Bro(現在はZeekとして知られる)をUbuntu 16.04にインストールする方法についての完全かつ包括的なガイド
ネットワーク監視の重要性は年々増しており、その中でもZeek(以前はBroとして知られていた)は非常に有力なツールの一つです。Zeekは、ネットワークトラフィックを監視し、解析するためのオープンソースのフレームワークであり、ネットワークのセキュリティインシデントの検出に非常に有効です。このガイドでは、Ubuntu 16.04にZeek(Bro)をインストールするための手順を詳細に説明します。
前提条件
このガイドを実行する前に、以下の前提条件を確認してください:
- Ubuntu 16.04 サーバーがインストールされていること
- 管理者権限を持つユーザーアカウントが必要です。
- サーバーはインターネットに接続されている必要があります。
- 必要なパッケージや依存関係をインストールするための作業環境が整っていること
それでは、実際にインストールを始めていきましょう。
1. システムの更新
まず最初に、システムが最新の状態であることを確認します。ターミナルを開き、以下のコマンドを入力して、パッケージリストを更新します。
bashsudo apt-get update sudo apt-get upgrade -y
これにより、システムにインストールされているパッケージが最新のものに更新されます。
2. 必要な依存関係のインストール
次に、Zeekをインストールするために必要な依存関係をインストールします。これには、build-essential
、cmake
、python
などが含まれます。以下のコマンドでこれらをインストールします。
bashsudo apt-get install -y build-essential cmake git libssl-dev zlib1g-dev \ libpcap-dev python-dev python3-dev \ libgeoip-dev libmagic-dev
これらのパッケージは、Zeekのビルドと動作に必要なライブラリやツールを提供します。
3. Zeek(Bro)のインストール
Zeekをインストールするためには、まず公式リポジトリからソースコードを取得する必要があります。以下の手順に従って、Zeekのソースコードをダウンロードし、ビルドします。
3.1. Zeekのソースコードのダウンロード
GitHubからZeekの最新のリリースをクローンするために、次のコマンドを使用します。
bashcd /opt
sudo git clone https://github.com/zeek/zeek.git
これにより、/opt/zeek
ディレクトリにZeekのソースコードがダウンロードされます。
3.2. Zeekのビルドとインストール
次に、ダウンロードしたソースコードをビルドし、インストールします。まず、ビルドディレクトリを作成します。
bashcd /opt/zeek
sudo ./configure
sudo make
sudo make install
これにより、Zeekがコンパイルされ、システムにインストールされます。インストールが完了するまで数分かかる場合があります。
4. Zeekの設定
インストールが完了した後、Zeekを正しく動作させるために設定を行います。設定ファイルは/opt/zeek/etc
ディレクトリにあります。基本的な設定はデフォルトで良いのですが、ネットワークインターフェースやログの設定を変更する場合は、以下のファイルを編集します。
4.1. インターフェースの設定
Zeekが監視するネットワークインターフェースを設定するために、/opt/zeek/etc/node.cfg
ファイルを開きます。
bashsudo nano /opt/zeek/etc/node.cfg
ファイル内で、使用するインターフェース(例えばeth0
)を指定します。以下のように設定します。
ini[zeek]
type=worker
host=localhost
interface=eth0
ここでinterface=eth0
の部分を、実際に使用するネットワークインターフェースに変更します。
4.2. ログの設定
Zeekはデフォルトでログを/opt/zeek/logs
ディレクトリに保存します。ログのフォーマットや出力先を変更する場合は、設定ファイルを編集します。
bashsudo nano /opt/zeek/etc/zeek.cfg
必要に応じて、ログ設定を調整します。
5. Zeekの起動
Zeekをインストールした後、実際にネットワークの監視を開始するために、以下のコマンドを実行してZeekを起動します。
bashsudo zeekctl deploy
zeekctl deploy
コマンドは、Zeekのプロセスを起動し、設定に基づいてネットワークの監視を開始します。これにより、Zeekがネットワークトラフィックを監視し、ログを記録します。
6. Zeekのログの確認
Zeekが正しく動作しているかを確認するために、ログを確認します。ログはデフォルトで/opt/zeek/logs
ディレクトリに保存されます。
bashls /opt/zeek/logs
このディレクトリ内には、Zeekが生成したさまざまなログファイルが保存されています。例えば、conn.log
はネットワーク接続のログを記録します。
7. Zeekの停止と再起動
Zeekを停止するには、次のコマンドを使用します。
bashsudo zeekctl stop
再起動するには、次のコマンドを使用します。
bashsudo zeekctl restart
終わりに
これで、Ubuntu 16.04にZeek(Bro)をインストールして、ネットワークトラフィックの監視を開始する準備が整いました。Zeekは非常に強力で柔軟なネットワーク監視ツールであり、ネットワークのセキュリティインシデントの検出や解析に役立ちます。