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memoQでのプロジェクト作成ガイド

memoQは、翻訳者や翻訳チームが効率的に作業を進めるために開発された翻訳支援ツール(CATツール)です。新しい翻訳プロジェクトを開始する際には、いくつかの重要なステップがあります。この記事では、memoQを使用して新しいプロジェクトを作成し、最初の翻訳作業を行う方法について完全かつ包括的に説明します。

1. memoQのインストールと初期設定

memoQを使用するには、まずソフトウェアをインストールする必要があります。公式サイトからmemoQのインストーラーをダウンロードし、指示に従ってインストールを行います。インストールが完了したら、ソフトウェアを起動し、初回の設定を行います。この設定には、ユーザー情報の入力や、作業環境の調整が含まれます。

2. 新しいプロジェクトの作成

memoQで新しい翻訳プロジェクトを作成するには、以下の手順を踏みます。

2.1 プロジェクトの作成

memoQを開いた後、メイン画面の「新しいプロジェクトの作成」オプションを選択します。これにより、プロジェクト作成のウィザードが開始されます。ウィザードにはいくつかのステップがありますが、主なポイントは以下の通りです。

2.2 プロジェクト名の設定

まず、プロジェクトの名前を入力します。プロジェクト名は、後でプロジェクトを識別するために重要な情報ですので、わかりやすい名前を付けることをお勧めします。

2.3 翻訳言語の選択

次に、プロジェクトで使用する翻訳言語を設定します。例えば、翻訳元言語(ソース言語)と翻訳先言語(ターゲット言語)を選択します。memoQは、多くの言語ペアをサポートしているため、翻訳対象となる言語を正確に選ぶことができます。

2.4 プロジェクトの設定

プロジェクトに関連する設定を行います。これには、翻訳メモリ(TM)や用語集(TB)の設定が含まれます。翻訳メモリを活用することで、過去の翻訳結果を再利用でき、翻訳の効率を大幅に向上させることができます。また、用語集を作成して専門用語の一貫性を保つこともできます。

2.5 ファイルのインポート

翻訳するファイルをmemoQにインポートします。memoQは、さまざまなファイル形式(例えば、Word、Excel、PDFなど)に対応しています。ファイルを選択し、インポートすることで、翻訳対象のテキストがmemoQの作業画面に表示されます。

3. 翻訳メモリと用語集の設定

翻訳プロジェクトを開始する前に、翻訳メモリ(TM)や用語集(TB)を設定することが重要です。これらを活用することで、一貫性のある高品質な翻訳が可能になります。

3.1 翻訳メモリ(TM)の設定

翻訳メモリは、過去に翻訳したテキストとその翻訳結果を保存し、再利用するためのデータベースです。memoQでは、翻訳メモリを新たに作成するか、既存のものをインポートすることができます。プロジェクト作成時にTMを設定しておくと、翻訳中に以前の翻訳が自動的に提案され、効率的な作業が可能になります。

3.2 用語集(TB)の設定

用語集は、特定の分野や業界で使用する専門用語やフレーズを一元管理するためのツールです。memoQでは、用語集を作成したり、既存のものをインポートしたりすることができます。用語集を使用することで、翻訳中に特定の単語や表現が一致し、翻訳の一貫性を維持することができます。

4. 翻訳作業の開始

プロジェクトが作成され、翻訳メモリと用語集が設定されたら、実際の翻訳作業に進むことができます。

4.1 ファイルの編集

インポートしたファイルはmemoQのエディターで開きます。エディターは、翻訳元のテキストと翻訳先のテキストを並べて表示するため、翻訳作業が非常に効率的です。各セグメントを翻訳していくと、翻訳メモリが自動的に更新され、過去の翻訳が提案されることがあります。

4.2 翻訳の確認と修正

翻訳が進んだら、翻訳結果を確認して修正します。memoQでは、スペルチェックや文法チェック、用語集の一致確認など、さまざまな支援ツールが用意されています。これらのツールを使うことで、品質の高い翻訳を維持できます。

4.3 プレビューツールの使用

memoQには、翻訳したファイルをプレビューする機能があります。プレビュー機能を使って、翻訳後のレイアウトや形式を確認できます。これにより、翻訳作業が終了する前に、最終的な出力がどのように見えるかを確認できます。

5. 翻訳のエクスポート

翻訳作業が完了したら、最終的な翻訳ファイルをエクスポートします。memoQでは、翻訳したファイルをさまざまな形式でエクスポートすることができます。これにより、顧客に納品する際に最適な形式で提供することができます。

5.1 エクスポートオプションの選択

エクスポート時にファイル形式を選択するオプションがあります。例えば、WordやExcel、XLIFFなどの形式でエクスポートできます。選択した形式に合わせて、翻訳されたテキストを出力します。

5.2 納品の準備

エクスポートしたファイルは、納品用に準備することができます。納品前に最終確認を行い、すべての要件が満たされているか確認します。納品形式に合わせて、ファイルを整えて送信します。

6. プロジェクトの完了とアーカイブ

翻訳プロジェクトが完了したら、memoQでプロジェクトを完了としてマークし、アーカイブします。これにより、プロジェクトのデータは保存され、後で必要な場合に再利用することができます。

まとめ

memoQは、翻訳作業を効率化し、品質を向上させるための強力なツールです。新しいプロジェクトを作成する際には、プロジェクト名の設定から翻訳メモリや用語集の設定、実際の翻訳作業、エクスポートまで、段階を踏んで進めることが重要です。これらの手順をしっかりと理解し、実践することで、翻訳作業がスムーズに進み、クオリティの高い結果を得ることができるでしょう。

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