータを視覚的に表現でき、条件付き書式を使うことで特定のデータポイントを強調表示できます。これらのグラフをうまく活用することで、データをより深く理解し、視覚的に分析することが可能になります。