Pythonは、簡潔で強力なプログラミング言語であり、データ処理において非常に広く使用されています。この言語は、さまざまなデータ型をサポートし、効率的な処理を実現するための基本的な操作も提供します。本記事では、Pythonで使用される主要なデータ型と、それらに対する基本的な操作について詳細に説明します。
1. 数値型(Numeric Types)
Pythonには、整数(int
)、浮動小数点数(float
)、および複素数(complex
)の3種類の数値型があります。

- 整数(int): 整数値を表すデータ型です。例えば、
42
や-7
などが整数型です。 - 浮動小数点数(float): 小数点を含む数値を表すデータ型です。例えば、
3.14
や-0.001
が浮動小数点数です。 - 複素数(complex): 実部と虚部を持つ数値を表すデータ型です。例えば、
1 + 2j
が複素数です。
基本的な操作
- 加算:
+
- 減算:
-
- 乗算:
*
- 除算:
/
(浮動小数点数の結果) - 整数除算:
//
(整数結果) - 余剰(剰余):
%
- べき乗:
**
pythonx = 5
y = 2
print(x + y) # 加算
print(x - y) # 減算
print(x * y) # 乗算
print(x / y) # 除算
print(x // y) # 整数除算
print(x % y) # 剰余
print(x ** y) # べき乗
2. 文字列型(String Type)
文字列(str
)は、テキストデータを表現するためのデータ型です。Pythonでは、シングルクォート('
)またはダブルクォート("
)で囲まれた文字列を作成します。
基本的な操作
- 文字列の連結:
+
- 繰り返し:
*
- インデックスアクセス:
[]
(0から始まるインデックス) - スライス:
[:]
(部分文字列の取得)
pythontext = "Hello"
print(text + " World") # 文字列の連結
print(text * 3) # 文字列の繰り返し
print(text[1]) # インデックスアクセス
print(text[1:4]) # スライス
3. リスト型(List Type)
リスト(list
)は、順序付きのデータ集合を表現するデータ型で、異なる型の要素を格納できます。リストは変更可能(mutable)です。
基本的な操作
- 要素の追加:
append()
- 要素の挿入:
insert()
- 要素の削除:
remove()
、pop()
- リストのスライス:
[:]
- 長さの取得:
len()
pythonmy_list = [1, 2, 3]
my_list.append(4) # 要素の追加
print(my_list)
my_list.insert(1, 10) # 要素の挿入
print(my_list)
my_list.remove(2) # 要素の削除
print(my_list)
print(my_list[1:3]) # スライス
print(len(my_list)) # 長さの取得
4. タプル型(Tuple Type)
タプル(tuple
)はリストと似ていますが、変更不可能(immutable)なデータ型です。タプルは丸括弧(()
)で囲まれます。
基本的な操作
- 要素のアクセス: インデックスを使用
- スライス: リストと同様に
[:]
を使用
pythonmy_tuple = (1, 2, 3)
print(my_tuple[0]) # インデックスアクセス
print(my_tuple[1:3]) # スライス
5. 辞書型(Dictionary Type)
辞書(dict
)は、キーと値のペアを格納するためのデータ型です。順序はPython 3.7以降では保持されます。
基本的な操作
- キーと値の追加:
[]
でアクセスして追加 - キーの検索:
in
を使用 - キーと値の削除:
del
pythonmy_dict = {"name": "Alice", "age": 25}
my_dict["city"] = "Tokyo" # 新しいキーと値の追加
print(my_dict)
print("name" in my_dict) # キーの存在確認
del my_dict["age"] # キーと値の削除
print(my_dict)
6. 集合型(Set Type)
集合(set
)は重複しない値の集まりを表現するデータ型です。順序は保証されません。
基本的な操作
- 要素の追加:
add()
- 要素の削除:
remove()
、discard()
- 和集合、積集合、差集合:
|
,&
,-
pythonmy_set = {1, 2, 3}
my_set.add(4) # 要素の追加
my_set.remove(2) # 要素の削除
print(my_set)
another_set = {3, 4, 5}
print(my_set & another_set) # 積集合
print(my_set | another_set) # 和集合
print(my_set - another_set) # 差集合
7. ブール型(Boolean Type)
ブール値(bool
)は、True
またはFalse
の2つの値を取るデータ型です。主に論理演算に使用されます。
基本的な操作
- 論理積:
and
- 論理和:
or
- 否定:
not
pythonx = True
y = False
print(x and y) # 論理積
print(x or y) # 論理和
print(not x) # 否定
まとめ
Pythonでは、さまざまなデータ型が提供されており、それぞれに対する基本的な操作を理解することが重要です。数値型、文字列型、リスト型、タプル型、辞書型、集合型、そしてブール型は、Pythonプログラミングにおける基本的な構成要素であり、これらを適切に活用することで、より効率的で読みやすいコードを作成することができます。