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ネットワーク

TCP/IPの基本と動作

最終更新： 08/03/2025
1分未満

TCP/IP（Transmission Control Protocol/Internet Protocol）は、インターネットやローカルネットワークでのデータ通信を支える重要なプロトコルです。このプロトコルスイートは、インターネット上でデータの転送や接続を管理するための規則や手順を提供します。TCP/IPは、複数のネットワーク機器間での通信を円滑に行うために欠かせない技術であり、その動作は複数の階層に分かれていることが特徴です。

本記事では、TCP/IPの各層とその動作について詳しく説明します。また、各層がどのように相互に作用してデータを転送するのかを、実際のプロセスに沿って理解していきます。

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1. TCP/IPのモデルとは

TCP/IPモデルは、OSI（Open Systems Interconnection）参照モデルに似た概念を持ちながらも、よりシンプルな構成をしています。TCP/IPは主に4つの層で構成されており、それぞれの層が異なる機能を担当しています。これらの層は次のように分類されます。

  1. アプリケーション層
  2. トランスポート層
  3. インターネット層
  4. ネットワークインターフェース層（リンク層）

それぞれの層がどのような役割を果たし、データがどのように通信経路をたどるのかを見ていきましょう。

2. アプリケーション層

アプリケーション層は、ネットワーク通信の最上位に位置する層で、ユーザーやアプリケーションが直接やりとりするデータの処理を担当します。この層では、実際のデータ送信や受信を行うために、特定のプロトコルが使用されます。代表的なプロトコルには以下のようなものがあります。

  • HTTP（HyperText Transfer Protocol）：ウェブブラウザがウェブサーバーと通信するためのプロトコル。
  • FTP（File Transfer Protocol）：ファイル転送を行うためのプロトコル。
  • SMTP（Simple Mail Transfer Protocol）：メール送信のためのプロトコル。
  • POP3（Post Office Protocol 3）：メール受信のためのプロトコル。

これらのプロトコルは、最終的にユーザーが利用するアプリケーション（ウェブブラウザやメールクライアントなど）を介してデータをやり取りするため、ユーザーが直接操作する層となります。

3. トランスポート層

トランスポート層は、データの転送を管理する層で、通信の信頼性やデータの整合性を保証します。この層では、主に2つのプロトコルが使用されます。

  • TCP（Transmission Control Protocol）：信頼性の高い通信を提供するため、データの分割、順序付け、再送制御などを行います。TCPはコネクション型プロトコルであり、通信を始める前に接続の確立を行い、データ転送後に接続を終了します。

  • UDP（User Datagram Protocol）：TCPと異なり、コネクションレス型のプロトコルで、データ転送の速度は速いものの、信頼性は低いです。エラーのチェックやデータの順序保証がないため、リアルタイム性が要求されるアプリケーション（例えば、音声通話やオンラインゲーム）で利用されることが多いです。

トランスポート層は、アプリケーション層から受け取ったデータを、適切な方法でインターネット層へ渡し、データが正しく送受信されるように管理します。

4. インターネット層

インターネット層は、ネットワーク間でデータを送信するためのルーティングを担当する層です。この層で使用される主なプロトコルは**IP（Internet Protocol）**です。IPは、データが送信元から目的地に正確に届けられるように、ルーティング（経路選択）を行います。

  • IPv4：現在、最も広く使用されているIPのバージョンで、32ビットのアドレスを使用します。IPv4アドレスは、4つの数字（例：192.168.1.1）で表され、最大で約43億個のユニークなアドレスを提供します。

  • IPv6：IPv4のアドレス空間が枯渇したことに対処するために登場した新しいバージョンです。IPv6は128ビットのアドレスを使用し、無限に近い数のユニークなアドレスを提供します。

インターネット層では、IPアドレスに基づいてパケットがルーティングされ、目的地に届けられます。この層では、データがネットワーク内をどのように転送されるか、また中継される経路を管理するため、通信の効率性と確実性が重要です。

5. ネットワークインターフェース層（リンク層）

ネットワークインターフェース層は、実際のハードウェア（ネットワークカードやルーターなど）とデータ通信を行う層です。この層では、物理的な接続を通じてデータが送信されます。リンク層では、データのフレーミング、エラーチェック、およびハードウェアアドレスの管理を行います。

この層で使用されるプロトコルには、イーサネット（Ethernet）やWi-Fiなどがあります。リンク層は、パケットが最終的に物理的なメディア（例えば、ケーブルや無線）を通じて送受信されるため、この層の安定性と効率性がネットワーク全体のパフォーマンスに大きな影響を与えます。

6. データの転送プロセス

TCP/IPの各層は、データを適切に転送するために協力し合っています。実際にデータが転送されるプロセスは以下のようになります。

  1. アプリケーション層でデータが生成されます（例えば、ウェブページのリクエスト）。
  2. データはトランスポート層で処理され、信頼性が確保されます（例えば、TCP接続の確立）。
  3. 次に、インターネット層でIPアドレスに基づきルーティングされ、宛先へ向けて転送されます。
  4. 最後に、データはネットワークインターフェース層で物理的に送信されます。

このプロセスが逆に行われることで、受信側でもデータが正しく復元され、アプリケーション層で利用可能な状態に変換されます。

7. 結論

TCP/IPは、インターネットやローカルネットワークでのデータ通信を支える中核的な技術です。各層が密接に連携し、データの信頼性や効率性を高めるために重要な役割を果たしています。アプリケーション層からネットワークインターフェース層までの各層の動作を理解することは、ネットワーク技術を深く理解し、より効率的な通信を実現するための第一歩となります。

最終更新： 08/03/2025
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