Rustのベクターの使い方

もちろん、Rustでベクター（Vectors）を使用して値のリストを格納する方法について、完全かつ包括的に説明します。

Rustにおけるベクター（Vectors）とは？

RustのVec型は、動的にサイズが変更可能な配列を表します。Vecは可変長のコレクションであり、要素を追加したり削除したりすることができます。このため、固定長の配列と違って、サイズを後から変更することができるという柔軟性があります。

ベクターの作成

ベクターを作成するためには、Rustの標準ライブラリに含まれているVec型を使用します。ここでTはベクターに格納するデータの型を指します。

rust
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// 空のベクターを作成する
let v: Vec<i32> = Vec::new();

// 初期値を持つベクターを作成する
let v = vec![1, 2, 3, 4, 5];

上記の例では、Vec::new()を使って空のベクターを作成し、vec!マクロを使って初期値を持つベクターを作成しています。vec!マクロは、ベクターを簡単に初期化するために非常に便利です。

ベクターに値を追加する

ベクターに要素を追加するには、pushメソッドを使用します。

rust
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let mut v = Vec::new();  // 可変ベクターとして定義

// 要素を追加する
v.push(1);
v.push(2);
v.push(3);

println!("{:?}", v);  // 出力: [1, 2, 3]

ここで、mutキーワードを使ってベクターを可変にし、pushメソッドを使用して値を追加しています。

ベクターの要素にアクセスする

ベクターの要素にアクセスするためには、インデックスを使います。インデックスは0から始まります。

rust
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let v = vec![1, 2, 3, 4, 5];

// インデックスを使って要素にアクセス
let second = v[1]; // 2番目の要素にアクセス

println!("2番目の要素は: {}", second);  // 出力: 2

注意点として、v[1]でインデックスを使って直接アクセスしていますが、インデックスが範囲外である場合はパニックを引き起こします。そのため、安全にアクセスするためにgetメソッドを使用することもできます。

rust
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let v = vec![1, 2, 3, 4, 5];

// getメソッドを使って安全にアクセス
if let Some(value) = v.get(1) {
    println!("2番目の要素は: {}", value);  // 出力: 2
} else {
    println!("範囲外です");
}

ベクターのサイズを取得する

ベクターのサイズを取得するには、lenメソッドを使用します。

rust
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let v = vec![1, 2, 3, 4, 5];

// ベクターのサイズを取得
let size = v.len();

println!("ベクターのサイズは: {}", size);  // 出力: 5

ベクターから要素を削除する

ベクターから要素を削除するには、popメソッドを使用します。popメソッドは、ベクターの最後の要素を削除して、その値を返します。

rust
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let mut v = vec![1, 2, 3, 4, 5];

// 最後の要素を削除
let last = v.pop();

println!("削除された要素は: {:?}", last);  // 出力: Some(5)
println!("現在のベクター: {:?}", v);       // 出力: [1, 2, 3, 4]

popメソッドは、要素が削除されるとSome(T)で削除した値を返し、空のベクターに対してはNoneを返します。

ベクターをイテレートする

ベクターの要素を反復処理するためには、forループを使うことができます。

rust
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let v = vec![1, 2, 3, 4, 5];

// イテレートして各要素を表示
for value in &v {
    println!("{}", value);
}

ここでは、&vでベクターを参照渡ししているため、値はコピーされません。

ベクターの値を変更する

ベクター内の値を変更するには、インデックスを使って要素にアクセスし、値を再代入します。

rust
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let mut v = vec![1, 2, 3, 4, 5];

// インデックスを使って値を変更
v[1] = 10;

println!("{:?}", v);  // 出力: [1, 10, 3, 4, 5]

ベクター内の要素を変更する場合、ベクターをmutで宣言する必要があります。

ベクターのメモリ管理

Rustでは、ベクターのメモリ管理が自動で行われます。ベクターの要素が不要になった場合、Rustは所有権とライフタイムに基づいて自動的にメモリを解放します。そのため、手動でメモリの解放を行う必要はありません。

rust
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fn main() {
    let v = vec![1, 2, 3];  // vがスコープを抜けるとメモリが解放される
}  // ここでvがドロップされる

結論

Rustでのベクターは非常に強力で柔軟なデータ構造であり、動的な配列として様々な操作を簡単に行うことができます。pushで要素を追加したり、インデックスやgetメソッドでアクセスしたり、popで削除することができます。また、メモリ管理が自動的に行われるため、開発者はその煩わしさから解放されます。

Rustのベクターは、コレクション型の中でも最も基本的でよく使われる型の一つであり、効率的で安全なプログラミングを支える重要なツールです。