Xamarinを使用して連絡先アプリケーションを作成する方法 – パート2
前回の記事では、Xamarinを使用して連絡先アプリケーションを作成するための基礎を紹介しました。今回は、アプリケーションの機能をさらに拡張し、データベースと連携した連絡先管理、UIの改善、そしてアプリケーションを完成させるために必要な最終的なステップに焦点を当てます。
1. データベースとの統合
連絡先アプリケーションを作成する際、データの保存方法は非常に重要です。Xamarinでは、SQLiteを使用してローカルデータベースを作成し、連絡先情報を保存することができます。SQLiteは軽量でシンプルなデータベースであり、モバイルアプリケーションには非常に適しています。

1.1 SQLiteパッケージのインストール
XamarinでSQLiteを使用するには、まずプロジェクトにSQLite.Net-PCLパッケージをインストールする必要があります。これにより、SQLiteデータベースと簡単にやり取りできるようになります。
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Visual Studioを開き、NuGetパッケージマネージャーを使用して「SQLite.Net-PCL」をインストールします。
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インストール後、SQLiteに関連するクラスやメソッドを使用して、データベース操作が可能になります。
1.2 SQLiteデータベースの作成
次に、SQLiteデータベースを作成します。ここでは、連絡先情報を保存するための「Contact」クラスを定義し、そのデータをデータベースに保存します。
csharppublic class Contact
{
[PrimaryKey, AutoIncrement]
public int Id { get; set; }
public string Name { get; set; }
public string PhoneNumber { get; set; }
public string Email { get; set; }
}
上記の「Contact」クラスは、連絡先の名前、電話番号、メールアドレスを保存するためのフィールドを持っています。また、Id
は自動インクリメントされる主キーです。
1.3 データベース接続の設定
次に、SQLiteデータベースに接続するためのコードを追加します。これには、データベースのパスを取得し、SQLiteオブジェクトを初期化する必要があります。
csharppublic class Database
{
private readonly SQLiteConnection _database;
public Database(string dbPath)
{
_database = new SQLiteConnection(dbPath);
_database.CreateTable();
}
public List<Contact> GetContacts()
{
return _database.Table().ToList();
}
public int SaveContact(Contact contact)
{
if (contact.Id != 0)
{
return _database.Update(contact);
}
else
{
return _database.Insert(contact);
}
}
}
上記のコードでは、SQLiteデータベースへの接続と連絡先の取得・保存を行うメソッドを定義しています。
1.4 データベースの利用
次に、データベースを利用するために、UIのバックエンドでこのDatabase
クラスを使用します。これにより、ユーザーが連絡先を追加・表示することができるようになります。
csharppublic class ContactPageViewModel
{
private readonly Database _database;
public ObservableCollection Contacts { get; set; }
public ContactPageViewModel()
{
var dbPath = Path.Combine(Environment.GetFolderPath(Environment.SpecialFolder.LocalApplicationData), "contacts.db3");
_database = new Database(dbPath);
Contacts = new ObservableCollection(_database.GetContacts());
}
public void AddContact(Contact contact)
{
_database.SaveContact(contact);
Contacts.Add(contact);
}
}
上記のコードでは、データベースのパスを設定し、連絡先を取得して表示するためのContactPageViewModel
クラスを作成しています。
2. UIの改善
次に、ユーザーインターフェース(UI)を改善し、連絡先を追加したり、一覧表示したりできるようにします。Xamarinでは、XAMLを使用してUIを作成することができます。
2.1 連絡先リストを表示する
ContactPage.xaml
で連絡先リストを表示するために、ListView
を使用します。これにより、保存されている連絡先をリスト形式で表示できます。
xml<ContentPage xmlns="http://xamarin.com/schemas/2014/forms"
xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
x:Class="ContactApp.ContactPage">
<StackLayout>
<ListView ItemsSource="{Binding Contacts}">
<ListView.ItemTemplate>
<DataTemplate>
<TextCell Text="{Binding Name}" Detail="{Binding PhoneNumber}" />
DataTemplate>
ListView.ItemTemplate>
ListView>
StackLayout>
ContentPage>
2.2 連絡先を追加する
連絡先を追加するためのフォームを作成します。XAMLで入力フィールドを追加し、ボタンを使って新しい連絡先をデータベースに保存できるようにします。
xml<ContentPage xmlns="http://xamarin.com/schemas/2014/forms"
xmlns:x="http://schemas.microsoft.com/winfx/2006/xaml"
x:Class="ContactApp.AddContactPage">
<StackLayout Padding="10">
<Entry x:Name="NameEntry" Placeholder="名前" />
<Entry x:Name="PhoneEntry" Placeholder="電話番号" />
<Entry x:Name="EmailEntry" Placeholder="メールアドレス" />
<Button Text="保存" Clicked="OnSaveClicked"/>
StackLayout>
ContentPage>
コードビハインドで、ボタンがクリックされたときに入力された情報をデータベースに保存します。
csharpprivate async void OnSaveClicked(object sender, EventArgs e)
{
var contact = new Contact
{
Name = NameEntry.Text,
PhoneNumber = PhoneEntry.Text,
Email = EmailEntry.Text
};
_viewModel.AddContact(contact);
await Navigation.PopAsync();
}
3. アプリケーションの完成
これで、基本的な連絡先管理アプリケーションが完成しました。ユーザーは新しい連絡先を追加し、それをリストで表示することができます。さらに、SQLiteデータベースに保存された連絡先は、アプリケーションを再起動しても保持されます。
4. 今後の改善点
アプリケーションをさらに改善するために、以下の機能を追加することが考えられます。
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連絡先の編集機能: 現在の連絡先を編集できるようにする。
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削除機能: 連絡先をリストから削除できるようにする。
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検索機能: ユーザーが連絡先を検索できるようにする。
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同期機能: クラウドにデータを同期させる機能を追加する。
これらの改善により、アプリケーションはさらに強力になり、実用的な連絡先管理ツールとなるでしょう。
結論
Xamarinを使用して連絡先アプリケーションを作成する方法について詳しく説明しました。SQLiteを活用することで、アプリケーションにデータベース機能を簡単に追加でき、ユーザーは連絡先情報を効率的に管理できます。次回は、さらに高度な機能を追加して、アプリケーションをさらに発展させていきましょう。