Python 3のインストールと開発環境の設定方法(Ubuntu 18.04)
Pythonは、さまざまなアプリケーションの開発に広く使用されているプログラミング言語であり、そのシンプルで強力な機能により、多くの開発者に愛されています。この記事では、Ubuntu 18.04上でPython 3をインストールし、開発環境を設定する方法を完全かつ包括的に説明します。
1. システムの更新
まず、Ubuntuシステムが最新の状態であることを確認するために、システムを更新します。ターミナルを開き、以下のコマンドを入力します。
bashsudo apt update sudo apt upgrade
これにより、パッケージリストが更新され、インストールされているパッケージが最新の状態にアップグレードされます。
2. Python 3のインストール
Ubuntu 18.04には、デフォルトでPython 3がインストールされている場合があります。しかし、もしインストールされていない場合や、バージョンを確認したい場合には、次のコマンドを実行します。
bashpython3 --version
もしPython 3がインストールされていない場合や、古いバージョンがインストールされている場合は、以下のコマンドでPython 3をインストールします。
bashsudo apt install python3
これにより、最新の安定版Python 3がインストールされます。
3. 必要なツールとパッケージのインストール
開発環境を整えるために、Pythonのパッケージ管理ツールであるpipをインストールします。pipを使うことで、Pythonのライブラリを簡単にインストールできます。
bashsudo apt install python3-pip
また、開発に役立つツールをインストールします。以下のコマンドを実行して、python3-devとbuild-essentialパッケージをインストールします。
bashsudo apt install python3-dev build-essential
これにより、C言語のコンパイラや、Python拡張モジュールをコンパイルするために必要なヘッダーファイルがインストールされます。
4. 仮想環境の設定
Pythonでの開発には仮想環境を使用することを強くお勧めします。仮想環境を使うことで、プロジェクトごとに異なるPythonパッケージを管理することができ、システム全体のPython環境を汚染することなく開発を行えます。
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仮想環境を作成するためのツールをインストール
bashsudo apt install python3-venv
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仮想環境の作成
次に、プロジェクトのディレクトリに移動し、仮想環境を作成します。ここでは、仮想環境の名前をmyenvとしますが、好きな名前に変更できます。
bashpython3 -m venv myenv
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仮想環境の有効化
仮想環境を有効にするために、以下のコマンドを実行します。
bashsource myenv/bin/activate
仮想環境が有効になったことを確認するために、次のようにプロンプトが変わります。
ruby(myenv) user@hostname:~/project$
仮想環境内では、システムのPython環境に影響を与えずにパッケージをインストールできます。
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仮想環境の無効化
仮想環境を終了するには、以下のコマンドを入力します。
bashdeactivate
これで仮想環境が無効化され、元のシステム環境に戻ります。
5. 必要なライブラリのインストール
開発に必要なPythonライブラリをインストールするために、仮想環境内でpipを使用します。たとえば、人気のあるライブラリであるnumpyやrequestsをインストールする場合は、次のコマンドを使用します。
bashpip install numpy requests
これで、必要なパッケージが仮想環境内にインストールされます。
6. Pythonのインタラクティブシェルの使用
Pythonには、対話型のシェルが用意されています。これを使うことで、Pythonコードをすぐに実行し、結果を確認することができます。
次のコマンドでインタラクティブシェルを起動します。
bashpython3
シェルが起動すると、>>>というプロンプトが表示され、そこでPythonコードを実行できます。たとえば、次のように入力してみてください。
pythonprint("Hello, Python!")
実行結果として、Hello, Python!と表示されます。
7. パッケージのアップグレード
インストールされているパッケージを最新のバージョンにアップグレードするためには、pipの--upgradeオプションを使用します。
bashpip install --upgrade numpy
これで、指定したパッケージが最新のバージョンにアップグレードされます。
8. Pythonスクリプトの作成と実行
Pythonスクリプトを作成し、それを実行する方法を説明します。
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任意のテキストエディタでPythonファイルを作成します。たとえば、
hello.pyという名前で以下の内容を保存します。
pythonprint("Hello, Ubuntu!")
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スクリプトを実行するには、次のコマンドを実行します。
bashpython3 hello.py
実行結果として、Hello, Ubuntu!と表示されます。
9. トラブルシューティング
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依存関係の問題: Pythonパッケージのインストール中にエラーが発生することがあります。この場合、
sudo apt-get install -fを使って依存関係を修正できます。 -
パッケージが見つからない: パッケージが見つからない場合は、
pipを使って検索することができます。
bashpip search <パッケージ名>
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権限エラー: 権限の問題でパッケージをインストールできない場合は、
sudoを使ってインストールを試みるか、仮想環境を使ってパッケージをインストールしてください。
まとめ
以上で、Ubuntu 18.04にPython 3をインストールし、開発環境を整える方法がわかりました。仮想環境を使用することで、プロジェクトごとの依存関係を簡単に管理でき、効率的な開発が可能になります。今回紹介した手順を参考に、Pythonでの開発を楽しんでください。
