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Wordfast設定ガイド

Wordfastは、翻訳メモリ(TM)と呼ばれる技術を活用した翻訳支援ツールです。翻訳メモリは、翻訳したテキストのフレーズや文を保存し、再度同じ文が出現した際にその翻訳を自動的に提案する仕組みを提供します。これにより、翻訳の一貫性を保ちながら作業の効率が大幅に向上します。Wordfastは、主に翻訳者向けのソフトウェアとして、プロフェッショナルな翻訳業務をサポートしますが、その設定や操作に関しても様々なカスタマイズが可能です。この記事では、Wordfastの基本的な設定オプションとその使い方について詳しく解説します。

Wordfastの主な設定オプション

  1. インターフェースの設定
    Wordfastを使用する際に、まず最初に設定するのがインターフェースの言語や見た目に関するオプションです。Wordfastは多言語に対応しており、ユーザーは自分が使いやすい言語を選択できます。インターフェースのテーマやフォントサイズも変更可能で、作業環境に応じて見やすさや快適さを調整できます。

    設定手順:

    • Wordfastを開き、メインメニューから「設定」オプションを選択します。
    • 「言語」や「インターフェース」セクションに進み、希望する設定を選択します。
  2. 翻訳メモリ(TM)の設定
    翻訳メモリの設定は、Wordfastの最も重要な要素です。翻訳メモリをうまく活用することで、効率的に翻訳作業を進めることができます。TMの作成、インポート、エクスポートの設定を調整することができます。

    設定手順:

    • 「ファイル」メニューから「翻訳メモリ管理」へ進みます。
    • ここで、TMを新規作成したり、既存のTMをインポートしたりすることができます。
    • TMの一致精度(マッチング精度)の設定もここで行えます。
  3. 用語集(Glossary)の設定
    用語集は、特定の分野における専門用語や固有名詞を統一して使用するために重要な役割を果たします。Wordfastでは、用語集を活用して一貫した用語の使用を促進します。用語集の作成やインポートも簡単に行うことができます。

    設定手順:

    • 「ファイル」メニューから「用語集の管理」を選択します。
    • 新規用語集の作成や、他の形式(例えば、.txtや.csv)で作成された用語集をインポートすることができます。
  4. 翻訳支援ツールのカスタマイズ
    Wordfastは、ユーザーが翻訳支援ツール(CATツール)を自分のニーズに合わせて調整できる柔軟な設定を提供します。作業中の短縮キー(ショートカットキー)の変更や、ツールバーのカスタマイズを行うことができます。

    設定手順:

    • 「設定」メニューにアクセスし、「ショートカットキー」セクションを選択します。
    • 必要に応じて、ショートカットキーを自分の作業フローに合わせて変更できます。
    • ツールバーのカスタマイズは「ツールバー」設定で行います。
  5. プロジェクト管理
    Wordfastでは、複数の翻訳プロジェクトを一括で管理することができ、作業を効率化できます。プロジェクトごとに特定の翻訳メモリや用語集を紐付けることが可能です。これにより、プロジェクトごとの整合性が保たれます。

    設定手順:

    • 新しいプロジェクトを作成し、関連するTMや用語集をプロジェクトに紐付けます。
    • プロジェクトを開いて、翻訳作業を開始することができます。
  6. バックアップと同期
    Wordfastには、作業中のデータを自動的にバックアップする機能があります。この設定により、万が一のデータ損失を防ぐことができます。また、複数のデバイス間での同期を行う設定もあります。

    設定手順:

    • 「設定」メニューから「バックアップ」セクションを選択し、バックアップの頻度や方法を選びます。
    • クラウド同期設定を有効にすると、異なるデバイス間でデータを同期できます。

まとめ

Wordfastは、その高度なカスタマイズ機能により、翻訳作業を効率的かつ精度高く進めるための強力なツールです。インターフェースの設定、翻訳メモリや用語集の管理、作業ツールのカスタマイズ、プロジェクト管理など、さまざまな設定オプションを駆使することで、翻訳者の作業効率を飛躍的に向上させることができます。Wordfastを上手に活用し、翻訳業務をより効率的に、精度高く進めていくことが可能です。

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