PHP 7へのアップグレードは、サーバーのパフォーマンス向上と新機能の利用を可能にするため、多くのウェブ開発者にとって重要なステップです。特に、Ubuntu 14.04を使用している場合、PHPのバージョンを更新することは、セキュリティの改善やバグ修正に役立ちます。このガイドでは、Ubuntu 14.04上でPHP 7にアップグレードする方法を詳細に説明します。
1. システムの準備
PHP 7をインストールする前に、システムが最新であることを確認する必要があります。これにより、依存関係の問題を防ぎ、スムーズなインストールが可能になります。
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ターミナルを開きます。
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以下のコマンドを実行して、パッケージリストを更新します。
bashsudo apt-get update
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システムを最新の状態に更新します。
bashsudo apt-get upgrade
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必要に応じて、システムを完全にアップグレードします。
bashsudo apt-get dist-upgrade
これで、システムは最新の状態になりました。
2. PHP 7 リポジトリの追加
Ubuntu 14.04の公式リポジトリにはPHP 7が含まれていないため、PHP 7を提供するサードパーティのリポジトリを追加する必要があります。ondrej/php
リポジトリは、PHPの複数のバージョンを提供しており、信頼性の高いリポジトリとして広く利用されています。
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必要なパッケージをインストールします。
bashsudo apt-get install software-properties-common
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ondrej/php
リポジトリを追加します。bashsudo add-apt-repository ppa:ondrej/php
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リポジトリ情報を更新します。
bashsudo apt-get update
3. PHP 7のインストール
リポジトリが追加されたら、PHP 7をインストールできます。ここでは、PHP 7.4を例に説明します。
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PHP 7.4をインストールするコマンドを実行します。
bashsudo apt-get install php7.4
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PHP 7の必要なモジュールをインストールします。多くのウェブアプリケーションは、追加のPHPモジュールを必要とすることがあるため、これらをインストールします。
例えば、次のコマンドで一般的に使用されるモジュールをインストールできます。
bashsudo apt-get install php7.4-cli php7.4-fpm php7.4-mysql php7.4-xml php7.4-mbstring php7.4-curl php7.4-zip
4. PHP 7の設定と確認
インストールが完了したら、PHP 7が正しくインストールされているかを確認します。
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PHPのバージョンを確認するには、次のコマンドを実行します。
bashphp -v
このコマンドでPHP 7.4.xが表示されれば、インストールが成功しています。
5. Apacheの設定(必要な場合)
もしApacheを使用している場合、PHP 7をApacheに適用する必要があります。以下の手順を実行してください。
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ApacheのPHP 7モジュールをインストールします。
bashsudo apt-get install libapache2-mod-php7.4
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Apacheを再起動して、PHP 7を有効にします。
bashsudo systemctl restart apache2
6. Nginxの設定(必要な場合)
もしNginxを使用している場合、PHP-FPMを設定する必要があります。
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PHP-FPMサービスが自動的に開始されるように設定します。
bashsudo systemctl enable php7.4-fpm
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Nginxの設定ファイルを編集して、PHP 7を使用するようにします。
/etc/nginx/sites-available/your-site
ファイルを開き、次のように設定を変更します。nginxlocation ~ \.php$ { include snippets/fastcgi-php.conf; fastcgi_pass unix:/var/run/php/php7.4-fpm.sock; fastcgi_param SCRIPT_FILENAME $document_root$fastcgi_script_name; include fastcgi_params; }
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Nginxを再起動して設定を反映させます。
bashsudo systemctl restart nginx
7. 古いPHPバージョンの削除(オプション)
PHP 7が正常に動作していることを確認した後、古いPHPバージョンを削除することをお勧めします。これにより、システムのクリーンアップとセキュリティの強化が行えます。
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古いバージョンのPHPをアンインストールします。例えば、PHP 5.5を削除するには次のコマンドを実行します。
bashsudo apt-get remove php5.5 php5.5-cli php5.5-fpm php5.5-mysql
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不要な依存関係を削除します。
bashsudo apt-get autoremove
8. PHP 7の動作確認
最後に、PHP 7が正しく動作しているかを確認するために、簡単なPHPスクリプトを作成して、ブラウザで実行してみます。
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info.php
という名前のファイルを作成し、次の内容を入力します。phpphpinfo(); ?>
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作成したファイルをウェブサーバーのドキュメントルートに配置します。例えば、Apacheの場合は
/var/www/html
ディレクトリに配置します。bashsudo mv info.php /var/www/html/
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ブラウザで
http://your-server-ip/info.php
にアクセスし、PHPの設定情報が表示されることを確認します。
9. 終わりに
これで、Ubuntu 14.04にPHP 7が正常にインストールされ、ウェブサーバーに適用されました。PHP 7は、パフォーマンスの向上、セキュリティの改善、バグ修正など、さまざまな利点を提供します。これらの手順を通じて、あなたのウェブアプリケーションはより効率的で安全に動作するようになります。
問題が発生した場合は、ApacheやNginxの設定ファイルを再確認し、必要なPHPモジュールが正しくインストールされているかを確認してください。また、PHPのエラーログも確認することで、トラブルシューティングが容易になります。