Jenkinsは、継続的インテグレーション(CI)や継続的デリバリー(CD)に広く利用されているオープンソースの自動化サーバーです。Ubuntu 16.04でJenkinsをインストールするためのステップを詳しく説明します。
1. システムの準備
まず、システムが最新の状態であることを確認するために、以下のコマンドでパッケージリストを更新します。
bashsudo apt update sudo apt upgrade
これにより、パッケージと依存関係が最新の状態に保たれ、インストール中の問題を回避できます。
2. 必要なパッケージのインストール
Jenkinsのインストールには、Javaが必要です。JenkinsはJavaで動作するため、OpenJDKをインストールします。次のコマンドでOpenJDKをインストールします。
bashsudo apt install openjdk-8-jdk
インストールが完了したら、Javaが正しくインストールされているか確認します。
bashjava -version
次に、Jenkinsのインストールに必要な追加のパッケージ(wget
)もインストールします。
bashsudo apt install wget
3. Jenkinsのリポジトリを追加
Jenkinsは公式のリポジトリからインストールできます。リポジトリを追加するために、まずJenkinsの公式リポジトリのGPGキーをインポートします。
bashwget -q -O - https://pkg.jenkins.io/keys/jenkins.io.key | sudo apt-key add -
次に、Jenkinsのリポジトリを/etc/apt/sources.list
に追加します。
bashecho deb http://pkg.jenkins.io/debian/ stable main | sudo tee -a /etc/apt/sources.list
4. Jenkinsのインストール
リポジトリを追加した後、再度パッケージリストを更新し、Jenkinsをインストールします。
bashsudo apt update sudo apt install jenkins
インストールが完了したら、Jenkinsのステータスを確認します。
bashsudo systemctl status jenkins
Jenkinsが正常にインストールされていると、active (running)
というステータスが表示されます。
5. Jenkinsのファイアウォール設定
Ubuntuのデフォルトでは、UFW(Uncomplicated Firewall)が有効になっていることがあります。Jenkinsはポート8080を使用しますので、このポートを開放する必要があります。
bashsudo ufw allow 8080
その後、ファイアウォールの状態を確認します。
bashsudo ufw status
6. Jenkinsの初期設定
インストールが完了し、Jenkinsが起動したら、WebブラウザからJenkinsにアクセスします。デフォルトでは、Jenkinsはポート8080で動作していますので、以下のURLにアクセスします。
cpphttp://<サーバーのIPアドレス>:8080
初回アクセス時に、Jenkinsは管理者パスワードを要求します。このパスワードは、次のコマンドで確認できます。
bashsudo cat /var/lib/jenkins/secrets/initialAdminPassword
表示されたパスワードをWebページに入力すると、初期設定画面に進むことができます。
7. Jenkinsのプラグインインストール
初期設定が完了した後、必要なプラグインをインストールします。Jenkinsでは多くのプラグインが提供されており、プロジェクトに必要なプラグインをインストールすることができます。初回起動時に「おすすめプラグインのインストール」オプションを選択することをお勧めします。
8. 管理者設定とジョブの作成
プラグインのインストールが完了したら、Jenkinsの管理者としてログインします。その後、ジョブ(ビルドタスク)を作成して、CI/CDパイプラインの設定を開始します。
ジョブを作成するには、Jenkinsのダッシュボードから「新規ジョブ作成」をクリックし、ビルドの種類(フリースタイルプロジェクト、パイプラインなど)を選択して、設定を行います。
9. Jenkinsの停止と再起動
Jenkinsを停止したり、再起動したりする必要がある場合は、次のコマンドを使用します。
停止:
bashsudo systemctl stop jenkins
再起動:
bashsudo systemctl restart jenkins
Jenkinsのサービスが正しく動作していることを確認するためには、再度サービスのステータスを確認します。
bashsudo systemctl status jenkins
まとめ
Jenkinsは、CI/CDのプロセスを自動化し、開発の効率を大きく向上させる強力なツールです。Ubuntu 16.04にJenkinsをインストールするには、まず必要な依存関係(Javaなど)をインストールし、公式リポジトリからJenkinsをインストールすることで簡単にセットアップできます。Jenkinsがインストールされたら、ブラウザから管理者設定を行い、プラグインをインストールして、ジョブを作成することで、自動化されたビルドパイプラインを構築することができます。