Linuxシステムにおけるストレージデバイスの管理は、システムのパフォーマンスと効率に直接影響を与える重要な作業です。ストレージデバイスの管理を適切に行うことで、ディスク容量の有効活用、データの保護、システムの安定性が向上します。本記事では、Linuxでのストレージデバイス管理を中心に、基本的な操作方法やツールについて説明します。
1. ストレージデバイスの確認
Linuxシステムに接続されているストレージデバイスを確認する最も一般的な方法は、lsblk
コマンドを使用することです。このコマンドは、接続されている全てのブロックデバイス(HDD、SSD、USBドライブなど)を一覧表示します。
bashlsblk
出力例:
bashNAME MAJ:MIN RM SIZE RO TYPE MOUNTPOINT sda 8:0 0 500G 0 disk ├─sda1 8:1 0 100G 0 part / └─sda2 8:2 0 400G 0 part /home
ここで、sda
がストレージデバイスそのものであり、sda1
やsda2
はそのパーティションです。MOUNTPOINT
は、デバイスがどこにマウントされているかを示しています。
2. ディスクのパーティション作成
新しいディスクをシステムに追加した場合、最初にパーティションを作成する必要があります。これには、fdisk
またはparted
コマンドを使用します。
fdiskを使用したパーティション作成
fdisk
はMBR(マスターブートレコード)形式のディスクでよく使用されるツールです。例えば、/dev/sdb
に新しいパーティションを作成する場合は以下の手順で操作します。
bashsudo fdisk /dev/sdb
コマンドが起動したら、m
を入力してヘルプを表示し、n
で新しいパーティションを作成します。パーティションサイズやその他のオプションを指定した後、w
を入力して変更を保存し、終了します。
partedを使用したパーティション作成
parted
はGPT(GUIDパーティションテーブル)形式のディスクを管理するためのツールです。/dev/sdc
にパーティションを作成する場合、次のコマンドを使用します。
bashsudo parted /dev/sdc
mklabel
でGPTパーティションテーブルを作成し、mkpart
コマンドでパーティションを作成します。
3. ファイルシステムの作成
パーティションを作成した後、そのパーティションにファイルシステムを作成します。最も一般的なファイルシステムはext4
ですが、xfs
やbtrfs
など他の形式も利用できます。mkfs
コマンドを使用してファイルシステムを作成します。
bashsudo mkfs.ext4 /dev/sdb1
これにより、/dev/sdb1
パーティションにext4
ファイルシステムが作成されます。
4. ストレージのマウント
ファイルシステムが作成された後、ストレージをマウントすることで、Linuxシステム内で使用できるようになります。まず、マウントポイントを作成します。
bashsudo mkdir /mnt/mydisk
その後、mount
コマンドを使用してデバイスをマウントします。
bashsudo mount /dev/sdb1 /mnt/mydisk
これで、/dev/sdb1
が/mnt/mydisk
にマウントされ、そのディレクトリ内でデータの読み書きができるようになります。
5. マウントの自動化
システムの再起動後にもストレージデバイスを自動的にマウントするには、/etc/fstab
ファイルを編集します。fstab
には、システム起動時にマウントするストレージデバイスの情報が記録されています。
/etc/fstab
ファイルに新しいエントリを追加することで、再起動時に自動的にマウントされるようになります。例えば、以下のようなエントリを追加します。
bash/dev/sdb1 /mnt/mydisk ext4 defaults 0 2
これにより、次回のシステム起動時に自動的に/dev/sdb1
が/mnt/mydisk
にマウントされます。
6. ストレージデバイスのチェックと修復
ディスクにエラーが発生した場合、fsck
コマンドを使用してファイルシステムをチェックし、修復することができます。例えば、/dev/sdb1
をチェックする場合は以下のように実行します。
bashsudo fsck /dev/sdb1
このコマンドは、ファイルシステムの整合性を確認し、必要に応じて修復します。
7. ストレージの容量管理
Linuxでは、df
コマンドを使ってディスクの使用状況を確認できます。例えば、現在のファイルシステムの容量と使用量を確認するには次のコマンドを使用します。
bashdf -h
出力例:
bashFilesystem Size Used Avail Use% Mounted on /dev/sda1 50G 20G 30G 40% / /dev/sdb1 200G 50G 150G 25% /mnt/mydisk
ここで、Used
は使用中の容量、Avail
は空き容量、Use%
は使用率を示します。
8. ストレージデバイスのアンマウント
使用が終わったストレージデバイスは、安全にアンマウントする必要があります。アンマウントするには、umount
コマンドを使用します。
bashsudo umount /mnt/mydisk
このコマンドにより、/mnt/mydisk
のストレージがアンマウントされます。
結論
Linuxでのストレージデバイス管理は多くの操作があり、それぞれがシステムの健全性とデータの安全性に影響を与えます。デバイスの確認、パーティション作成、ファイルシステムの作成、マウント、修復などの基本的な作業を理解することで、効果的にストレージを管理することができます。