WordPressでTrackbackやPingbackによって発生するスパムを完全に防ぐための方法を解説します。TrackbackとPingbackは、他のウェブサイトから自分のサイトへのリンクを自動的に通知する仕組みであり、通常は良質なコンテンツを示すものですが、スパムとして悪用されることがよくあります。この問題に対処するためには、いくつかの方法を駆使することが必要です。以下にその詳細な手順を説明します。
1. TrackbackとPingbackを無効にする
まず、TrackbackとPingbackを完全に無効にする方法を紹介します。この方法は、スパムが完全に不要な場合に最も有効です。

ステップ 1: 設定メニューから無効化
WordPressの管理画面にログインし、次の手順でTrackbackとPingbackを無効にできます。
- 管理画面にログインし、「設定」メニューを選択します。
- 「ディスカッション」を選択します。
- 「他のブログからのPingbackやTrackbackを受け入れる」のチェックを外します。
- 設定を保存します。
これにより、今後TrackbackとPingbackの通知を受け取ることがなくなり、スパムも防げます。
ステップ 2: 個別投稿で無効化
個別の投稿ページでもTrackbackとPingbackを無効にすることができます。これにより、特定の投稿だけでTrackbackやPingbackを防ぐことができます。
- 投稿作成画面に移動し、画面右上の「表示オプション」をクリックします。
- 「ディスカッション」オプションをチェックします。
- 投稿編集画面に「ディスカッション」セクションが表示されるので、「この投稿へのPingbackとTrackbackを許可する」のチェックを外します。
- 投稿を更新または公開します。
この設定を行うことで、特定の投稿におけるTrackbackやPingbackを無効化できます。
2. スパム対策プラグインの使用
TrackbackやPingbackによるスパムを完全にブロックするために、いくつかのプラグインを活用することができます。以下はその例です。
Akismet Anti-Spam
Akismetは、WordPressの公式プラグインで、スパムコメントを自動的に検出してフィルタリングするツールです。このプラグインは、TrackbackやPingbackから発生するスパムを効果的に防ぐことができます。
- Akismetプラグインをインストールし、有効化します。
- 設定に従って、AkismetのAPIキーを取得し、設定画面で登録します。
- プラグインが有効化されると、自動的にスパムのフィルタリングを開始します。
No Self Pings
No Self Pingsは、自分のサイト内で発生するPingbackを防ぐプラグインです。WordPressサイト内で、自己Pingbackがスパムとして誤認されることがあるため、このプラグインを使用することで問題を解決できます。
- No Self Pingsプラグインをインストールし、有効化します。
- プラグインは自動的に動作し、自己Pingbackをブロックします。
3. スパム通知を管理する
WordPressでは、PingbackやTrackbackによる通知を手動で管理することもできます。通知を受けた際、スパムかどうかを判断するために、いくつかの管理方法を試みることができます。
ステップ 1: スパムコメントの手動チェック
WordPressの管理画面では、スパムと判定されたコメントやPingbackを「コメント」セクションで確認できます。ここではスパムとして検出されたPingbackやTrackbackがリスト表示されます。これらを手動で削除することができます。
ステップ 2: コメント承認の設定
コメントの承認を手動で行う設定を有効にすることで、スパムコメントを事前に確認できます。この設定は、スパムコメントのリスクを減らすために有効です。
- 「設定」→「ディスカッション」で「コメントは手動で承認する」をチェックします。
- 新しいコメントやPingbackは、管理者が確認するまで公開されません。
4. サーバー側の対策
サーバー設定で、TrackbackやPingbackのリクエストを制限することも可能です。この方法は少し高度ですが、効果的です。
ステップ 1: .htaccessファイルで制限
サーバーの.htaccess
ファイルを編集して、TrackbackやPingbackのリクエストを制限することができます。以下のコードを追加します。
apache# Block trackbacks and pingbacks
RewriteCond %{REQUEST_METHOD} POST RewriteCond %{HTTP_REFERER} ^http://(.*)?example.com [NC] RewriteRule .* - [F]
このコードは、特定のドメインからのPingbackを拒否することができます。example.com
の部分を適切なドメイン名に置き換えてください。
5. 定期的なサイトの監視とメンテナンス
最後に、TrackbackやPingbackによるスパムを防ぐために、定期的な監視とメンテナンスを行うことが重要です。スパムが発生した場合、すぐに削除することで、サイトのクリーンさを保つことができます。
- スパムコメントやPingbackの定期的な確認
- プラグインやWordPress本体のアップデート
- サーバーのセキュリティ設定の確認
結論
TrackbackやPingbackによるスパムは、WordPressサイトの運営者にとって非常に厄介な問題ですが、上記の方法を駆使すれば、そのリスクを大幅に減らすことができます。TrackbackやPingbackを完全に無効にしたり、効果的なプラグインを導入したり、サーバー設定を調整することで、スパムを防ぐことが可能です。定期的な監視とメンテナンスも行い、健全なサイト運営を心掛けましょう。