開発運用

PostgreSQLの基本操作と管理

最終更新： 2月 22, 2025
1 分の読み

PostgreSQL（ポストグレス）は、オープンソースで非常に強力なリレーショナルデータベース管理システム（RDBMS）です。その設計は、ACID（Atomicity、Consistency、Isolation、Durability）に準拠しており、堅牢なトランザクション管理機能を提供します。この記事では、PostgreSQLのインストール方法、基本的な操作、データベース管理の基本について、実際の運用を踏まえた形で詳しく説明します。

1. PostgreSQLのインストール

1.1. Ubuntu/Linuxでのインストール

UbuntuをはじめとするLinuxディストリビューションでは、以下の手順でPostgreSQLをインストールできます。

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bash
sudo apt update
sudo apt install postgresql postgresql-contrib

インストールが完了したら、PostgreSQLサービスを開始します。

bash
sudo systemctl start postgresql
sudo systemctl enable postgresql

サービスが正常に動作しているか確認するには、以下のコマンドを実行します。

bash
sudo systemctl status postgresql

1.2. macOSでのインストール

macOSでは、Homebrewを使用してインストールできます。

bash
brew update
brew install postgresql

インストール後、PostgreSQLサービスを開始します。

bash
brew services start postgresql

1.3. Windowsでのインストール

Windowsでは、PostgreSQLの公式サイト（https://www.postgresql.org/download/windows/）からインストーラーをダウンロードして、インストールを行います。インストール時には、管理者パスワードの設定やポート番号の指定が求められることがあります。

2. PostgreSQLの基本操作

PostgreSQLの基本的な操作には、データベースの作成、ユーザーの管理、テーブルの作成と操作、データの挿入と取得が含まれます。

2.1. データベースの作成

新しいデータベースを作成するには、以下のコマンドを使用します。

bash
sudo -u postgres createdb exampledb

このコマンドでexampledbという名前のデータベースが作成されます。

2.2. ユーザーの作成

PostgreSQLでは、ユーザーを作成してデータベースのアクセス権を管理します。新しいユーザーを作成するには、以下のコマンドを使用します。

bash
sudo -u postgres createuser --interactive

このコマンドを実行すると、ユーザー名や権限を設定できます。例えば、スーパーユーザー権限を持つユーザーを作成するには、次のようにします。

bash
sudo -u postgres createuser --pwprompt --superuser username

2.3. テーブルの作成

テーブルは、データベース内でデータを格納するための基本的な単位です。新しいテーブルを作成するには、以下のSQLコマンドを実行します。

sql
CREATE TABLE employees (
    id SERIAL PRIMARY KEY,
    name VARCHAR(100),
    position VARCHAR(100),
    salary NUMERIC
);

この例では、employeesというテーブルを作成し、id（主キー）、name、position、salaryという列を定義しています。

2.4. データの挿入

テーブルにデータを挿入するには、INSERT INTO文を使用します。

sql
INSERT INTO employees (name, position, salary) 
VALUES ('John Doe', 'Software Engineer', 80000);

複数のデータを一度に挿入することも可能です。

sql
INSERT INTO employees (name, position, salary) 
VALUES 
('Jane Smith', 'Product Manager', 95000),
('David Lee', 'Designer', 70000);

2.5. データの取得

データベースからデータを取得するには、SELECT文を使用します。

sql
SELECT * FROM employees;

特定の列だけを取得することもできます。

sql
SELECT name, position FROM employees;

さらに、条件を指定してデータを絞り込むことも可能です。

sql
SELECT * FROM employees WHERE salary > 75000;

3. PostgreSQLの管理

PostgreSQLでは、データベースやユーザー、テーブルの管理を効率的に行うためのツールやコマンドがいくつか用意されています。

3.1. バックアップとリストア

PostgreSQLでは、pg_dumpとpg_restoreを使用してデータベースのバックアップとリストアを行います。

バックアップの作成：

bash
pg_dump exampledb > exampledb_backup.sql

リストア：

bash
psql exampledb < exampledb_backup.sql

3.2. ログの管理

PostgreSQLのログは、システムのパフォーマンスやトラブルシューティングに役立ちます。ログの設定は、postgresql.confファイルで行います。ログファイルの出力先やログレベルを調整することができます。

3.3. インデックスの作成

インデックスは、検索性能を向上させるために使用されます。インデックスを作成するには、以下のようなSQLコマンドを使用します。

sql
CREATE INDEX idx_employee_name ON employees (name);

このコマンドは、employeesテーブルのname列にインデックスを作成します。

3.4. クエリの最適化

クエリの最適化は、PostgreSQLのパフォーマンスを向上させるために重要です。EXPLAINコマンドを使用して、クエリの実行計画を確認することができます。

sql
EXPLAIN SELECT * FROM employees WHERE salary > 75000;

このコマンドは、指定したクエリがどのように実行されるかを示す計画を表示します。

4. セキュリティの設定

PostgreSQLでは、ユーザーやホストごとにアクセス制限を設定することができます。pg_hba.confファイルで設定を行います。このファイルで、特定のIPアドレスやユーザーに対してどのような接続が許可されるかを設定します。

bash
# デフォルトでは、ローカルホストからの接続のみ許可
host    all             all             127.0.0.1/32            md5

また、パスワード認証やSSL接続の設定も行うことができます。

5. 高可用性とレプリケーション

PostgreSQLでは、データベースの高可用性を確保するためのレプリケーション機能が提供されています。主に以下の2種類のレプリケーションがサポートされています。

  • ストリーミングレプリケーション：データのリアルタイムでの複製。
  • ロジカルレプリケーション：データの選択的な複製。

レプリケーションの設定は、postgresql.confとpg_hba.confを適切に編集することによって実現できます。

6. 結論

PostgreSQLは、高度な機能を持つRDBMSであり、その管理と運用は非常に重要です。この記事で紹介した基本的な操作と管理方法を理解し、実際のプロジェクトに役立てることで、効率的で安定したデータベース運用が可能になります。

最終更新： 2月 22, 2025
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