Jenkinsのインストールとセットアップは、継続的インテグレーション(CI)および継続的デリバリー(CD)を実現するための重要なステップです。今回は、Ubuntu 18.04にJenkinsをインストールし、セットアップする方法を詳細に解説します。以下では、必要な前提条件からインストール方法、設定、実行方法まで順を追って説明します。
前提条件
- Ubuntu 18.04 がインストールされたサーバーが必要です。
- sudo権限を持つユーザーアカウント が必要です。
- インターネット接続が必要です。
1. システムのアップデート
まず、システムのパッケージリストを更新し、最新の状態に保ちます。これにより、Jenkinsインストール中に発生する可能性のある依存関係の問題を回避できます。
bashsudo apt update sudo apt upgrade -y
2. Javaのインストール
JenkinsはJavaで動作するため、Javaのインストールが必要です。JenkinsはJava 8以降をサポートしています。Ubuntu 18.04では、OpenJDK 11が推奨されます。
次のコマンドを使ってOpenJDK 11をインストールします。
bashsudo apt install openjdk-11-jdk -y
インストール後、Javaが正しくインストールされたか確認するために、次のコマンドを実行します。
bashjava -version
出力として、openjdk version "11.x"
というメッセージが表示されれば、正しくインストールされています。
3. Jenkinsリポジトリの追加
Jenkinsは公式のリポジトリからインストールできます。まず、Jenkinsのリポジトリを追加するために、Jenkinsの公式ウェブサイトから公開鍵をインポートします。
bashwget -q -O - https://pkg.jenkins.io/keys/jenkins.io.key | sudo apt-key add -
次に、JenkinsリポジトリをAPTのソースリストに追加します。
bashsudo sh -c 'echo deb http://pkg.jenkins.io/debian/ stable main > /etc/apt/sources.list.d/jenkins.list'
4. Jenkinsのインストール
リポジトリが追加されたら、再度APTパッケージリストを更新し、Jenkinsをインストールします。
bashsudo apt update sudo apt install jenkins -y
インストールが完了したら、Jenkinsサービスを起動し、自動起動を有効にします。
bashsudo systemctl start jenkins
sudo systemctl enable jenkins
Jenkinsが正常に起動したか確認するために、次のコマンドでサービスのステータスを確認します。
bashsudo systemctl status jenkins
ステータスが「active (running)」であれば、Jenkinsは正常に起動しています。
5. ファイアウォールの設定
Jenkinsは通常、ポート8080で動作します。もしサーバーでUFW(Uncomplicated Firewall)が有効になっている場合、Jenkinsのポートを開放する必要があります。
bashsudo ufw allow 8080
ファイアウォールが設定されていない場合でも、ポート8080でアクセスできることを確認する必要があります。
6. Jenkinsのセットアップ
Jenkinsが起動した後、Webブラウザを使用してJenkinsのセットアップ画面にアクセスします。ブラウザで以下のURLにアクセスしてください。
cpphttp://<サーバーのIPアドレス>:8080
初回アクセス時には、Jenkinsのロック解除キーを入力する必要があります。このキーは、Jenkinsがインストールされた後に生成されたログファイルに記録されています。
以下のコマンドを使って、ロック解除キーを取得します。
bashsudo cat /var/lib/jenkins/secrets/initialAdminPassword
表示されたパスワードをコピーし、Jenkinsのセットアップ画面に貼り付けて「Continue」ボタンをクリックします。
7. プラグインのインストール
Jenkinsの初回セットアップでは、必要なプラグインをインストールするオプションが表示されます。ここでは「Install suggested plugins(推奨プラグインのインストール)」を選択します。これにより、Jenkinsの基本的な機能を提供するために必要なプラグインがインストールされます。
インストールが完了した後、Jenkinsの管理画面にアクセスできるようになります。
8. 管理者ユーザーの設定
プラグインのインストールが完了した後、Jenkinsの管理者ユーザーを作成する画面が表示されます。ここで、名前、メールアドレス、パスワードを設定し、Jenkinsの管理者としてログインできるようにします。
9. 初期設定の完了
管理者ユーザーの設定が完了すると、Jenkinsのダッシュボードが表示され、Jenkinsの使用を開始できます。これで、Ubuntu 18.04にJenkinsをインストールしてセットアップする作業は完了です。
10. Jenkinsの利用
Jenkinsのダッシュボードから新しいジョブ(プロジェクト)を作成したり、ビルドを開始したり、さまざまなCI/CDパイプラインの構築が可能です。また、Jenkinsは多数のプラグインをサポートしており、GitやDocker、Mavenなどと連携して、さらに多くの機能を追加できます。
まとめ
Ubuntu 18.04にJenkinsをインストールしてセットアップするための手順を紹介しました。Jenkinsを利用することで、ソフトウェアのビルド、テスト、デプロイなどの自動化が可能となり、開発の効率化を実現できます。今後は、Jenkinsの拡張機能を利用して、より高度なCI/CDパイプラインを構築していきましょう。