Ubuntu 18.04の初期設定は、サーバーを運用するための基本的な準備として重要なプロセスです。これにより、セキュリティが強化され、パフォーマンスが最適化され、サーバーが正常に動作するようになります。本記事では、Ubuntu 18.04サーバーの初期設定を段階的に詳しく説明します。
1. サーバーのインストールとログイン
まず、Ubuntu 18.04のサーバーをインストールします。インストールは公式のUbuntuのウェブサイトからISOイメージをダウンロードし、インストールメディアを作成することで開始できます。インストールが完了したら、リモートアクセス用にSSHを有効にしてログインします。
インストール後にSSH接続を使用してサーバーにアクセスします。以下のコマンドを使用してSSHサーバーをインストールし、起動します。
bashsudo apt update
sudo apt install openssh-server
sudo systemctl enable ssh
sudo systemctl start ssh
次に、サーバーにSSHでアクセスします。
bashssh username@server_ip_address
2. システムのアップデート
Ubuntuのインストールが完了したら、まず最初に行うべきことはシステムの更新です。これにより、サーバーに最新のセキュリティパッチが適用され、安定性が向上します。
bashsudo apt update sudo apt upgrade sudo apt dist-upgrade sudo apt autoremove
これらのコマンドを実行することで、システムのパッケージを最新の状態に保つことができます。
3. サーバーのセキュリティ強化
サーバーをインターネットに接続する前に、セキュリティの基本的な対策を講じることが重要です。以下の手順でセキュリティを強化します。
3.1. ファイアウォールの設定
Ubuntuには「UFW(Uncomplicated Firewall)」という簡単なファイアウォールツールが標準でインストールされています。これを使用して、必要なポートのみを開放し、不必要なポートは閉じてセキュリティを強化します。
基本的なファイアウォール設定を行います。まず、SSH接続を許可します。
bashsudo ufw allow OpenSSH
次に、ファイアウォールを有効にします。
bashsudo ufw enable
ファイアウォールの状態を確認するためには、次のコマンドを実行します。
bashsudo ufw status
3.2. SSHのセキュリティ強化
SSHの設定を強化することも重要です。特に、rootユーザーによる直接ログインを無効にすることをおすすめします。
/etc/ssh/sshd_config
ファイルを編集し、PermitRootLogin
をno
に設定します。
bashsudo nano /etc/ssh/sshd_config
PermitRootLogin no
を設定した後、SSHサービスを再起動します。
bashsudo systemctl restart ssh
さらに、パスワード認証を無効にして、SSH鍵認証のみを使用するように設定することも推奨されます。鍵認証を有効にするには、SSH設定ファイルで以下の設定を確認します。
bashPasswordAuthentication no
4. 必要なソフトウェアのインストール
次に、サーバーの用途に応じたソフトウェアをインストールします。例えば、ウェブサーバーを使用する場合、ApacheやNginxをインストールする必要があります。
4.1. Apacheのインストール
ウェブサーバーとしてApacheを使用する場合、以下のコマンドでインストールできます。
bashsudo apt install apache2
インストール後、Apacheのサービスが自動的に開始されます。サービスの状態を確認するには、次のコマンドを実行します。
bashsudo systemctl status apache2
4.2. Nginxのインストール
Nginxを使用する場合は、以下のコマンドでインストールします。
bashsudo apt install nginx
インストール後、Nginxサービスを確認するために以下のコマンドを実行します。
bashsudo systemctl status nginx
4.3. データベースサーバーのインストール
データベースを使用する場合、MySQLやPostgreSQLをインストールすることができます。
MySQLのインストールは次のように行います。
bashsudo apt install mysql-server
PostgreSQLをインストールするには、以下のコマンドを使用します。
bashsudo apt install postgresql
5. サーバーのバックアップと監視
サーバー運用にはバックアップと監視の体制を整えることが重要です。バックアップツールとしてはrsync
やtar
を使用できます。
bashsudo rsync -avz /source_directory /backup_directory
また、サーバーの監視には「htop」や「netstat」などのツールを使用して、サーバーのパフォーマンスやネットワーク状態をリアルタイムで確認できます。
bashsudo apt install htop
6. ログの管理
サーバーの動作を確認するためにログファイルを定期的に確認することが重要です。/var/log
ディレクトリにシステムのログが格納されています。特に重要なのは、syslog
とauth.log
です。
bashsudo tail -f /var/log/syslog
7. 定期的なアップデートとメンテナンス
システムを長期にわたって安定的に運用するためには、定期的にアップデートを行い、不要なパッケージや古いカーネルを削除することが必要です。これにより、セキュリティが強化され、パフォーマンスが向上します。
定期的なアップデートの確認には、以下のコマンドを使用します。
bashsudo apt up