世界の大きな内陸国

世界には海に接していない、つまり「内陸国」と呼ばれる国々がいくつかあります。これらの国々は、海からの直接的なアクセスを欠いているため、貿易や輸送において独自の挑戦を抱えています。そのため、国際的な貿易のためには隣接する沿海国を経由する必要があるなど、地理的な不利を受けることが一般的です。以下では、世界で最も面積が広い内陸国を紹介し、それぞれの国の特徴や地理的な重要性についても触れます。

1. カザフスタン

カザフスタンは、面積が約2,724,900平方キロメートルで、世界で最大の内陸国です。中央アジアに位置し、東は中国、南はウズベキスタンやキルギス、タジキスタンと国境を接し、西はロシアと隣接しています。カザフスタンは豊富な天然資源を持ち、特に石油や天然ガスの輸出が経済の重要な柱となっています。しかし、内陸国であるため、海上貿易に依存せず、鉄道やパイプラインを活用した物流の発展が求められています。

2. モンゴル

モンゴルは面積が約1,564,116平方キロメートルで、中央アジアと東アジアに位置しています。北はロシア、南は中国と接しており、海には面していません。モンゴルは広大な草原地帯と砂漠が広がる土地で、遊牧文化が色濃く残っています。近年では鉱物資源の開発が進んでおり、経済発展の一因となっています。しかし、国際貿易においては隣国との協力が不可欠です。

3. アフガニスタン

アフガニスタンは面積が約652,230平方キロメートルで、中央アジアに位置しています。西はイラン、南はパキスタン、東は中国、北はタジキスタン、ウズベキスタン、トルクメニスタンと接しています。アフガニスタンは長い間戦争や紛争に苦しんできましたが、戦略的な位置にあり、貿易やエネルギー資源の輸送ルートとしての重要性があります。海へのアクセスがないため、陸路を通じて貿易を行う必要があります。

4. ナミビア

ナミビアはアフリカの南西部に位置し、面積は約825,615平方キロメートルです。西は大西洋に接していますが、南と東は内陸国であり、隣国と国境を接しています。ナミビアは豊かな鉱鉱資源を有し、特にダイヤモンドやウラン鉱石が重要です。これらの資源は輸出され、経済の重要な部分を占めていますが、海に面していないため、隣国との協力が不可欠です。

5. チャド

チャドは、アフリカ中央部に位置する面積約1,284,000平方キロメートルの内陸国です。リビア、スーダン、中央アフリカ共和国、カメルーン、ナイジェリアと国境を接しています。チャドは乾燥地帯が広がる国であり、農業や牧畜が主な生計手段ですが、石油の埋蔵量も確認されており、経済的な発展のポテンシャルがあります。海へのアクセスがないため、経済活動は隣国を経由する形で行われます。

6. アゼルバイジャン

アゼルバイジャンは、面積が約86,600平方キロメートルで、カスピ海に面していますが、海と接する部分は限定的であり、ほぼ内陸的な国と言えます。西はアルメニア、南はイラン、東はカスピ海、北はロシアと接しており、貿易や資源開発において、周辺国との協力が重要です。石油と天然ガスの産出が盛んな国であり、これらの資源が国の経済に大きく貢献しています。

7. ブルキナファソ

ブルキナファソは、西アフリカに位置する面積約272,967平方キロメートルの内陸国です。北はマリ、南はガボン、東はニジェールと接しています。主な産業は農業で、特に綿花や穀物が生産されています。また、ブルキナファソは鉱鉱資源も豊富で、金の産出が盛んです。しかし、内陸国として、貿易においては隣国のインフラを利用する必要があります。

8. セルビア

セルビアは、ヨーロッパのバルカン半島に位置し、面積は約77,474平方キロメートルです。セルビアは内陸国であり、クロアチア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロ、コソボ、マケドニア、ルーマニア、ハンガリーと接しています。歴史的には、オスマン帝国やオーストリア＝ハンガリー帝国の影響を受けており、現在は商業や工業が発展していますが、内陸であるため、港を持たないことが貿易上の課題となっています。

9. ハンガリー

ハンガリーは、面積約93,028平方キロメートルの内陸国で、中央ヨーロッパに位置しています。オーストリア、スロバキア、ウクライナ、ルーマニア、セルビア、クロアチア、スロベニアと接しています。ハンガリーは産業が発展しており、特に製造業とサービス業が重要です。内陸国であるため、商業活動においては周辺国との協力が不可欠です。

10. リヒテンシュタイン

リヒテンシュタインは、面積がわずか160平方キロメートルで、ヨーロッパのアルプス山脈に位置する内陸国です。スイスとオーストリアの間に挟まれた小さな国であり、金融業や製造業が発展しています。リヒテンシュタインは非常に小さい国ですが、内陸であるため、輸出や貿易において周囲の国々との連携が重要です。

これらの内陸国は、海に面していないため、貿易や国際的な物流において制約を受けることが多いです。しかし、それぞれの国は独自の資源や経済的な強みを活かして、世界経済に貢献しています。