マクラメ(マクラミー)は、結び目の技術を使って装飾的なデザインを作る伝統的なクラフトであり、現代のインテリアにおいて再び注目されています。特に「マクラメウォールハンギング(マクラメ壁掛け)」は、ナチュラルで温かみのある空間を演出するための人気のインテリアアイテムです。本記事では、初心者でも理解しやすく、かつ本格的なマクラメ壁掛けの作り方を完全かつ包括的に解説します。材料の選び方から基本の結び方、応用テクニック、そして作品完成までのプロセスを細かく紹介します。
マクラメとは何か?
マクラメは、糸や紐を手で結びながら模様を作るクラフト技法です。道具はほとんど使わず、手と紐だけで作業が可能なため、場所を選ばず取り組める手芸として人気があります。特にナチュラルテイストなインテリアを好む人々にとって、マクラメは理想的な装飾です。基本の結び方さえ覚えれば、アート作品のような複雑な模様も作ることができ、創造性を自由に表現することが可能です。

マクラメ壁掛けに必要な材料と道具
以下は、マクラメ壁掛けを制作するために最低限必要な材料と道具です:
材料/道具名 | 説明 |
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マクラメコード(ロープ) | コットン製の3mm~5mm程度のものが一般的。ナチュラルカラーが人気だが、染色されたものも可。 |
木の棒(ドリフトウッドまたは丸棒) | 作品を掛けるために使う支え。長さは30cm〜100cm程度で調整。 |
はさみ | ロープをカットするための鋭利なもの。 |
メジャー | 長さを正確に測るために使用。 |
テープまたはフック | 作業中に棒を固定するため。 |
マクラメ壁掛け制作における基本の結び方
1. ラークスヘッドノット(ひばり結び)
最初に木の棒にロープを取り付ける際に使う基本の結び方。
手順:
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ロープを半分に折る。
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輪の部分を木の棒の前から後ろへ通す。
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ロープの両端を輪に通して引き締める。
2. スクエアノット(正方形結び)
マクラメの中心的なデザインを形成する重要な結び方。
手順:
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4本のロープを並べる(中央2本は芯)。
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左のロープを芯の上に通し、右側に向けてL字型に。
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右のロープを左のロープの上にかぶせて、芯の下を通し、左の輪から引き出す。
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左右交互に繰り返すと「フラット」な編み模様に。
3. ダブルハーフヒッチノット(二重平結び)
ライン状の模様や曲線を作る際に使う。
手順:
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ベースロープ(芯)を水平に保つ。
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作業ロープを芯の下から上へ通して引き締める。
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同じ動作を2回繰り返す。
作業の準備と設計
デザインの設計
制作前に、自分の作りたい壁掛けのデザインを紙にスケッチしておくことをおすすめします。以下の要素を含めて計画を立てます:
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幅と高さ(例:幅40cm × 高さ60cm)
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使用する結びの種類と配置
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シンメトリーかアシンメトリーかのスタイル
ロープの長さの計算
結び目を作るとロープが縮むため、完成サイズの約4倍〜6倍の長さを確保する必要があります。たとえば、高さ60cmの作品なら、ロープの長さは最低でも240cm〜360cm必要です。
マクラメ壁掛けの作り方:ステップバイステップ
ステップ1:ロープのカットと取り付け
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使用する本数分のロープを所定の長さにカットします。
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ラークスヘッドノットを使って、ロープを木の棒にすべて取り付けます。
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取り付け後、ロープの端を揃えて長さを均等にします。
ステップ2:模様を作る
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スクエアノットを用いて中央部分にパターンを作ります(例:5列×5段の格子状)。
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ダブルハーフヒッチノットを使って、曲線やひし形を描きます。
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必要に応じて、ビーズや羽根などの装飾を追加します。
ステップ3:仕上げとカット
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模様が完成したら、ロープの端を整えてカットします。
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端がほつれないように、ほどけ止めを施します(編み込み、結び目、布用ボンドなど)。
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全体をアイロンで軽く整えると、見た目が引き締まります。
応用テクニック
フリンジ加工
ロープの端を櫛でとかすことで、柔らかいフリンジを作ることができます。壁掛けの下部にボリュームを持たせたい場合に効果的です。
グラデーション染め
完成後に布用染料を用いて先端部分を染めると、芸術的なグラデーションが加わり、作品が一段と華やかになります。
多層構造
複数の木の棒を使い、段違いにレイヤーを作ることで、立体的な壁掛け作品に仕上げることができます。
マクラメ作品の管理と保管
完成したマクラメ壁掛けは、直射日光を避け、湿気の少ない場所に飾ることが推奨されます。ほこりがたまりやすいため、定期的に柔らかいブラシやエアダスターで清掃することで、美しい状態を保てます。
よくある質問とその対策
質問 | 対策 |
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ロープの長さが足りなくなった | 無理に継ぎ足さず、デザインを調整して自然に見せる。次回からは長めに用意。 |
結び目がゆるい | 常に同じ強さで引き締めることを意識。練習で精度を高める。 |
模様が左右非対称になる | 作業中に中心線を意識し、定期的にロープの位置を確認する。 |
まとめ
マクラメ壁掛けの制作は、シンプルな結び方の積み重ねによって、非常に豊かな表現を可能にするアートです。初心者でも取り組みやすく、練習を重ねることでオリジナリティの高い作品が作れるようになります。本記事で紹介した技術や手順をもとに、自分だけのインテリアアートをぜひ完成させてください。
創造性と手仕事の温もりを生活空間に取り入れるマクラメは、日々の暮らしに心地よさと静けさをもたらしてくれる存在です。集中して作業するひとときは、ストレス解消やマインドフルネスにもつながります。ぜひ次のお休みに、マクラメ制作にチャレンジしてみてはいかがでしょうか。