SharePointにデータベースサーバーをセットアップし、それをSharePointサイトと統合するためには、いくつかのステップが必要です。これにより、データベースとSharePointが連携し、効率的な情報管理とデータストレージが可能になります。この記事では、データベースサーバーのセットアップからSharePointへの統合まで、全ての手順を包括的に解説します。
1. データベースサーバーの準備
まず最初に、データベースをホストするサーバーを準備する必要があります。多くの場合、Microsoft SQL ServerがSharePointとの統合に使用されます。以下の手順でSQL Serverをセットアップします。

1.1 SQL Serverのインストール
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SQL Serverのダウンロードとインストール
Microsoftの公式ウェブサイトからSQL Serverの最新版をダウンロードします。インストール中に「データベースエンジン」機能を選択し、SQL Serverがデータベース管理に使用できるように設定します。 -
インスタンスの設定
インストール後、SQL Server Management Studio(SSMS)を使用して新しいデータベースインスタンスを作成します。インスタンス名は後でSharePointと接続する際に使用するため、適切に命名してください。
1.2 SQL Serverの設定
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認証モードの確認
SQL Serverの認証モードが「Windows認証」になっているか、「SQL Server認証」に切り替えます。SharePointとSQL Serverが異なる認証を使用している場合、設定に注意が必要です。 -
SQL Serverのファイアウォール設定
SQL Serverに外部からアクセスできるようにするため、ファイアウォールでSQL Serverが使用するポート(通常は1433)を開放します。 -
SQL Serverサービスの確認
SQL Serverサービスが正しく起動しているか、SQL Server Configuration Managerで確認します。
2. SharePointの準備
SharePointサーバーをインストールし、設定することも重要です。以下の手順でSharePointをセットアップします。
2.1 SharePointサーバーのインストール
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SharePointのダウンロードとインストール
Microsoftの公式サイトからSharePointのインストールファイルをダウンロードし、インストールウィザードに従ってSharePointをインストールします。 -
必要なサービスアカウントの作成
SharePointに必要なサービスアカウント(FarmアカウントやSQL Server用アカウント)を作成します。 -
SharePointファームの作成
インストール後、SharePoint管理シェルを使用して、ファームの作成を行います。これは、SharePointサイトとデータベースサーバーを接続するために必要です。
2.2 SQL Serverとの接続
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SQL Serverへの接続設定
SharePointファームの作成時に、使用するSQL Serverのインスタンスを指定します。このインスタンスは、後でSharePointのデータベースを管理するために使用されます。 -
データベースの作成
SharePointの設定ウィザードに従って、必要なデータベース(コンテンツデータベース、サービスアプリケーションデータベースなど)を作成します。
3. SharePointとSQL Serverの統合
SharePointとSQL Serverが統合されると、SharePointのデータや設定がSQL Server上に保存され、効率的に管理できます。この統合により、データの一元管理やバックアップの簡易化が実現します。
3.1 SharePointのデータベースの作成
SharePointファームを作成した後、管理シェルを使用してデータベースを作成します。以下のコマンドを使って、SQL Serverに接続し、必要なデータベースを作成します。
powershellNew-SPConfigurationDatabase -DatabaseServer "
" -DatabaseName "SharePoint_Config" -Passphrase <パスフレーズ> -FarmCredentials <ファームアカウント>
3.2 SQL Serverに接続する
SQL Serverのインスタンス名や接続設定が正しいことを確認し、SharePointが正常に接続できるようにします。接続の確認が取れたら、データベースの管理が可能になります。
3.3 データベースのバックアップと復元
SharePointのデータベースをSQL Server上でバックアップし、必要に応じて復元する方法も重要です。バックアップは、サーバー障害などに備えるために定期的に実施します。
powershellBackup-SPSite -Identity <サイトURL> -Path <バックアップパス>
4. SharePointとSQL Serverのパフォーマンスの最適化
データベースのパフォーマンスは、SharePointの速度や安定性に大きく影響します。以下の方法で、SQL ServerとSharePointのパフォーマンスを最適化できます。
4.1 SQL Serverのインデックス最適化
SQL Serverのデータベースでインデックスの最適化を行い、クエリ速度を向上させます。SharePointでの検索やデータ取得が高速化されます。
sqlUSE <データベース名>;
ALTER INDEX ALL ON <テーブル名> REBUILD;
4.2 SQL Serverのメモリ設定
SQL Serverのメモリ設定を最適化し、SharePointが高速に動作するようにします。十分なメモリを確保することで、データベースのパフォーマンスが向上します。
4.3 サーバーの負荷分散
SharePointとSQL Serverが同じサーバーで動作する場合、負荷分散を設定することでパフォーマンスを改善します。複数のSQL Serverインスタンスを使用して負荷を分散することができます。
5. 監視と管理
SharePointとSQL Serverが統合されることで、システム全体の監視と管理が必要になります。定期的なメンテナンスや監視を実施し、障害発生時には迅速に対応できる体制を整えます。
5.1 SQL Serverの監視
SQL Server Management Studioを使用して、データベースのパフォーマンスやエラーログを監視します。定期的にチェックすることで、問題が発生する前に対処できます。
5.2 SharePointの監視
SharePointのパフォーマンスやエラーログをSharePoint管理シェルや管理センターから確認できます。定期的なチェックとトラブルシューティングが重要です。
結論
SharePointとSQL Serverを統合することで、企業や組織は効率的なデータ管理を実現できます。適切な設定と監視を行うことで、データベースとSharePointのパフォーマンスを最適化し、システム全体の安定性と信頼性を高めることができます。