開発運用

Sequelizeでのデータベース操作

最終更新： 2月 21, 2025
1 分の読み

Sequelizeは、Node.js用の強力なORM（Object Relational Mapper）であり、リレーショナルデータベース（RDBMS）との連携を簡単に行うことができます。Sequelizeを使用すると、SQLの知識がなくても、JavaScriptのオブジェクト指向プログラミングを用いてデータベース操作を行うことができます。この完全かつ包括的な記事では、Sequelizeを使用してリレーショナルデータベースを操作する方法を詳しく解説します。

Sequelizeの基本概念とインストール方法

Sequelizeは、MySQL、PostgreSQL、SQLite、MariaDB、Microsoft SQL Serverなど、さまざまなリレーショナルデータベースに対応しています。まず、Sequelizeをプロジェクトにインストールする必要があります。

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インストール

Sequelizeをインストールするには、以下のコマンドを使用します：

bash
npm install sequelize

さらに、データベースドライバ（例えば、MySQLの場合）は別途インストールする必要があります。MySQLの例を挙げると、次のようにインストールします。

bash
npm install mysql2

これで、SequelizeとMySQLのセットアップが完了しました。

データベース接続の設定

次に、Sequelizeを使用してデータベースに接続します。接続設定を行うためには、new Sequelize()を使用します。接続先のデータベース、ユーザー名、パスワードを指定する必要があります。

javascript
const { Sequelize } = require('sequelize');

// Sequelizeのインスタンスを作成
const sequelize = new Sequelize('データベース名', 'ユーザー名', 'パスワード', {
  host: 'ホスト名',  // 通常は localhost または IPアドレス
  dialect: 'mysql'  // 使用するデータベースの種類
});

// 接続テスト
async function testConnection() {
  try {
    await sequelize.authenticate();
    console.log('接続成功');
  } catch (error) {
    console.error('接続エラー:', error);
  }
}

testConnection();

このコードを実行することで、データベースへの接続が正常かどうか確認できます。

モデルの定義

Sequelizeでは、データベースのテーブルをモデルとして定義します。モデルは、テーブルの構造をJavaScriptのクラスで表現したものです。例えば、Userというテーブルを作成する場合、次のようにモデルを定義します。

javascript
const { DataTypes } = require('sequelize');

// Userモデルの定義
const User = sequelize.define('User', {
  id: {
    type: DataTypes.INTEGER,
    primaryKey: true,
    autoIncrement: true
  },
  name: {
    type: DataTypes.STRING,
    allowNull: false
  },
  email: {
    type: DataTypes.STRING,
    allowNull: false,
    unique: true
  }
}, {
  // オプション: テーブル名の指定
  tableName: 'users',
  timestamps: false // createdAt、updatedAtが不要な場合はfalse
});

ここでは、Userという名前のモデルを定義し、id、name、emailの3つのフィールドを持つテーブルを表しています。timestamps: falseは、createdAtやupdatedAtが不要な場合に設定します。

データの操作

Sequelizeを使用すると、データの作成、取得、更新、削除（CRUD操作）が簡単に行えます。

1. データの作成（Create）

javascript
async function createUser() {
  const newUser = await User.create({
    name: '山田太郎',
    email: '[email protected]'
  });
  console.log('新しいユーザーが作成されました:', newUser);
}

createUser();

User.create()メソッドを使用して、新しいユーザーをデータベースに追加します。

2. データの取得（Read）

Sequelizeには、データを検索するためのさまざまな方法があります。findAllメソッドを使用すると、条件に一致するすべてのレコードを取得できます。

javascript
async function getUsers() {
  const users = await User.findAll();
  console.log('すべてのユーザー:', users);
}

getUsers();

特定の条件でデータを取得したい場合は、whereオプションを使用します。

javascript
async function getUserByEmail(email) {
  const user = await User.findOne({
    where: { email: email }
  });
  console.log('メールアドレスでユーザーを検索:', user);
}

getUserByEmail('[email protected]');

3. データの更新（Update）

既存のデータを更新するには、updateメソッドを使用します。

javascript
async function updateUser() {
  const result = await User.update(
    { name: '田中太郎' },  // 更新内容
    { where: { email: '[email protected]' } }  // 条件
  );
  console.log('更新された行数:', result[0]);
}

updateUser();

4. データの削除（Delete）

データを削除するには、destroyメソッドを使用します。

javascript
async function deleteUser() {
  const result = await User.destroy({
    where: { email: '[email protected]' }
  });
  console.log('削除された行数:', result);
}

deleteUser();

リレーションシップの設定

Sequelizeでは、テーブル間のリレーションシップ（1対多、多対多など）を簡単に設定できます。例えば、UserとPostが1対多の関係にある場合、次のようにリレーションを定義します。

javascript
const Post = sequelize.define('Post', {
  title: DataTypes.STRING,
  content: DataTypes.TEXT
});

// UserとPostの1対多のリレーション
User.hasMany(Post);
Post.belongsTo(User);

ここで、User.hasMany(Post)は、1人のユーザーが複数の投稿を持つことを意味し、Post.belongsTo(User)は、各投稿が1人のユーザーに所属することを意味します。

リレーションシップを使って、ユーザーとその投稿を一緒に取得することができます。

javascript
async function getUserWithPosts(userId) {
  const user = await User.findByPk(userId, {
    include: Post  // Postを一緒に取得
  });
  console.log('ユーザーとその投稿:', user);
}

getUserWithPosts(1);

トランザクションの使用

複数の操作を1つのトランザクションとしてまとめることができます。これにより、すべての操作が成功した場合のみデータが反映され、途中でエラーが発生した場合はロールバックされます。

javascript
const { Op } = require('sequelize');

async function performTransaction() {
  const t = await sequelize.transaction();

  try {
    const user = await User.create({
      name: '佐藤花子',
      email: '[email protected]'
    }, { transaction: t });

    await Post.create({
      title: '新しい投稿',
      content: 'これは新しい投稿の内容です。',
      userId: user.id
    }, { transaction: t });

    await t.commit();
    console.log('トランザクションが正常にコミットされました');

最終更新： 2月 21, 2025
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