TOEFL（トーフル）とIELTS（アイエルツ）は、英語を母国語としない人々の英語能力を測定するための最も広く認識された国際的な試験です。両者は英語力を測るための主要な試験ですが、それぞれの試験には特徴的な違いがあります。この記事では、TOEFLとIELTSの違いについて詳しく説明し、さらにそれぞれの試験に対する効果的な準備方法についても触れます。
TOEFLとIELTSの違い
1. 試験の形式
TOEFLとIELTSは共にリスニング、リーディング、ライティング、スピーキングの4つのセクションで構成されていますが、それぞれの試験形式は異なります。
-
TOEFL（Test of English as a Foreign Language）
TOEFLは、主にアメリカの大学に入学するための英語力を測定する試験で、主にインターネットを使用して行うiBT（Internet-based Test）が一般的です。TOEFLはアメリカ英語に基づいた内容が多く、試験はすべてコンピューターで実施されます。スピーキングセクションでは、コンピューターマイクに向かって話す形式です。 -
IELTS（International English Language Testing System）
IELTSは、イギリス、オーストラリア、カナダなどの英語圏の大学での入学を目指す学生や移住希望者のための試験です。IELTSにはアカデミックとジェネラルモジュールがあります。アカデミックモジュールは主に大学進学を目指す人向け、ジェネラルモジュールは移住や職業に関連した英語能力を測るためのものです。IELTSの試験はペーパー（紙）とコンピューターベースの両方がありますが、スピーキングセクションでは対面で試験官と会話をする形式です。
2. 試験のスコアリング
TOEFLとIELTSのスコアリングシステムには明確な違いがあります。
-
TOEFLのスコアリング
TOEFLは各セクションごとに0点から30点のスコアが付与され、合計120点満点となります。例えば、リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング各セクションが30点満点で評価され、全体の合計スコアが算出されます。 -
IELTSのスコアリング
IELTSでは、各セクション（リスニング、リーディング、ライティング、スピーキング）のスコアが0から9までのバンドスコアで評価され、総合スコアも9.0が最高点となります。各セクションでのスコアを平均して、最終的なバンドスコアが決まります。
3. 試験の時間
TOEFLとIELTSの試験時間にも違いがあります。
-
TOEFL
TOEFLの試験時間は約3時間半で、休憩なしで全セクションを受ける必要があります。 -
IELTS
IELTSの試験時間は約2時間45分で、リスニング、リーディング、ライティングのセクションが連続して行われ、スピーキングセクションは別の日に実施される場合もあります。
4. 試験内容の難易度と形式
-
TOEFLの難易度
TOEFLはアメリカ英語を中心にした内容で、特に学術的な文章や会話が多く含まれます。問題形式は基本的に選択肢から正しい答えを選ぶタイプが多いです。スピーキングもコンピューターに向かって答えるため、対面式のやり取りに慣れている人にとっては少し慣れるのに時間がかかるかもしれません。 -
IELTSの難易度
IELTSは、英語のリスニングやスピーキングで実際の会話に近い状況をシミュレートするため、より実践的な英語力が求められます。スピーキングセクションでは、試験官との直接対話が必要です。リーディングやライティングは、特に多様な内容が出題され、ライティングのタスク1ではデータの解釈や図表の分析が求められることがあります。
TOEFLとIELTSの準備方法
1. TOEFLの準備方法
TOEFLの準備は、まず試験の各セクションの形式と内容に慣れることから始めます。特にリスニングとスピーキングは、アメリカ英語を聞き取る力を養うために重要です。TOEFLの公式問題集や模擬試験を使用して実際の試験に近い環境を作り、時間内に解答できるように練習します。
- リスニング: TED Talksやポッドキャストなど、英語での講義やインタビューを定期的に聴き、内容を理解する練習をします。
- リーディング: 学術的なテキストや記事を読み、要点をつかむ練習をします。文章の理解力を高めるために、辞書を使わずに読んでみましょう。
- ライティング: TOEFLのライティングセクションでは、エッセイを書く力が求められます。実際にエッセイを作成し、時間内に仕上げる練習が必要です。
- スピーキング: コンピューターを使って練習できるアプリや模擬試験を活用して、発音や流暢さを向上させます。
2. IELTSの準備方法
IELTSの準備では、実際の試験の形式に慣れることが重要です。特にスピーキングセクションでは、試験官との対面での会話を想定した練習を行います。自分の意見や考えを述べる力を養うために、日常的に英語で会話をすることが有効です。
- リスニング: 様々なアクセントに慣れるため、イギリス英語、アメリカ英語、オーストラリア英語など、異なる英語の音声を聴くようにしましょう。
- リーディング: IELTSでは長文読解が多いため、速読力と同時に情報を正確に捉える力を鍛えます。
- ライティング: タスク1（グラフや表の解釈）とタスク2（エッセイ）の両方で練習が必要です。論理的に自分の意見を述べる力を養います。
- スピーキング: 日常的に英語を使う機会を増やし、英語で自分の意見を表現する練習をしましょう。英会話教室やオンライン英会話で実践的な会話を繰り返すことが有効です。
結論
TOEFLとIELTSはどちらも重要な英語試験ですが、それぞれに特徴があります。TOEFLはアメリカ英語に基づく試験で、コンピューターでの解答が主流です。一方、IELTSはイギリス英語を基にした試験で、スピーキングセクションが対面式という点が特徴です。どちらの試験を選ぶかは、進学先の国や試験形式に対する適性を考慮して決めることが重要です。
いずれにせよ、どちらの試験でも準備は徹底的に行う必要があります。模擬試験や問題集を活用し、実際の試験と同じような環境で練習を積むことが、成功への近道となるでしょう。