プログラミング

SvelteのStores完全ガイド

Svelteの「Stores」機能は、状態管理のためのシンプルで効率的な方法を提供します。この記事では、SvelteにおけるStoresの使用方法について、基本的な概念から実際の利用方法までを包括的に解説します。Svelteの特長であるリアクティブなデータフローを活かしながら、状態をアプリケーション全体で簡単に管理する方法を学びましょう。

1. Svelteの状態管理の概念

Svelteでは、コンポーネントの状態を簡単に管理するための手段として、ストア(Stores)を使用します。これにより、グローバルに共有する必要のあるデータや、複数のコンポーネント間で同期が求められる状態を効率よく管理できます。SvelteのStoresは、アプリケーションの状態を管理するための中心的な役割を果たします。

2. Storesの種類

Svelteには、主に3種類のストアがあります:

2.1 Writable Store(書き込み可能なストア)

最も一般的なストアで、値の読み書きが可能です。writable関数を使用して作成します。例えば、カウントを管理する簡単なストアを以下のように作成できます:

javascript
// store.js import { writable } from 'svelte/store'; export const count = writable(0);

このストアは、カウントの値を管理します。コンポーネント内でこのストアを使用することで、カウントの変更がリアクティブに反映されます。

svelte

カウント: {$count}

2.2 Readable Store(読み取り専用のストア)

readableストアは、値が変更されない場合に使用します。これは通常、外部データ(APIレスポンスなど)を格納する際に利用されます。例えば、APIから取得したデータを保持するストアは次のように作成できます:

javascript
// store.js import { readable } from 'svelte/store'; export const data = readable([], set => { fetch('https://api.example.com/data') .then(response => response.json()) .then(result => set(result)); return () => {}; });

このように、set関数を使って非同期データをストアにセットします。readableストアは変更不可で、外部からの変更が必要な場合はwritableを使うべきです。

2.3 Derived Store(派生ストア)

derivedストアは、他のストアの値を元に新しい値を計算するために使用されます。例えば、カウントの2倍の値を表示する派生ストアは次のように作成できます:

javascript
// store.js import { writable, derived } from 'svelte/store'; export const count = writable(0); export const doubleCount = derived(count, $count => $count * 2);

このdoubleCountストアは、countの値に基づいて計算された2倍の値を保持します。$countの値が変更されると、自動的にdoubleCountも更新されます。

3. Storesの使用方法

3.1 ストアの購読

Svelteでは、ストアを購読することでその値にアクセスし、変更をリアクティブに反映させることができます。購読は、ストアの値に$を付けてアクセスします。例えば、countストアを購読するには次のように記述します:

svelte

現在のカウント: {$count}

ここで、$countはストアの現在の値を示し、countが更新されると自動的に表示される値も更新されます。

3.2 ストアの更新

ストアの値を更新するには、setまたはupdateメソッドを使用します。setは値を直接設定する場合に使用し、updateは現在の値を基に新しい値を計算して更新します。

javascript
// setを使用して直接設定 count.set(10); // updateを使用して現在の値を基に更新 count.update(n => n + 1);

updateは、現在の値を引数として受け取り、それを基に新しい値を返す関数を引数として渡します。

4. ストアの利点と使用シーン

SvelteのStoresは非常に効率的で使いやすいですが、どのような場合に使用するのが適切か理解することが重要です。

4.1 グローバルな状態管理

アプリケーション全体で共有する状態(例えば、ユーザーのログイン情報、テーマ設定など)を管理するのに最適です。複数のコンポーネントで状態を同期させる場合、ストアを使用することで簡単に管理できます。

4.2 非同期データの管理

APIからのデータを管理する場合、readableストアを使用して非同期データを格納し、リアクティブにUIを更新することができます。これにより、ユーザーはデータがロードされるのを待つことなく、アプリケーションを使い続けることができます。

4.3 コンポーネント間のデータ共有

親コンポーネントから子コンポーネント、または異なる階層にあるコンポーネント間でデータを共有する場合にも便利です。writableストアを使用して、どのコンポーネントからでもデータを読み書きできます。

5. Svelte Storesとリアクティブプログラミング

Svelteの最大の特徴は、状態の変更が自動的にUIに反映されるリアクティブなデータフローです。ストアを使用することで、アプリケーションの状態管理が簡単になり、コードの可読性とメンテナンス性が向上します。$を使ってストアの値にアクセスすることで、Svelteはバックグラウンドで変更を追跡し、最適なタイミングでUIを更新します。

6. まとめ

SvelteのStoresは、状態管理をシンプルかつ効果的に行うための強力なツールです。writablereadablederivedストアを使い分けることで、アプリケーションのさまざまな状態を管理し、UIをリアクティブに保つことができます。ストアは、状態を共有したり非同期データを管理したりする場合に特に有用で、Svelteのアプローチを最大限に活用するための基盤となります。

Back to top button