WordPressにおけるカスタム分類(Taxonomies)とカスタムフィールド(Fields)の作成について、詳細かつ包括的な記事を日本語で説明します。この記事では、WordPressの機能を最大限に活用し、サイトの管理やカスタマイズを進める方法を解説します。
1. WordPressの分類とフィールドの基本概念
WordPressでは、コンテンツを分類したり、追加のメタ情報を管理したりするために「カスタム分類」と「カスタムフィールド」を使用することができます。

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カスタム分類(Taxonomies):これは、投稿やカスタム投稿タイプを特定のカテゴリやタグで分類するための機能です。デフォルトでは「カテゴリー(Categories)」や「タグ(Tags)」がありますが、カスタム分類を使うことで、さらに柔軟にコンテンツを整理できます。
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カスタムフィールド(Fields):これらは、投稿やページに付随する追加情報を保存するためのフィールドです。これにより、特定のデータ(例えば、価格、日付、評価など)を追加することができます。
2. カスタム分類(Taxonomies)の作成方法
カスタム分類を作成するためには、register_taxonomy()
関数を使用します。この関数は、特定の投稿タイプに対して新しい分類を追加するために使用されます。
2.1 カスタム分類の基本的な作成方法
以下は、カスタム分類を作成するためのコード例です。このコードは、テーマの functions.php
ファイルに追加します。
phpfunction create_custom_taxonomy() {
$args = array(
'hierarchical' => true, // 階層構造にするかどうか(カテゴリーのような親子関係を持たせる)
'labels' => array(
'name' => '商品カテゴリ', // 分類の名前
'singular_name' => '商品カテゴリー',
'search_items' => 'カテゴリーを検索',
'all_items' => 'すべてのカテゴリー',
'parent_item' => '親カテゴリー',
'parent_item_colon' => '親カテゴリー:',
'edit_item' => 'カテゴリーを編集',
'update_item' => 'カテゴリーを更新',
'add_new_item' => '新しいカテゴリーを追加',
'new_item_name' => '新しいカテゴリー名',
'menu_name' => '商品カテゴリ'
),
'show_ui' => true, // 管理画面に表示するかどうか
'show_in_menu' => true, // メニューに表示するかどうか
'show_admin_column' => true, // 管理画面のカラムに表示するかどうか
'query_var' => true,
'rewrite' => array('slug' => 'product-category'), // URLに使うスラッグ
);
register_taxonomy('product_category', 'post', $args); // 'product_category' は分類の名前
}
add_action('init', 'create_custom_taxonomy');
このコードは、「商品カテゴリ」というカスタム分類を作成し、post
投稿タイプに関連付けます。分類は階層的であり、親子関係を持つことができます。
2.2 カスタム分類の確認
WordPressの管理画面に移動し、「投稿」セクションに新しい分類「商品カテゴリ」が追加されているのを確認できます。この分類を利用して投稿を分類することができます。
3. カスタムフィールド(Fields)の作成方法
カスタムフィールドは、投稿やページに対して追加のデータを保存するために使用されます。デフォルトでは、WordPressはタイトル、コンテンツ、タグなどの基本的なフィールドを提供しますが、カスタムフィールドを使うことで、独自の情報を追加することができます。
3.1 カスタムフィールドの追加
カスタムフィールドは、add_post_meta()
関数を使って追加できます。以下は、特定の投稿に「価格」というカスタムフィールドを追加する例です。
phpfunction add_custom_field_to_post() {
$post_id = 123; // 投稿ID
$field_key = 'price'; // フィールドのキー
$field_value = '5000'; // フィールドの値
add_post_meta($post_id, $field_key, $field_value, true); // true: 重複を防ぐ
}
add_action('wp_insert_post', 'add_custom_field_to_post');
このコードは、投稿ID 123 の投稿に「価格」というカスタムフィールドを追加します。add_post_meta()
関数は、投稿にカスタム情報を追加するために使用されます。
3.2 カスタムフィールドの表示
投稿のカスタムフィールドは、get_post_meta()
関数を使って表示できます。以下のコードは、カスタムフィールド「価格」を投稿ページに表示する例です。
phpfunction display_custom_field_price($content) {
if (is_single()) { // 単一投稿ページの場合
$price = get_post_meta(get_the_ID(), 'price', true); // 'price' はカスタムフィールドのキー
if ($price) {
$content .= '価格: '
. $price . '円';
}
}
return $content;
}
add_filter('the_content', 'display_custom_field_price');
このコードは、投稿ページのコンテンツの末尾に「価格: 5000円」などの情報を追加します。
4. カスタム分類とカスタムフィールドを組み合わせた利用
カスタム分類とカスタムフィールドを組み合わせることで、さらに高度なコンテンツ管理が可能になります。例えば、カスタム分類を使用して商品カテゴリごとに投稿を分類し、カスタムフィールドを使用して各商品に価格や在庫数などの情報を追加することができます。
4.1 カスタム分類をフィルターとして使用
カスタム分類を使用して、特定のカテゴリーに関連するカスタムフィールド情報を絞り込むことができます。例えば、特定の商品カテゴリに属する投稿だけを「価格」フィールドでソートすることができます。
phpfunction filter_posts_by_custom_taxonomy_and_field($query) {
if (!is_admin() && $query->is_main_query()) {
if (is_tax('product_category')) { // 'product_category' はカスタム分類名
$query->set('meta_key', 'price'); // 'price' はカスタムフィールド名
$query->set('orderby', 'meta_value_num'); // 数値でソート
$query->set('order', 'ASC'); // 昇順
}
}
}
add_action('pre_get_posts', 'filter_posts_by_custom_taxonomy_and_field');
このコードは、「商品カテゴリ」ごとに投稿をフィルタリングし、価格でソートする方法を示しています。
5. まとめ
カスタム分類(Taxonomies)とカスタムフィールド(Fields)は、WordPressをより柔軟に、また管理しやすくするために非常に役立つ機能です。カスタム分類を使ってコンテンツを分類し、カスタムフィールドを使って追加情報を管理することで、サイトの機能性とユーザー体験を向上させることができます。これらの機能を駆使することで、WordPressをより強力なコンテンツ管理システムとして活用できます。