開発運用

Ubuntu LAMPスタックのインストール

LAMPスタック(Linux、Apache、MySQL/MariaDB、PHP)は、ウェブ開発環境を構築するための基本的なセットアップです。UbuntuにLAMPをインストールして設定するための完全なガイドを以下に示します。このガイドでは、システム要件からインストール手順、設定方法までを詳細に説明します。

システム要件

UbuntuにLAMPをインストールするためには、以下の条件を満たしている必要があります:

  1. Ubuntuがインストールされていること
    この記事では、Ubuntu 20.04 LTSまたはそれ以降のバージョンを使用します。
  2. インターネット接続
    必要なパッケージをダウンロードするためにインターネット接続が必要です。
  3. sudo権限を持つユーザーアカウント
    サーバーの設定を行うためには、sudo権限が必要です。

ステップ1: システムのアップデート

まず最初に、システムが最新であることを確認します。ターミナルを開いて、以下のコマンドを実行してください:

bash
sudo apt update sudo apt upgrade -y

これにより、システムが最新の状態に更新されます。

ステップ2: Apacheのインストール

次に、ウェブサーバーとして使用するApacheをインストールします。Apacheは、リクエストを処理してウェブページをユーザーに提供する役割を担います。以下のコマンドでApacheをインストールします:

bash
sudo apt install apache2 -y

インストールが完了したら、Apacheが正しく動作しているか確認するために、ウェブブラウザを開き、サーバーのIPアドレスまたはlocalhostにアクセスします。例えば、http://localhostにアクセスします。Apacheのデフォルトページが表示されるはずです。

Apacheのサービスを確認するためには、次のコマンドを使用します:

bash
sudo systemctl status apache2

Apacheが起動していることが確認できたら、次のステップに進みます。

ステップ3: MySQL/MariaDBのインストール

次に、データベース管理システムとしてMySQL(またはそのフォークであるMariaDB)をインストールします。ここではMariaDBを例として使用します。MariaDBは、MySQLと互換性があり、セキュリティが強化されています。

MariaDBをインストールするために、次のコマンドを実行します:

bash
sudo apt install mariadb-server mariadb-client -y

インストールが完了したら、MariaDBサービスを起動し、ステータスを確認します:

bash
sudo systemctl start mariadb sudo systemctl enable mariadb sudo systemctl status mariadb

MariaDBを安全に設定するためには、以下のコマンドを実行します:

bash
sudo mysql_secure_installation

このコマンドは、ルートパスワードの設定や不要なデフォルト設定の削除を行うための対話形式のプロセスです。プロンプトに従って、設定を完了させてください。

ステップ4: PHPのインストール

次に、PHP(ウェブサーバーで動的なコンテンツを処理するために必要なプログラミング言語)をインストールします。PHPをインストールするには、以下のコマンドを実行します:

bash
sudo apt install php libapache2-mod-php php-mysql -y

これにより、Apacheと連携するために必要なモジュールや、MySQL/MariaDBとの接続をサポートするためのPHP拡張がインストールされます。

PHPのインストールが完了したら、PHPのバージョンを確認してインストールが成功したかを確認します:

bash
php -v

PHPが正しくインストールされていれば、PHPのバージョン情報が表示されます。

ステップ5: ApacheとPHPの連携確認

ApacheがPHPファイルを処理できることを確認するために、テスト用のPHPファイルを作成します。次のコマンドで、info.phpというファイルを作成し、PHP情報を表示するページを作成します:

bash
sudo nano /var/www/html/info.php

以下のコードをファイルに追加して保存します:

php
phpinfo(); ?>

その後、ウェブブラウザでhttp://localhost/info.phpにアクセスし、PHPの情報が表示されれば、ApacheとPHPの連携が正常に行われていることが確認できます。

ステップ6: サーバーのファイアウォール設定

Ubuntuのサーバーでファイアウォールを使用している場合、必要なポート(80番ポートと443番ポート)を開放する必要があります。以下のコマンドでポートを開放します:

bash
sudo ufw allow 'Apache Full'

これにより、HTTPおよびHTTPSトラフィックが許可され、ウェブサーバーへのアクセスが可能になります。

ステップ7: LAMPスタックのテスト

LAMPスタックが正しく動作しているかを確認するために、ウェブブラウザを開き、http://localhostにアクセスします。Apacheのデフォルトページが表示され、http://localhost/info.phpにアクセスすると、PHPの設定情報が表示されれば、LAMPスタックのインストールは成功です。

ステップ8: 必要に応じた追加モジュールのインストール

LAMPスタックには、特定の機能を追加するために他のPHP拡張をインストールすることができます。例えば、画像処理を行うためのGDライブラリをインストールする場合、以下のコマンドを実行します:

bash
sudo apt install php-gd -y

その他にも、メール送信機能や、XML解析機能を追加するためのモジュールをインストールすることができます。

ステップ9: サーバーの再起動

最後に、サーバーを再起動して変更を適用します。ApacheとMariaDBを再起動して、設定を反映させましょう:

bash
sudo systemctl restart apache2 sudo systemctl restart mariadb

これでLAMPスタックのセットアップは完了です。

結論

このガイドでは、UbuntuにLAMPスタックをインストールし、設定する手順を詳しく説明しました。LAMPスタックは、ウェブアプリケーションの開発やホスティングに非常に便利な環境であり、Apache、MySQL/MariaDB、PHPの組み合わせによって強力なサーバーを構築することができます。

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