UbuntuやCentOSにおけるsudoers
ファイルの編集は、システムの管理者権限を持つユーザーが安全かつ効率的に操作できるように設定を行うために非常に重要です。このファイルを不適切に編集すると、システムのセキュリティや安定性に深刻な影響を及ぼす可能性があるため、慎重に取り扱う必要があります。以下では、sudoers
ファイルを安全に編集する方法について、UbuntuとCentOSそれぞれの環境における手順を詳細に説明します。
1. sudoers
ファイルとは?
sudoers
ファイルは、ユーザーがsudo
コマンドを使用して他のユーザー(通常はroot)の権限を借りてコマンドを実行するための設定ファイルです。このファイルに記載されている設定に基づいて、どのユーザーがどのコマンドを実行できるか、または実行できないかが決まります。sudoers
ファイルは通常、/etc/sudoers
というパスに格納されています。

2. sudoers
ファイルを編集する際の注意点
sudoers
ファイルの編集は非常に慎重に行わなければなりません。誤った設定を行うと、sudo
コマンドが使用できなくなり、システムに対する管理が困難になる場合があります。そのため、次の点に留意して編集を行う必要があります。
- エディタの選択:
sudoers
ファイルを直接編集する場合、必ずvisudo
コマンドを使用します。visudo
は、構文エラーを検出して警告を出してくれるため、誤った設定を防ぐことができます。 - バックアップ: 編集を行う前に、現在の
sudoers
ファイルのバックアップを取っておくと、安全に作業ができます。
3. Ubuntuでのsudoers
ファイルの編集方法
3.1 visudo
コマンドを使用する
Ubuntuでは、sudoers
ファイルの編集はvisudo
を使って行います。以下はその手順です。
-
ターミナルを開く:
ターミナルを開き、sudo
権限を持つユーザーでログインしていることを確認します。 -
sudoers
ファイルを開く:
visudo
コマンドを使って、sudoers
ファイルを開きます。ターミナルで以下のコマンドを実行します。nginxsudo visudo
-
エディタで
sudoers
ファイルを編集:
visudo
を実行すると、デフォルトのエディタ(通常はnano
やvim
)が開かれます。このエディタでsudoers
ファイルを編集します。例えば、特定のユーザーに全てのコマンドを
sudo
で実行できるように設定するには、以下のように記述します。sqlusername ALL=(ALL) ALL
また、ユーザーグループに対して設定を行うこともできます。例えば、
admin
グループに属するユーザーにsudo
権限を与える場合は次のように記述します。pgsql%admin ALL=(ALL) ALL
-
ファイルを保存して終了:
編集が完了したら、エディタの保存方法に従ってファイルを保存し、終了します。nano
の場合はCtrl + O
で保存し、Ctrl + X
で終了、vim
の場合は:wq
で保存して終了します。 -
構文エラーの確認:
visudo
はファイルを保存した後に構文エラーをチェックし、エラーがあれば警告を表示します。エラーがない場合は、編集が成功します。
3.2 一般的な設定例
-
特定のユーザーにsudo権限を与える:
sqlusername ALL=(ALL) ALL
-
グループにsudo権限を与える:
sql%groupname ALL=(ALL) ALL
-
特定のコマンドのみ実行できるようにする:
sqlusername ALL=(ALL) /usr/bin/apt-get
4. CentOSでのsudoers
ファイルの編集方法
CentOSも基本的にsudoers
ファイルの編集にはvisudo
を使用します。Ubuntuと手順はほとんど同じですが、CentOSでは少し異なる点があるため、それを説明します。
4.1 sudoers
ファイルを編集する
-
ターミナルを開く:
CentOSでも、sudo
権限を持つユーザーでログインし、ターミナルを開きます。 -
sudoers
ファイルを開く:
visudo
コマンドを使って、sudoers
ファイルを編集します。ターミナルで以下のコマンドを実行します。nginxsudo visudo
-
ファイルを編集:
エディタが開いたら、sudoers
ファイルを編集します。Ubuntuと同様に、ユーザーに対する設定を追加します。例えば、
sudo
を使用できる特定のユーザーを設定する場合:sqlusername ALL=(ALL) ALL
さらに、特定のコマンドにのみアクセスを許可する場合は:
sqlusername ALL=(ALL) /usr/bin/yum
-
保存して終了:
編集が終了したら、Ctrl + O
で保存し、Ctrl + X
でnano
を終了するか、vim
では:wq
で保存して終了します。 -
エラーチェック:
visudo
は構文エラーがあれば警告を出しますので、エラーがあれば修正してください。
4.2 グループ設定
CentOSでは、グループに対してsudo
権限を与えることができます。例えば、wheel
グループに対してsudo
権限を付与する場合、以下のように記述します。
sql%wheel ALL=(ALL) ALL
5. よくあるエラーと対処法
sudoers
ファイルを編集する際に発生する可能性のあるエラーとしては以下のようなものがあります。
- 構文エラー:
sudoers
ファイルに誤った構文が含まれていると、sudo
コマンドが使用できなくなることがあります。visudo
でエラーチェックを行ってください。 - 権限の設定ミス: 誤って他のユーザーに不適切な権限を与えた場合、システムのセキュリティが脅かされます。最小権限の原則に従い、必要最低限の権限のみを付与するように心がけましょう。
6. 結論
sudoers
ファイルの編集はシステム管理の重要な部分であり、その編集には細心の注意が必要です。UbuntuやCentOSのいずれの場合でも、visudo
コマンドを使用して編集することで、構文エラーを防ぎ、安全に設定を変更することができます。設定後は必ず変更内容を確認し、問題がないことを確認してからシステムを再起動しましょう。