開発運用

Linux ユーザー管理とパスワード

Linuxでは、passwdadduser コマンドを使用してユーザーアカウントの管理やパスワードの設定を行います。これらのコマンドは、システムのセキュリティを確保するために非常に重要です。以下に、それぞれのコマンドの使い方と、システムでどのように管理できるかについて詳しく説明します。

passwd コマンドによるパスワード管理

passwd コマンドは、Linuxシステムでユーザーのパスワードを設定または変更するためのツールです。このコマンドは、管理者(root)や該当するユーザー自身によって使用できます。

基本的な使用方法

  1. 現在のユーザーのパスワードを変更する
    ユーザー自身が自分のパスワードを変更する場合、次のコマンドを実行します:

    bash
    passwd

    コマンドを入力すると、現在のパスワードを求められ、その後、新しいパスワードを2回入力するよう指示されます。パスワードは視覚的に表示されませんが、正常に入力されると変更が完了します。

  2. 別のユーザーのパスワードを変更する(管理者権限が必要)
    管理者(root)は、他のユーザーのパスワードを変更できます。この場合、以下のようにコマンドを使用します:

    bash
    sudo passwd <ユーザー名>

    例えば、ユーザー「taro」のパスワードを変更する場合は、次のように入力します:

    bash
    sudo passwd taro

    新しいパスワードを入力するよう求められます。

パスワードポリシーの設定

passwd コマンドには、パスワードの有効期限や履歴などを設定するオプションがあります。これらは主にセキュリティを強化するために使用されます。

  1. パスワードの有効期限を設定する
    chage コマンドを使用して、ユーザーのパスワードが変更されるまでの期限を設定できます。例えば、30日後にパスワードを更新するように設定するには、次のように実行します:

    bash
    sudo chage -M 30 <ユーザー名>
  2. パスワード変更を強制する
    ユーザーが次回ログイン時に必ずパスワードを変更しなければならないように設定するには、次のコマンドを使用します:

    bash
    sudo chage -d 0 <ユーザー名>

adduser コマンドによるユーザー管理

adduser コマンドは、Linuxシステムに新しいユーザーを追加するためのコマンドです。このコマンドを使用することで、ユーザーアカウントを作成し、関連する設定を行うことができます。

基本的な使用方法

  1. 新しいユーザーを追加する
    新しいユーザーを追加するには、adduser コマンドを使用します。例えば、ユーザー「taro」を追加するには、次のように実行します:

    bash
    sudo adduser taro

    このコマンドを実行すると、システムはユーザーのホームディレクトリを作成し、パスワードの設定やユーザー情報の入力を求めます。必要に応じて、ユーザーに関連する詳細情報(名前、電話番号など)を入力できます。これらの情報は省略可能です。

  2. 追加するグループを指定する
    adduser コマンドでは、ユーザーを特定のグループに追加することもできます。例えば、「taro」ユーザーを「sudo」グループに追加するには、以下のようにします:

    bash
    sudo adduser taro sudo

    これにより、ユーザー「taro」がsudo権限を持つことになります。

追加オプション

adduser コマンドにはいくつかのオプションがあります。以下にいくつか例を示します:

  • ユーザーのホームディレクトリを変更する

    通常、adduser コマンドは新しいユーザーのホームディレクトリを自動的に作成しますが、既存のディレクトリを使用することもできます。例えば、/home/otherdir にホームディレクトリを変更するには、次のように実行します:

    bash
    sudo adduser --home /home/otherdir taro
  • ユーザーのシェルを指定する

    ユーザーに特定のシェルを指定することもできます。例えば、ユーザー「taro」に/bin/bashシェルを設定するには、次のようにします:

    bash
    sudo adduser --shell /bin/bash taro

ユーザーアカウントの削除

作成したユーザーアカウントを削除するには、deluser コマンドを使用します。このコマンドは、指定したユーザーアカウントをシステムから削除します。

  1. ユーザーアカウントの削除

    例えば、ユーザー「taro」を削除するには、次のように実行します:

    bash
    sudo deluser taro
  2. ユーザーのホームディレクトリも削除する

    ユーザーアカウントを削除すると、そのユーザーのホームディレクトリは削除されません。もし、ユーザーのホームディレクトリも含めて削除したい場合は、次のようにします:

    bash
    sudo deluser --remove-home taro

結論

passwdadduser は、Linuxシステムにおいてユーザーアカウントの管理やパスワードの設定に不可欠なコマンドです。これらのコマンドを適切に使用することで、システムのセキュリティを確保し、効率的にユーザーアカウントを管理することができます。特に、パスワードの有効期限や強制変更、ユーザーのグループ設定など、セキュリティを強化するためのオプションを活用することが重要です。

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