Linuxは、その強力で柔軟なコマンドラインインターフェース(CLI)によって、多くのシステム管理者や開発者に愛されています。CLIを駆使することで、グラフィカルユーザーインターフェース(GUI)では実現しにくい効率的な操作が可能です。この記事では、Linuxで最も頻繁に使用されるコマンドの中から、システムの管理やファイル操作、ネットワーク管理など、さまざまな用途に対応するコマンドを包括的に紹介します。
1. ファイル操作に関連するコマンド
ls
lsは、ディレクトリ内のファイルとフォルダを表示するための基本的なコマンドです。オプションをつけることで、さらに詳細な情報を取得できます。
ls -l: 詳細な情報(パーミッション、所有者、サイズ、更新日時など)を表示ls -a: 隠しファイル(ドットで始まるファイル)を表示
cd
cd(change directory)は、ディレクトリを変更するためのコマンドです。
cd /home/user: 指定したパスに移動cd ..: 一つ上のディレクトリに移動
cp
cp(copy)は、ファイルやディレクトリをコピーするためのコマンドです。
cp file1.txt file2.txt: file1.txtをfile2.txtとしてコピーcp -r dir1 dir2: ディレクトリを再帰的にコピー
mv
mv(move)は、ファイルやディレクトリを移動または名前を変更するためのコマンドです。
mv file1.txt /home/user/: file1.txtを指定したディレクトリに移動mv oldname.txt newname.txt: ファイル名を変更
rm
rm(remove)は、ファイルやディレクトリを削除するためのコマンドです。
rm file1.txt: ファイルを削除rm -r dir1: ディレクトリを再帰的に削除
2. システム管理に関するコマンド
top
topは、システムのプロセス情報をリアルタイムで表示するツールです。CPUやメモリの使用状況、プロセスごとのリソース消費などが確認できます。
ps
ps(process status)は、現在実行中のプロセスを表示するコマンドです。特定のプロセスの詳細情報を取得できます。
ps aux: 実行中の全プロセスを表示ps -ef: 詳細なプロセス情報を表示
kill
killは、指定したプロセスを終了させるコマンドです。
kill 1234: プロセスID 1234を終了kill -9 1234: 強制終了
df
dfは、ディスクの使用状況を表示するコマンドです。ディスクの空き容量や使用済み容量を確認できます。
df -h: 人間に読みやすい形式で表示(KB, MB, GBなど)
du
du(disk usage)は、指定したディレクトリやファイルのディスク使用量を表示するコマンドです。
du -sh /home/user: /home/userディレクトリの合計使用量を表示
3. ネットワーク管理に関連するコマンド
ping
pingは、指定したホストに対してICMPエコー要求を送り、ネットワークの接続状態を確認するコマンドです。
ping google.com: google.comに対してpingを送信
ifconfig
ifconfigは、ネットワークインターフェースの設定を確認または変更するためのコマンドです(最近のLinuxディストリビューションではipコマンドが主に使用されます)。
ifconfig: ネットワークインターフェースの情報を表示
ip
ipは、ネットワークインターフェースの設定や確認を行うためのコマンドです。ifconfigに代わる新しいツールとして広く使用されています。
ip a: インターフェースの詳細情報を表示ip link set eth0 up: ネットワークインターフェースeth0を有効にする
netstat
netstatは、ネットワーク接続やルーティングテーブル、インターフェースの統計情報などを表示するコマンドです。
netstat -tuln: サーバがリッスンしているポートを表示
4. パーミッション管理に関連するコマンド
chmod
chmod(change mode)は、ファイルやディレクトリのアクセス権を変更するコマンドです。
chmod 755 file1.txt: file1.txtに実行権限を追加
chown
chown(change owner)は、ファイルやディレクトリの所有者を変更するコマンドです。
chown user:group file1.txt: file1.txtの所有者をuser、グループをgroupに変更
chgrp
chgrp(change group)は、ファイルやディレクトリのグループを変更するコマンドです。
chgrp group1 file1.txt: file1.txtのグループをgroup1に変更
5. アーカイブと圧縮に関するコマンド
tar
tarは、複数のファイルを1つのアーカイブファイルにまとめるためのコマンドです。圧縮機能もあります。
tar -cvf archive.tar file1.txt file2.txt: ファイルをアーカイブtar -xvf archive.tar: アーカイブを解凍
gzip / gunzip
gzipは、ファイルを圧縮するためのコマンドで、gunzipは圧縮したファイルを解凍します。
gzip file1.txt: file1.txtをgzip形式で圧縮gunzip file1.txt.gz: file1.txt.gzを解凍
zip / unzip
zipは、ファイルをZIP形式で圧縮するコマンドで、unzipは解凍するコマンドです。
zip archive.zip file1.txt: ファイルをZIP形式で圧縮unzip archive.zip: ZIPアーカイブを解凍
6. パッケージ管理に関連するコマンド
apt-get
apt-getは、Debian系ディストリビューション(Ubuntuなど)で使用されるパッケージ管理ツールです。
apt-get install package_name: パッケージをインストールapt-get update: パッケージリストを更新apt-get upgrade: インストール済みパッケージ
