Red Hat Enterprise Linux (RHEL) 上でのストレージデバイスの管理は、特にサーバー環境において重要なスキルです。Parted
と SSM
(System Storage Manager)を使用することで、パーティション管理やストレージの効率的な運用が可能になります。本記事では、RHEL 上で Parted
と SSM
を用いてストレージデバイスを管理する方法について、実践的なステップを交えながら詳細に説明します。
Parted の概要とインストール
Parted
は、ディスクパーティションを作成、削除、変更、管理するためのツールです。多くの Linux ディストリビューションにおいて標準的に使用されており、RHEL でも利用可能です。Parted
を使うことで、ディスクのパーティションサイズを変更したり、複数のファイルシステムを持つディスクを構成したりできます。
インストール手順
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Parted パッケージの確認とインストール
RHEL 7 以降では、
Parted
はデフォルトでインストールされていない場合があります。以下のコマンドでインストールします。bashsudo yum install parted
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インストール確認
インストール後、
parted
コマンドが正しく動作するか確認します。bashparted --version
正常にインストールされていれば、
parted
のバージョン情報が表示されます。
Parted の基本的な使用方法
Parted
の主な機能は、ディスクのパーティション作成、削除、サイズ変更などです。以下に代表的なコマンドを紹介します。
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ディスクの確認
最初に、システムに接続されているディスクを確認します。
bashparted -l
これにより、システムに接続されているすべてのディスクとそのパーティション情報が表示されます。
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新しいパーティションの作成
新しいディスクにパーティションを作成する場合、まずそのディスクを選択し、パーティションを作成します。以下のコマンドでディスクを選択します。
bashsudo parted /dev/sdX
ここで
/dev/sdX
は対象となるディスク名です。ディスクを選択した後、以下のコマンドで新しいパーティションを作成します。bashmkpart primary ext4 0% 100%
これは、指定したディスクに
ext4
ファイルシステムを持つパーティションを作成するコマンドです。0%
は開始位置、100%
は終了位置を示します。 -
パーティションの変更や削除
既存のパーティションを変更したり削除したりする場合は、以下のコマンドを使用します。
bashrm 1
これは、最初のパーティションを削除するコマンドです。パーティション番号は
parted
の出力で確認できます。 -
パーティションのフォーマット
作成したパーティションをフォーマットするには、
mkfs
コマンドを使用します。例えば、ext4
ファイルシステムでフォーマットする場合、以下のコマンドを実行します。bashsudo mkfs.ext4 /dev/sdX1
ここで
/dev/sdX1
は作成したパーティションのデバイス名です。
SSM(System Storage Manager)の概要
SSM
(System Storage Manager)は、Red Hat Enterprise Linux 7 以降で利用可能なストレージ管理ツールで、特に複雑なストレージ環境の管理に役立ちます。SSM
を使用することで、RAID アレイの管理やボリュームの作成・管理を行うことができます。
SSM のインストール
RHEL において、SSM
を利用するためには ssm
パッケージをインストールする必要があります。以下のコマンドでインストールします。
bashsudo yum install ssm
インストール後、ssm
コマンドが使用可能になります。
SSM を用いたストレージの管理
SSM
を使ってストレージを管理するためには、いくつかの基本的なコマンドを覚えておく必要があります。
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ボリュームグループの作成
ボリュームグループ(VG)は、物理ボリューム(PV)をまとめる論理的なグループです。以下のコマンドで VG を作成します。
bashsudo vgcreate myvg /dev/sdX1
ここで、
myvg
は作成するボリュームグループ名、/dev/sdX1
は物理ボリュームです。 -
論理ボリュームの作成
ボリュームグループ内に論理ボリューム(LV)を作成するには、以下のコマンドを使用します。
bashsudo lvcreate -L 10G -n mylv myvg
このコマンドは、
myvg
ボリュームグループ内に 10GB の論理ボリュームmylv
を作成します。 -
論理ボリュームのフォーマット
作成した論理ボリュームをフォーマットするには、以下のコマンドを使用します。
bashsudo mkfs.ext4 /dev/myvg/mylv
これで、
mylv
という論理ボリュームにext4
ファイルシステムが適用されます。 -
ストレージの拡張
ストレージを拡張する場合、既存のボリュームグループに新しい物理ボリュームを追加することができます。
bashsudo vgextend myvg /dev/sdX2
これにより、
myvg
ボリュームグループに/dev/sdX2
という新しい物理ボリュームが追加されます。
結論
RHEL 上での Parted
と SSM
の使用は、ストレージデバイスの管理において非常に強力なツールです。Parted
は基本的なパーティション作成や変更に役立ち、SSM
はより高度なストレージ管理、特に論理ボリュームの作成やRAIDアレイの管理に非常に便利です。これらのツールを効果的に活用することで、RHEL 環境でのストレージ管理が大幅に簡便化され、システム管理者の負担を軽減することができます。