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Windows Server 2016 DNS 設定ガイド

DNS (Domain Name System) サーバーは、インターネット上のホスト名を IP アドレスに変換する重要な役割を担っています。Windows Server 2016 における DNS サーバーのインストールと設定は、企業ネットワークや Web サイトの管理において重要なタスクです。本記事では、Windows Server 2016 に DNS サーバーをインストールし、構成する方法について詳しく解説します。

1. DNS サーバーの役割と機能

DNS サーバーは、インターネットに接続された全てのホスト名(例: www.example.com)とそれに対応する IP アドレスを管理し、ユーザーがウェブサイトをアクセスできるようにします。DNS サーバーは、次のような重要な機能を提供します。

  • 名前解決:DNS サーバーは、ホスト名を IP アドレスに変換する「名前解決」を提供します。

  • リソースレコードの管理:DNS サーバーは、さまざまなリソースレコード(A レコード、MX レコード、CNAME レコードなど)を管理します。

  • 負荷分散とフェイルオーバー:複数のサーバーにトラフィックを分散するための負荷分散を実現します。

  • キャッシュ:DNS サーバーは名前解決の結果をキャッシュして、次回の問い合わせ時により高速に応答します。

2. DNS サーバーのインストール

Windows Server 2016 に DNS サーバーをインストールする手順は以下の通りです。

2.1. サーバーマネージャーを使用してインストール

  1. サーバーマネージャーを開く
    サーバーマネージャーは、Windows Server 2016 の管理ツールの一部です。画面右上の「サーバーマネージャー」アイコンをクリックします。

  2. 「管理」メニューから「役割と機能の追加」を選択
    サーバーマネージャーの「管理」メニューから、「役割と機能の追加」をクリックします。

  3. 「役割と機能の追加ウィザード」を進める
    役割と機能の追加ウィザードが起動します。「次へ」をクリックし、インストールする役割を選択します。

  4. 「DNS サーバー」役割を選択
    「役割の選択」画面で「DNS サーバー」にチェックを入れます。続けて「次へ」をクリックします。

  5. インストールの確認
    インストールする役割と機能を確認し、「インストール」をクリックします。インストールが完了するまで待機します。

2.2. インストール完了後の確認

インストールが完了した後、DNS サーバーの役割が追加され、サーバーマネージャーの「役割と機能」セクションに表示されます。

3. DNS サーバーの設定

インストール後、DNS サーバーの設定を行います。DNS サーバーの基本的な設定は以下の手順で行います。

3.1. DNS サーバーマネージャーの起動

  1. DNS サーバーマネージャーを開く
    サーバーマネージャーから「ツール」メニューをクリックし、「DNS」を選択します。これで DNS サーバーマネージャーが開きます。

3.2. 新しいゾーンの作成

DNS サーバーはゾーンを使用して名前解決の情報を管理します。ゾーンは、ドメイン名と関連するリソースレコードを含んでいます。

  1. 「新しいゾーンの作成」ウィザードを開始
    DNS サーバーマネージャーの左ペインでサーバー名を選択し、「アクション」パネルから「新しいゾーン」をクリックします。

  2. ゾーンタイプの選択
    「ゾーンタイプの選択」画面で、以下のオプションから適切なものを選択します。

    • プライマリゾーン:通常、ドメインの名前解決に使用されるゾーンです。

    • セカンダリゾーン:プライマリゾーンのコピーを保持するためのゾーンです。

    • 転送ゾーン:他の DNS サーバーから名前解決を転送するためのゾーンです。

  3. ゾーン名の設定
    ゾーン名には、DNS サーバーが管理するドメイン名を設定します。たとえば、「example.com」といった形です。

  4. ゾーンファイルの設定
    ゾーンファイルの場所を指定します。通常はデフォルトのままで問題ありません。

  5. ゾーンの作成完了
    設定が完了したら、「完了」をクリックしてゾーンを作成します。

3.3. レコードの追加

ゾーンを作成した後、A レコードやMX レコードなどのリソースレコードを追加することで、名前解決を管理できます。

  1. A レコードの追加
    ドメイン名に対応する IP アドレスを登録します。「新しいホスト (A または AAAA) を作成」をクリックし、ホスト名と IP アドレスを入力します。

  2. MX レコードの追加
    メールサーバーを指定するための MX レコードを追加します。「新しい交換 (MX) レコードを作成」をクリックし、メールサーバーのホスト名を入力します。

3.4. フォワーダーの設定

インターネット上の名前解決を他の DNS サーバーに転送するために、フォワーダーを設定できます。

  1. 「転送者の設定」を選択
    DNS サーバーマネージャーで「転送者」タブを選択します。

  2. フォワーダー DNS サーバーの追加
    「転送者の追加」をクリックし、転送先の DNS サーバーの IP アドレスを入力します。

4. DNS サーバーのテスト

DNS サーバーを設定した後は、名前解決が正しく行われているかテストすることが重要です。

4.1. nslookup コマンドの使用

コマンドプロンプトを開き、「nslookup」を入力します。続いて、名前解決をテストしたいドメイン名を入力します。

例:

nginx
nslookup www.example.com

このコマンドは、指定されたホスト名に対応する IP アドレスを返します。

4.2. サーバーのステータス確認

DNS サーバーの状態を確認するためには、サーバーマネージャー内で DNS サーバーのログやイベントビューアーをチェックします。問題があれば、イベントログを確認し、エラーの原因を特定します。

5. まとめ

Windows Server 2016 の DNS サーバーは、ネットワーク内での名前解決に欠かせない役割を果たします。DNS サーバーをインストールし、適切に設定することで、ネットワークの管理が効率化され、インターネットや内部リソースへのアクセスがスムーズになります。また、セキュリティやバックアップの観点から、DNS サーバーの定期的な監視とメンテナンスが必要です。

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